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  • 2018/09/13
  • コイン東京編集部

後手の医療から予防医療へ。世界各国でICOと事業を並行で展開 / 注目ベンチャーインタビュー インタビュー後編【PressRelease】

株式会社マイクロブラッドサイエンス 取締役 医師 島田舞

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独自の微量血液検査技術とブロックチェーン技術を組み合わせ、世界規模で新たな医療プラットフォームの構築を目指す、MRT株式会社【マザーズ6034】のグループ会社株式会社マイクロブラッドサイエンス(以下、MBS)。その実現に向けて、資金調達を目的とするMBS Coinプロジェクトのリーダーを務めているのが同社取締役の島田 舞さんだ。各国での事業展開はどこまで進んでいるのか、反響はどうか。プロジェクトは今後どう推進されていくのか。後半では、微量採血事業の現状やICOを選択した理由、MBSが目指すビジョンなどを聞きました。

シンガポールがMBSの世界展開における拠点に

インタビュアー:シンガポールでの事業展開はどんな状況ですか。

シンガポールでは、まずMBSの100%子会社であるMBS ASSET MANAGEMENT PTE.LTD.を設立し事業の基盤作りから着手しています。具体的にはレギュレーションを通すところからスタートしました。同時並行で政府系の研究機関やR&Dセンター、教育機関などとの提携を協議しているところです。また、現地のクリニックでの採血デバイスの導入や認可申請、POC(Proof Of Concept:概念実証)も進めています。その次の段階として、大病院と提携して公衆衛生関係の方々を巻き込んでの動きも想定しています。ICOはこのシンガポール法人を発行体として行います。

MBSは日本に本社がありますが、行く行くはシンガポールが拠点になると考えています。研究もしますし、許認可もシンガポールがスタンダードになり、そこから世界展開していく予定です。その軸となる部分に私はコネクションがあるので、そこを中心に広げていければと考えています。

インタビュアー:米国はいかがですか。

マーケットが大きい上に、FDA(Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局)の認可を取る必要があります。それがとても時間が掛かるプロセスなので、既に始めています。それと同時に現地のかなり大きいVC(venture capital:ベンチャーキャピタル)との協議や現地の機関との共同研究であるとか、大手ドラッグストアとの提携も視野に入れた動きを進めています。

インタビュアー:中国や韓国についても教えてください。

中国では3300万人もの顧客を擁する大手検診センターをはじめ、検診センターや生命保険会社などとの提携が決まっています。大手検査機器メーカーをパートナーに、ある検査項目に特化した新項目検査にMBSのデバイスがセットアップされる話も進んでいます。

韓国では子会社を設立し、許認可を申請中です。並行して検診センターや遺伝子検査センター、病院などと組んでスクリーニング事業をスタートしたいと思っています。韓国そのものの市場は大きくはないのですが、日本と似た国なのでモデルケースとして導入しやすいのではと期待しています。

スピード感、トークンエコノミーへの共感からICOを選択

インタビュアー:何故、IPO(Initial Public Offering:新規公開株、新規上場株式)ではなくICOだったのですか。

ビジネスのスピード感を重視しました。また、経営権を取られないためにという方向性もあります。さらには、トークンエコノミーに共感したからというのも大きな要因といえます。世界中から分散型で皆がアクセスできることがユーザー側にとって得する仕組みとなります。それが実現できるのが、ブロックチェーンであり、仮想通貨だと考えたのです。ブロックチェーンが可能にする社会、銀行を通さないトランザクションを可能にするのがトークンです。それを医療界でも実現できないかと考えているのがMBSです。そういう意味でもICOを採りました。

インタビュアー:ICOはどんな展開を思い描いておられますか。

MBSは、事業ありきのICOなので各国への事業展開と同時にICOを行っていきます。なかには、ICOが先行する場合もあるのですが、ICOはトークンを流通させて使われるようにするものです。なので必ず事業があって、その事業がトークンと連携する形を作っていきたいと思っています。ICOの世界観では、国境は関係なくグローバルなものですが、国の方々と直接にマーケティングをしながら、事業の宣伝を兼ねたICOをしていく考えです。

ICOというコンセプトでは、トークンに国境はないですよね。私たちが提供しようとしている微量採血事業、そして血液データの検査結果をブロックチェーンに載せていくという構想にも国境はありません。それに相性が良いのがICOなんです。現実問題として、事業展開する時には結局各国でマーケティングを仕掛けないといけません。その部分を並行で進めている状況です。

プロジェクトへの期待は日増しに高まる。連携案件も多数

インタビュアー:プロジェクトに対する反響はいかがですか。

かなり期待されています。米国では以前、ベンチャー企業の「Theranos(セラノス)社」が微量採血事業に取り組んでいました。資金調達はしたものの、検査精度の部分で問題があり事業がとん挫してしまったのですが、微量採血という概念を米国に浸透させたという点では功績があります。私たちが微量採血の話をしようとすると、そのワードはすぐに理解してもらえる土壌が出来上がっているのは嬉しいですね。ただ、その次に言われるのが「でも精度はどうなの」「本当にできるの」だったりします。「その点はクリアしている」というと「本当なんだね」「いつから販売するの」と聞かれますね。米国ではかなり期待が大きいと言えます。

