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  • 2018/03/09
  • コイン東京編集部

仮想通貨の夢と現実ーフィンテック専門家による独占コラム

仮想通貨とは?仮想通貨の歴史を振り返る

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ビットコインとは一体、何でしょうか?仮想通貨とは一体何でしょうか?正月明けの日本を揺り動かしたのは、この仮想通貨のハッキング事件でした。仮想通貨取引所のコインチェックに預けてあった約580億円相当の仮想通貨NEM(ネム)、日本円で5800億円が何者かによって盗まれたのです。(文:山崎秀夫)

仮想通貨とは円と変動相場制の下、交換できる電子的な仮想のお金であり、その代表がビットコインと呼ばれているものです。仮想通貨は、時には暗号通貨と呼ばれることがありますが基本は同じものです。昨今話題になっている仮想通貨はすべからくビットコインを参考に作られました。ではビットコインに関して判り易く説明しましょう。

仮想通貨ビットコインとは何か

ネット上でやり取りする電子データからなる通貨の事です。

仮想通貨ビットコインは金のようなモノの価値(使用価値)はありません。また商品券のように現金に裏打ちされているわけでもありません。例えていえば我が家の犬の写真のコピーが1000枚あったとして、それを欲しがる人が多数いる為、市場で価値が出てきた(交換価値)と言った性格のものです。そして仮想通貨ビットコインの相場は外貨や株式のように変動します。

仮想通貨ビットコインの保管場所

仮想通貨ビットコインは、財布(ウオレット)と言うものに入れられて保管されます。そして財布(ウオレット)のタイプは数種類あります。

(1)自身のパソコン上やスマートフォンアプリ上に財布(ウオレット)を保管するケース。
(2)インターネット上のWebに財布(ウオレット)を保管する方法。
(3)USBメモリーに似た専用ハードウエア上に保管する方法。
(4)ペーパーウォレット(紙に印刷された財布)として保管する方法。
因みに(3)、(4)をゴールドウオレット、(1)や(2)をホットウオレットと呼びます。
(5)仮想通貨取引所に預託する方法。

仮想通貨ビットコインの発行

仮想通貨ビットコインは円のように中央銀行が発行するわけではありません。発行の上限が2100万BTCと決まっており、発行はマイニングによって行われます。マイニングと言うのは仮想通貨ビットコインの売買取引を記録し、その取引を認証する作業を言います。売買取引の記録と認証に参加し、認証競争に勝てば、対価として新たに発行される仮想通貨を得ることができます。仮想通貨ビットコインの売買取引を記録、認証する作業に加わらなければ発行されるビットコインを受け取ることはできません。

またこの仮想通貨ビットコインの発行は国をまたいで、国境など気にしないで行われます。

ブロックチェーンと分散記帳

また仮想通貨ビットコインはブロックチェーン技術により、分散記帳されます。その為、中央銀行のような全体を管理する組織が存在せず、ビジネス取引の監査上、不正に強いと言われています。お金は音楽CDのネット上へのコピーと異なり、ある財布から他の財布にコピーした場合、前の財布のお金は消えてしまわなくてはなりません。スイカのような電子マネーでは、Aさんの財布からBさんの財布にお金を送金した場合、Aさんの財布には同額のお金が最早、残っていないと言う事を認証する手段がありませんでした。

ブロックチェーンとは複数の第三者がお金の送金を認証する手段として優れています。
このブロックチェーン方式を考え出したのが「サトシナカモト」と言う正体不明の人物なのです。

さてこの仮想通貨ビットコインを参考にして出来た様々な仮想通貨は全世界に多数存在し、その数は、どんどん増えて1,000とも2,000ともいわれています。

日本は仮想通貨を改正資金決済法で決済手段として認めた

2017年4月、日本では仮想通貨を決済手段として認めた改正資金決済法が施行されました。仮想通貨を決済手段として認めたと言う点は、世界の先進国の中では画期的なことでした。そして日本は仮想通貨ビットコイン取引の4割を取り扱う仮想通貨大国になりました。しかしその結果、「国が仮想通貨取引を推奨している」「株の代わりにビットコインなどの仮想通貨を買って稼げばいいんだ」と一般サラリーマンが投機に走り、国内に仮想通貨のバブルが登場しました。決済や送金の手段ではなく投機の手段として国内に広まりました。

