COIN TOKYO

  • 2018/05/22
  • コイン東京編集部

ビットコインキャッシュ(BCH)の開発コミュニティに、マイニング業者が報酬の一部を提供する!?

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5月18日、香港で行われたコインギークカンファレンスで中国の大手マイニングプールAntpoolを率いるビットメイン社のCEO ジハン・ウー氏が、ビットコインキャッシュのマイニング事業者は、BCH開発者コミュニティをサポートするために自動的に収益の一部を提供するべきだと主張しました。翌日、多くのマイナーの代表者達が会議を開き、スマートコントラクトを利用したモデルと、具体的な課題を議論しました。

採掘事業者の仮想通貨開発への関与

ロジャー・バー氏とクレイグ・ライトとのパネルディスカッションで、ジハン・ウー氏はエコシステムを推進する際のマイニング事業者の役割について質問されました。同氏は、マイナーがビットコインネットワーク内で果たした役割について簡単に説明しました。

「非常に長い時間をかけて、マイナーはこの分野で非常に強い信頼を得てきたと思います。あるいは我々は開発者グループに敬意を払い続けてきました、彼らは後にビットコイン・コアと名乗っています。」

「当時、マイナーはプロトコルについて多く関与するのを避けようとしていました。開発者には信頼を置いていたのです。当時、マイナーは少し受動的でした。大規模な議論が持ち上がった時だけ、マイナーは何が起こっているのかにいて、慎重に注意を払ってました。」

「しかし、マイナーコミュニティは、何が起きているかを深く知るようになり、その後、エコシステム内の議論にもっと関与するようになりました。」

今、ジハン・ウー氏は、「マイナーはビットコインキャッシュのエコシステムにおいてより積極的な役割を果たすべき」だと主張しました。また、仮想通貨ダッシュ(DASH)からそれについて方法論を学ぶべきだと述べます。

「ダッシュの取組は称賛すべきものです。マイニング事業者はDASHコミュニティに資金を提供しています。ビットコインキャッシュのマイナーはダッシュから学ぶ所があります。そして、自身も採掘事業者として、BCHのエコシステムを支えるためにマイニングプールから資金を提供する流れを心待ちにしています。」

このパネルディスカッションをモデレートしていた、SBIグループとの提携で知られているnChain社のCEOジミー・グエン氏は、これをウー氏に確認しました。「ビットコインキャッシュのマイナーは、開発者コミュニティをサポートするために自動的に収益の一部を払うべきだと思いますか?」

イエスと答えたジハン・ウー氏以下のように返答しました;
「マイナーのコミュニティは、資金に加えてコミュニティにオープンソースソフトウェアを提供することもできます。」

翌日開かれたマイナーと他の関係者会議

翌日、さっそく真剣な会議が開かれました。以下のようなビットコインキャッシュの採掘事業会社の代表者、及び他のコミュニティのリーダーが参加しました。

この会議にはViaBTC、BTC.top、Antpool、Bitcoin ABCといったマイニング事業会社の代表者、ジハン・ウー氏、SBI BitsのJerry Chan氏、PC用ウォレットElectrumのBCH対応版のソフト「Electron Cash」の開発者Jonald Fyookball氏、およびロジャー・バー氏等。

このグループは、マイナーが開発提案を評価し、コミュニティから承認されたものに資金を投入する投票システムの統合方法について協議しました。

スマートコントラクトを活用した資金提供モデル

協議されたモデルは、複数の秘密鍵を使用するマルチシグのトランザクションを介して、マイナーが特定の開発「提案」に投票する仕組みです。ハードフォークによって利用可能になった、「OP_RETURN」コードを介してスマートコントラクトのような仕組みを設計し、過半数を得た投票結果に資金のリリースがトリガーされます。

この提案には必要な調達資金量や、ブロック報酬がどれだけ使用されるかなどの詳細が記述されます。継続的、定期的な支払いを受けるのではなく、提案書に資金制限を設ける仕組みとされています。

更なる議論が必要ないくつかの要点

ブロック報酬の何パーセントを使用すべきか、マイナーにとって不服となり、BCHからBTCに移行してしまう要素があるかどうか、といった点が保留事項とされました。報酬は5〜10%が妥当とされたが、ロジャー・バー氏は1%でも健康的な増幅をもたらすには十分だと指摘しました。

もう1つは、このモデルが破綻する可能性があるかどうかです。悪意のある行為を行う1つのマイニングプールが、高額なプロジェクトに投票してシステムを「攻撃」でき、プロジェクト自体の資金調達を妨害して、BTCに引き渡す恐れなどが議論されました。

ジハン・ウー氏とロジャー・バー氏は、ビットコインキャッシュの動的ハッシュレートの長所がこれを防ぐだろうと述べています。いつでも元に戻すことができると述べましたが、提案の資金調達の上限が設定されている必要があるかもしれないと付け加えました。

ロジャー氏は、プロトタイプソフトウェア「Bitcoin ABC」のような小規模なテストファンドとして、すぐにでも物事を進めることを望んでいました。

ジハン氏は走り続ける

このイニシアティブが始動すると、BCHエコシステムの発展に大きな動力が加わる可能性があります。そしておそらくバランスもよくなるでしょう。

これは、マイナーにプロトコルのアップグレードへの発言権を高めて、責任を自身の手元に取り戻すことになります。これまでのような、他の影響力を持つ可能性のある「見えない投資家」に忖度を強いられた状態を脱却できます。

結局のところ、ユーザーが競合する取引プラットフォームのビジネスへと移行してしまわないように、エコシステムのバランスを適切に保つことがマイニング事業者の最善の利益になります。

ソーシャルメディア上の嫌悪、告発、論争にかかわらず、現時点では、SHA 256を採用する仮想通貨のASICマイニングハードウェアの最大メーカーであり、ビットコインの背後にある最大のエンジンの1つとして歴史に残っています。同氏がさらなる仮想通貨エコシステムの構築を促進するための取り組みを進めるにつれて、この事実はさらに堅固になりそうです。

先週、ジハン氏がCEOを務めるビットメイン・テクノロジーズ社は、ゴールドマン・サックス社から支援を受けるサークル社とパートナーシップを締結しました。自社が主導したサークル社の投資ラウンドで、1億1000万ドル(約121億円)の資金を調達したことを明らかにしていました。

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