シンガポールはもっと手ごたえが良いですね。実は、彼らは国・政府全体で海外からイノベーションを持ち込みたい、イノベーションハブになりたいという構想を持っているため、非常にアグレッシブです。微量採血が有するテクノロジーの先端性を理解した途端に「早く来て」「いつ来るの」と食いついてきました。それもあって、シンガポールが他国に先行て展開していくのではと私たちも思っています。POCの検証もシンガポールで一番最初に行います。

インタビュアー:「INSEAD」での人脈も強い味方になってくれるのではありませんか。

「INSEAD」のアルムナイ(同窓生)の方々が多数、ビジネスの世界で活躍されています。彼らと話をして幾つかのコラボレーション案件が持ち上がってきています。「こういうことできるよね」と色々アイデアを出してくれています。将来的に、血液データのブロックチェーン化が確立された暁には、彼らとも連携ができるのでは楽しみにしています。

インタビュアー:仮想通貨には以前から興味をお持ちだったのですか。

そうです。日本では2016年ぐらいから仮想通貨が話題になったようですが、私自身はニューヨークにいたこともあって、それよりもずっと前から知っていました。実は、日頃から医者以外の知り合いが多く、その中に結構テクノロジー系の方が多かったんです。マイニングを自分たちでやっているという人もいましたね。彼らから、「ビットコインが絶対に来るから買いなよ」と良く言われていたこともあって、少額ですが自分でも買ってみました。おかげでブロックチェーンという概念も理解できました。

医療現場で得た知見、問題意識をMBSのメンバーとも共有

インタビュアー:現在は、救急医療とMBSの仕事を並行されているわけですね。

そうです。これからもドクターは続けていきます。現役のドクターであることが、私のライフワークでもありますし、ドクターとして医療現場に立つことによって、MBSにフィードバックできることが必ずあると考えているからです。有難いことに、米国の救急医のライフスタイルは本業以外のこともできるようになっています。完全シフト制ですから、オフタイムには誰も連絡をしてきません。もう自分の好きなことができます。私自身は、その大半の時間をMBSに割いているわけです。

インタビュアー:プロジェクトを通じて、さまざまな気付きがあると思います。メンバーとどう共有されているのですか。

毎日気付きの連続です。MBSの社風なのでしょうが、それらをざっくばらんに議論しあっています。言いたいことは言いますし、社長に対しても「ダメなことはダメだ」と物凄い勢いで言っています。リアルタイムのフィードバックも次々と寄せられます。そういう状況の中で、外からのインプットを入れて色々試しながら毎日を過ごしているので、ビジネスのオペレーションという意味ではかなり圧縮された期間で多様な経験が積めていると思います。

メンバーも常に自分で何をしなければならないか、何がベストであるかを考え、行動しています。誰かに指示されたから動いているという人は一人もいませんね。自由にやらせてくれる、最初から権限を与えてくれる社長がいるからなのでしょうけれど。MBSでは会社のゴールと本人が目指しているところが一致していれば、どのような手段やルートを取ろうと構いません。もちろん、やり切るという責任が伴います。プレッシャーはありますが、やりがいは大きいですね。

タイミングを読みながらMBS Coin プロジェクトを仕掛ける

インタビュアー:MBS Coin プロジェクトの今後の展開を聞かせてください。

MBSでは韓国やシンガポールで事業を進めていくことが決まっているので、ICOも海外から展開して行こうと思っています。ただ、仮想通貨の業界は日々変わっており、なかなかこの先が読みにくいと言わざるを得ませんし、世界情勢も何が起きるか予想もできないだけに、現状では時期と順番は決定し切れていません。そこは、タイミングを読むつもりです。

微量採血を通じて、救急医療と予防医療の分野に大きな変革をもたらしたい

インタビュアー:最後に微量採血が切り開く未来について語っていただけますか。

結局私たちMBSが実現したいのは、患者さんが自分の血液データのオーナーシップを持つことです。現状では、血液検査をするとそのデータは病院のシステムに組み込まれてしまい、患者さんがアクセスできないようになっています。血液検査の血液は患者の体内から取り出されているので、データも患者さんが持っていて当然です。それを実現するのが、MBSの一番のゴールです。

現実的に医療従事者からすると、この微量採血は二つのエリアで事業が起きてくると思っています。一つは、救急医療の分野です。どんな患者さんからでも血液をすぐに採れるので、より早く患者さんの病状に介入することができます。もう一つが、予防医療の分野です。公衆衛生的な見方ですが、普通はなかなか病院には行かないですよね。そういった人たちの中でも潜在的に病気になりうる人もいるはずです。彼ら・彼女らが血液検査をするようになれば、予防医療に役立つことができます。そうしたら病気になる前に介入できます。より健康な生活、社会が実現できるというわけです。

今の医療は後手の医療です。病気になったら治療する。ただ、この微量採血が広まれば先手を打つことができます。先に見つける、予防する、病気になる前に発見する・治療するといった市場はまだ出来ていません。最近は医者のコミュニティでも予防医療がクローズアップされてきています。残念ながら、どこから着手すれば良いのかが分からないという状況です。それを切り開く、可能にするのが我々の技術なのです。

インタビュアー:MBSの理念が広がると良いですね。

私たちの理念を共有し、世界に視野を向けて活動していきたい。自分の専門性を活かして、MBSのプロジェクトに貢献したい。そんな方がいらしたらいつでもwelcomeです。仲間を募り、理念を広げていきたいと思います。

インタビュアー
ライター
袖山 俊夫

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