そして本来、株式や先物取引を規制する金融商品取引法で取り締まるべき仮想通貨ビットコインを送金や決済を規制する資金決済法で取り締まったため、上述したような不都合な事件が起きて慌てることになってしまいました。

2018年1月の東京渋谷に本社がある仮想通貨取引所大手(取引規模別では第二位)のコインチェックから約580億円相当の仮想通貨NEM(ネム)がハッキングされ、世間を騒がせました。1月26日、コインチェックは取り扱う仮想通貨「NEM(ネム)」(ネムは約1450種類ある仮想通貨の一つです。)が日本円で約580億円分、コインチェックの取引所から不正に外部へ送金されたと発表しました。1月28日には約560億円分の顧客の仮想通貨「NEM(ネム)」の流出した経緯などを金融庁に報告しています。

コインチェックの仮想通貨ハッキング事件は、巨額の仮想通貨が簡単に盗まれたり、またいとも簡単に現預金(円)での返金が可能と発表されたり、今回の事件で仮想通貨取引所のようなフィンテック業者は、何かお金に対する取り扱いが相当いい加減だと言う印象を世間に与えてしまいました。そして同時に世間が持っていた仮想通貨に関する神話的幻想を粉々に打ち砕きました。政府や金融庁のイノベーションに対する積極姿勢も仮想通貨の本質を十分理解できないまま突っ走った感が強いです。(他国が慎重な中、法制化に突っ走ったわけです。)

この事件は2014年に破たんしたマウントゴックスの事件を想起させます。この時は仮想通貨ビットコインがハッキングされ、マウントゴックス社、フランス出身のマルク・カルプレスCEO(当時)が逮捕されました。(マウントゴックス社は2013年には一時、世界のビットコインの70%を占める取引所に成長していました。)マウントゴックスの場合は、サーバーがハッカーに攻撃され、ビットコイン約75万BTC(約480億円)と顧客からビットコイン取引目的で預かっていた現金28億円が消失したとされています。

我が国のビジネス界に「仮想通貨や暗号通貨」と言う概念が初めて紹介されたのはマウントゴックス事件を通してでした。そしてこの事件がきっかけで2017年4月に施行されたフィンテック法案の一部である改正資金決済法に「仮想通貨を決済手段として認める」と言う内容が記載された背景にありました。当時は「日本は世界に先駆けて仮想通貨を決済手段として認知した。」と政府関係者は胸を張っていたのを思い出します。この頃まで国内世論は、ビットコインがハッキングされたマウントゴックス事件を深く反省してしっかりした法律を金融庁と安倍内閣が作り上げたと称賛していました。

しかし権威ある英国の中央銀行であるイングランド銀行のカーニー総裁は「仮想通貨のビットコインは伝統的な通貨の観点から見てほとんど失敗だ」「誰も交換手段として使っていない」と述べています。日銀の黒田総裁も国会答弁の中で「仮想通貨は仮想(投機)資産に呼び方を変えるべきだと言われている」と述べています。

但し、仮想通貨を中央銀行が発行を検討する動きや仮想通貨のブロックチェーン技術を様々な種類の取引の客観的な認証(分散帳簿)に活用しようとする積極的な動きがあるのも事実です。


(コイン東京)


(山崎秀夫)電子マネー革命がやって来る!
【山崎秀夫】
1949年(昭和24年)生まれ。72年東京大学経済学部卒業後、三井情報に入社し、海外システム担当。80年代初頭には三井物産ロンドン支店に勤務、欧州へのソフトウェアの輸出を経験。86年野村総合研究所入社、シニア研究員。2014年退社。Beat Communication顧問等を務める。

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