COIN TOKYO

  • 2018/05/07
  • コイン東京編集部

なぜほとんどのICOが失敗するのか? ICOスタートアップ企業関連の専門家達による見解

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米国では、初年度にスタートアップ企業の90%以上が失敗します。そして、ICOが従来の手段で資金調達するスタートアップ企業よりも失敗しやすいという統計的データもあります。ここでは、ICOの第一回目の資金調達を終えていると推定して、ほとんどのICOが失敗に終わってしまう理由を以下、専門家達の意見よりみてみることにします。

マーケット・リサーチと顧客との連携の欠如

Richard Nehrboss氏は、ビッグデータを扱い分散型データ・プラットフォームを提供するShardixのCEOであり、ICOは現在プライベート・セール中です。同氏はほとんどのICOチームが市場に適応させる事よりも、技術に焦点を置きすぎていると考えているといいます。
また、こうも述べます。
「過去一年間にわたり、私達は多くのICOが有望な新しい技術を公開するのを目の当たりにしてきました。しかし、これら企業の多くは一貫して外部とコミュニュケーションを取ることに欠けています。これは、主に開発の技術面に焦点を当てたブロックチェーンコミュニティにはびこっている、”設計すれば、ブームがいつか来るだろう “という考え方からきているといえます。」

経験不足

ステラルーメン(XLM)上で稼働するTernio blockchainを立ち上げ、今年6月1日よりトークン・セールが開始されるTernioの共同設立者であるIan Kane氏はこう述べています。

「ICOが失敗するにあたっていくつかの理由があげられますが、それらは全て経験の欠如からきていると言えます。失敗する企業は、いくつかのカテゴリーで経験が不足しているといえます。
1)彼らがターゲットとしている業界についての経験―銀行業界、配送業界、不動産業界など
2)なぜブロックチェーンが彼らのユースケースにおいて必要なのか
3)どのように効率的に事業をマネージメントするかについての経験 - 雇用面、ファイナンス面、PR面など
4)ICOを公開している間にコミュニケーションをとること - 彼らの核となるコミュニティへの情報のアップデートは非常に重要となります」

参入障壁が低い

仮想通貨市場および投資に特化したコンサルティング企業であるBitBull Capitalの共同設立者兼CEOであるJoe DiPasquale氏は、ICOやブロックチェーン・プロジェクトへの投資をしているほか、定期的にカンファレンスにも出席しています。同氏は資金調達のメカニズムそのものが、経験と長期的視野を欠いていることを越えて、最初からICOを失敗に招いてしまうと考えています。
「最低限使えるプロダクト、または多くの場合コンセプトの証明さえもせずにICOを公開している企業が多すぎます。Webサイトを通してERC20トークンを発行するという単純さは、たとえ失敗が起こることを想定できても、多くのプロジェクトをICOを公開するまでに導いてしまいました。他のスタートアップ企業のほとんどは、外部で資金調達をするという考えの前にプロジェクトを達成しなければと資金調達までの閾値が高いといえます。」

既にバイナンスに上場しており時価総額100憶を超える仮想通貨、Bluzelle(ブルゼル/BLZ)の共同創立者兼CEOであるPavel Bains氏は、 上記と似たような考えを持っています。今年初めにICOでの資金調達額目標を約18億円までに引き上げたと彼は述べています。
「ICOが失敗する最も重要な理由の1つは、ベンチャーキャピタルなど他の資金調達手段よりもICOを通じて資金調達するための参入障壁が低いことです。その結果、厳しい評価プロセスを経なかった未検証のビジネスアイディアでも、すぐにICOの公開ステージに入ってしまいます。例えベンチャーキャピタルやエンジェル投資家によって拒否されたプロジェクトだとしても、ICOに向かって準備を進めてしまうことができます。」

ブロックチェーンと仮想通貨を専門とする投資会社の360 Blockchain USAのCEOであるJeff Koyen氏 は、ICOは誇大宣伝を行うだけで、そのものが崩壊してしまうと言います。
「スタンフォード大学の卒業生が約11億円のシリーズAラウンドに進出し、売り込みと概念的な話だけで終わってしまった例については頭にいれておいてもよいでしょう。しかし、スタートアップ企業を経営することについて何らかを知っていれば、11億円は「手軽なお金」ではないことは分かります。経営には取締役会があり、株式の希釈化を行ったり、おそらく経営権に関わってくる威圧的なベンチャーキャピタルなどがおり、従来の資本に対しては監視というものが必然的についてくるわけです」

「通常のスタートアップ企業の大半は失敗に終わりますが、ICOの場合は特にそうであるといえます。それはなぜかというと、プロダクトを市場に出す準備ができていないからです。株式を犠牲にすることなく資金調達ができるということは素晴らしいことであり、ほとんどのICOを公開したスタートアップ企業の創業者は経営権を握っています。彼らには取締役ではなく顧問がおり、トークンホルダーが存在し、キャップテーブル(会社価値、持ち分、株式数、株式購入金額などの表の計算方法)等は持ち合わせません。しかし従来あるべきはずの、結果に対する説明責任がないとすれば創業者やチームメンバーは規律に欠いているといえます。要するにICOでは、資金調達が簡単過ぎたということです。」

最終的な考え

ICOは未だ新しい分野において公開されており、おそらくそのもの自体を失敗とみなす事は時期尚早だといえます。多くのスタートアップ企業は、1度、2度、3度またはそれ以上の回数にわたっての資金調達はできませんが成功に向かって事業を続けています。またその反面で、事業を継続しているからといって、成功したと喜ぶことも早いといえるでしょう。

“多くのICOが現時点ではまだプラットフォームやプロダクトを構築しており、マーケットに出せていないと言って、本当に実際出せてない企業があることもあり得ます。”とコンサルティング企業のDiPasquale氏は考えています。“ICOによって、企業そのものの収入や利益をあげることができるかどうかは、時間が教えてくれるでしょう。“

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