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  • 2018/06/21
  • コイン東京編集部

テザー(Tether/USDT)社がUSドルに裏付けされていることを報告書で主張、しかし報告書への多くの疑問点が指摘されている

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設定上1米ドルと同価値とされる仮想通貨テザー(USDT / Tether)の発行企業であるテザー社は、その価値がドルに完全に裏付けられていることを宣言する第三者報告書を水曜日に公開しました。しかし、複数の大きな注意点が指摘されています。




テザーの発行枚数と同等の準備金の有無について、数ヶ月間論争の的となってきました。ソーシャルメディアで多くの批評家は、同社が所有する米ドル通貨準備金よりも多くのUSDTトークンを不当に発行していると主張しています。テザー社は一貫してこれを否定していますが、1対1で準備される決定的な証拠は提示されてきませんでした。

現時点で26億ドルの時価総額を有するテザー(USDT)の問題は、仮想通貨市場全体に波及する影響力があります。

まず、その所有者と管理者をテザー社と共有する大手仮想通貨取引所ビットフィネックス(2社の経営陣は同じです)が、USDTを利用してビットコインの価格を操作していると指摘されています。先週公開された学術論文は新たにこの見解を支持しました。また、昨年12月には米国商品先物取引委員会(CFTC)がビットフィネックス社とテザー社に召喚状を送ったと報じられています。

USDTの市場への重要性を考えれば、コインが完全に担保されているという今回の報告書は、歓迎されるべきであり、価格操作の疑惑を薄めて市場の信頼を強化するかもしれません。しかし、水曜日に公開された3ページの資料はその細かい免責事項と限定的な焦点を考慮すれば、おそらく疑惑を払拭することにはならないでしょう。

仮想通貨テザー(Tether / USDT)のレポートの問題点

まず、報告書は会計事務所による監査資料ではありません。法律事務所であるFreeh Sporkin&Sullivan LLP(FSS)によって作成されました。テザー社の法律顧問のStu Hoegner氏によれば、監査を試みていなかったわけでは無いようです。Hoegner氏はこの問題はテザーだけではなく、仮想通貨全体のものであると主張しています;
「監査を受けるに当たって生じる障壁は単にテザーだけの問題ではなくあまりに大きいものなので、現時点で克服することは困難でした。」

障壁の一つとして、仮想通貨という新興産業は監査法人が扱うにはまだ学習が必要な部分があります。従来の会計基準、規則の適用範囲で参照すると明らかに不確実性が生じ、監査の判断を要すため「多くの大手会計会社が困惑しています。CPAの資格取得者として私もそれを理解しています。」と法律顧問のHoegner氏は言います。「このような状況で私たちは最善を尽くしました。」

FSSは監査人とは異なる手続きをとりましたが、「重要な結論は、監査が用意するものと類似しています」と主張しています。同社は手段としてある時点の銀行残高のスナップショットを利用しました。

しかし、FSSの報告書には別の問題点があります。法律事務所はテザー社が流通しているトークンよりも多くの資金を銀行に保有していたと主張しています。具体的には、2つの別個の銀行口座で25億4000万ドルをカバーする25億5000万ドルの米ドル準備金を抱えているとされます。しかし、この報告書では前後の担保金額については一切言及されていません。

言い換えれば、USDTが担保されていること、または完全に裏付けられていることを示すことを目的とした資料にはなっていません。

仮想通貨テザー(Tether / USDT)に精通した情報提供元

テザー社がその準備金を評価させて報告書を作成するために雇った、ワシントンD.C.の法律事務所FSSにも興味深い要素があります。同社は3名の元連邦裁判官によって設立されました。そのうちの1人はFBIの元ディレクター、ルイフリー氏です。一人はユージン・R・サリバン元判事、そして最後のパートナーは、テザー社が利用する銀行の諮問委員会に席があり、その関係を通じて同社に紹介されたと報じられています。報告書では「FSSスタッフの銀行との関係のために、適切な情報を確実に取得して適時かつ包括的な方法でレビューできました。」と述べています。

このプロセスでは不正を防ぐために、FSS法律事務所は2つの銀行の残高を確認する日付(6月1日)を“テザー社に事前の通知や相談なしに”選んだという。法律事務所は銀行から残高に関する公証付き銀行口座明細書を取得しました。

同様に、FSSは6月1日に銀行から受け取った勘定残高を伝えずに、テザー社側にUSDT準備金を証明する資料を提出させました。テザー社から得た資料の数字は同社のウェブサイトの数字と一致しました。同法律事務所はテザー社と銀行の上級職員との直接面談や電話インタビューを行い、数百ページの書類を閲覧したとも述べました。

しかし、この報告書には以下のような但し書きがついています;
「実行されたFSS法律事務所の手続は、保証の提供を目的としていません。」

法律事務所は同社の確認が監査と同一視されるべきではなく、一般に認められた監査または会計基準に従って調査されていないことを強調しました。また、すべての資料はテザー社とその2つの銀行から得たものだと指摘して「FSSに提供された情報の真正性については何も言及していない。」と述べました。

仮にFSSが取得した情報が正しいと仮定しても、それは1日の残高だけです。
「FSSは2018年6月1日の営業終了時点に先立って、またはその後に何らかの手続きを行ったり、何らかの結論を下したりしていません。」と同社は報告書で述べています。

Hoegner弁護士によれば、法律事務所は3月からテザー社の銀行残高に「自由にアクセスできた」としていますが、1日の残高にしか対応していない点には疑念が生じます。そのような限定的なスナップショットが人々を納得させるかどうかは「市場が判断すること」と同氏は述べました。

以前の監査法人フリードマンLLP

FSS以前には監査会社のフリードマンLLPがテザー社に従事していました。同社は2017年9月に中間報告を作成しました。同社は9月15日時点でUSDTトークンを完全に裏付ける4,429万ドルの現金を保有していたことを証明しました。しかし、FSSの新しい報告書と同様に、フリードマンLLPが得たメモも広範にヘッジされていました。例えば、現金が保有されている口座が受託者の名前であり、テザー社が受託者と強制的に合意していることを否定できません。

フリードマンLLP社は完全な監査を実施することになっていましたが、テザー社は今年1月、同社との関係を「解消」したと明らかにしました。

Hoegner弁護士はフリードマン社との関係を断つつもりは無いと言います。しかし同氏は、テザー社が監査プロセスを諦めていないと述べました。「何をいつ提供できるかについて、数多くの専門家や企業と話し合っています。」

事実、法律事務所の報告書はスキルの違いを考慮しても、監査会社が要求する資料の水準には到底及ばない内容でした。監査法人は、少なくとも米国の法律の下では顧客だけでなく、その完全性に依拠した意思決定を行う第三者にも責任があるからです。

テキサスA&M大学のビジネススクール会計学部マイケル・K・シャウブ教授は、「基本的に監査人は弁護士が発行する報告書よりも広範に責任を負う傾向があります」と語りました。

米国証券取引委員会(SEC)のチーフ・アカウンタント・オフィスのCPAと元学術研究員であるトム・セリング氏によると、監査人は自立しなければならない特定の基準を持っています。一方で、今回法律事務所がテザー社に対して「独立した」調査を行ったという報告書では、“これが何を意味するのかは誰にも分かりません。”と述べています。

「言い換えれば法律事務所の仕事の99%はクライアントのための弁護支援であるのに対し、会計事務所の仕事の100%は独立公平です」とセリング氏は述べています。


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