EMURGOの児玉氏に独占インタビュー!東京理科大学でのハッカソン、メタップスプラスとの提携についてなど

世界的なブロックチェーンプラットフォームのCardano。そのプロジェクトの一つであるEMURGOの児玉氏に独占インタビューを行いました。東京理科大学でのハッカソン、メタップスプラスとの提携など、様々なお話を伺うことが出来ました。



「我々EMURGOは、様々な業種へと応用できる可能性を持ったブロックチェーンを、世に啓蒙し、商業化していく為の企業です。」-児玉氏


―コイン東京

よろしくお願いいたします。初めにEMURGOとは一体どういったプロジェクトか教えて頂けますでしょうか。


―児玉さん

よろしくお願いします。

EMURGOはCardanoブロックチェーンの導入を促すだけでなく、Cardanoの分散型ブロックチェーンエコシステムを採用しているプロジェクトや組織を構築し、投資やアドバイスを行うことによってADAの価値を高めます。ブロックチェーンの研究開発から得た専門知識および業界パートナーとのグローバルなネットワークを活かし、ベンチャー企業の支援を行っています。

EMURGOは2017年6月に日本、2018年5月にはシンガポールに設立されました。以来、Cardanoプロジェクトの公式な商業化およびベンチャー部門として活動しています。Cardanoエコシステムのグローバルな成長、そしてCardanoブロックチェーンの導入促進のためにIOHKと連携しています。

Cardanoプロジェクトは、第三世代のオープンソース分散型ブロックチェーン及び仮想通貨プロジェクトです。従来のプロトコルよりも遥かに優れたスマートコントラクトのプラットフォームの開発を行っています。開発チームは世界中の優秀な技術者から構成されています。スイスのCardano財団、香港のIOHK、そして日本のEMURGO(エマーゴ)の3社の合同プロジェクトです。

Cardano財団がCardano のルール・規格の整備、IOHKが技術開発、EMRUGOはCardanoプロジェクトにおける商業化を担っています。 Cardano 上で構築されるアプリケーション・ベンチャーへの投資・コンサルティングや教育事業などがビジネスモデルです。


―コイン東京

次に、児玉さんのご経歴を教えて頂ければと思います。

―児玉さん

EMURGOの前も経営者をしておりました。会社の事業内容はライフプランニングにフォーカスしていたのですが、お客様であった富裕層の方々は老後の安定のための資産形成に必死になっている一方で、一般的な日本の方々は「お金に対する教育があまりなされていない」「平均年収も徐々に下がってきている」と感じ、日本人として危機感を覚えていました。


―コイン東京

ありがとうございます。ブロックチェーンや仮想通貨にどういった経緯で興味をもちましたか。

―児玉さん

ブロックチェーン・仮想通貨は金融の未来だと感じたからですね。アナログからデジタルへと変化し続ける時代の中で、ビットコインなどの仮想通貨は世の中に大きな影響を与えると感じました。そこから個人的に勉強を始めましたね。


―コイン東京

ビットコインとの出会いはいつ頃でしたか。

―児玉さん

最初の出会いは2013年頃だったのですが、初めは怪しいものと思いました。

仕事上、あらゆる金融商品に精通していたのですが、ちょうどビットコインが出始めた頃でした。ビットコインとその裏付けとなる技術であるブロックチェーンについて調べていくうちに、「これからの時代はこれだ!」と確信したのです。

当時は情報が少なく、判断が難しい状況でした。そこで、本質を見極めるため翻訳できる人材を雇って、自分なりに情報を集めていました。技術について学んでいる中で、中央集権を持たずに構築されるシステムに感銘を受けました。そこからはどっぷりこの技術につかることになりましたね。


―コイン東京

2013年に出会ったということはかなり初期の段階で関わりを持っていたということですね。

―児玉さん

はい。

仮想通貨の経済圏を広げていく為には、規制のありかたも大事になってきますし、技術やビジネスサイドの発展も大事になってきます。我々はその3つの機能をEMURGO、IOHK、カルダノ財団の各組織にしっかりと分割して、それぞれの拡大を図っていくことを目指しています。


―コイン東京

EMURGOはカルダノから派生していると思うのですが、元々カルダノとはどういった繋がりがあったのでしょうか。

―児玉さん

いえ、派生ではなく私とチャールズが共同設立メンバーになります。チャールズと私の出会いがきっかけで立ち上げました。


―コイン東京

そうだったのですね。因みに今現在EMURGOにはどれぐらいチームメンバーがいらっしゃるのでしょうか。

―児玉さん

グローバルで見れば40名ほどですね。私の考え方として、組織も出来るだけ分散化されるべきというものがあるので、社外のパートナーも多くいます。なので、EMURGOというエコシステムとしてのメンバーはもっと多いですね。


―コイン東京

続いては、コイン東京の読者へ向けてEMURGOの進めているプロジェクトを教えて頂けますでしょうか。

―児玉さん

我々EMURGOは、様々な業種へと応用できる可能性を持ったブロックチェーンを、世に啓蒙し、商業化していく為の企業です。アクセラレーターとしてスタートアップ企業に支援をしたり、優秀なブロックチェーンエンジニアを輩出する為の教育事業なども行っています。

直近の活動として、2月12日から2月14日までの期間、ニューヨークでアクセラレータープログラムのオープニングパーティを開催します(※)。

食品関係などの業種のアクセラレータープログラムを提供している、世界で6番目に規模が大きいアクセラレータープログラムの企業「SOSV」と手を組んでいます。その中で我々EMURGOはブロックチェーンに特化したアクセラレータープログラムとして活動をしています。

現在、合計100社程のスタートアップ企業から応募があって、プロジェクト内容を精査する中で、年間8~10社ほどのプロジェクトを支援しています。

(※)インタビューは1月に行っています。



―コイン東京

カルダノというプロジェクトと共にブロックチェーン技術自体を押し上げていく活動をしていらっしゃるということですね。


―児玉さん

そうですね。事業領域はアクセラレーションプログラム・アドバイザーサービス・研究開発・教育機関と大きく分けて4つの領域があります。この領域に対してバランスよく注力していきます。




「カルダノは世界的に見ても大きなプロジェクトであると自負していますので、日本という市場に進出しないということはあり得ないと思っています」-児玉氏



―コイン東京

ありがとうございます。EMURGOさんはY2Xというプロジェクトと提携を行ったという話を伺ったのですが、Y2XはSTOのプラットフォームという認識で宜しいでしょうか。


―児玉さん

そうですね。Y2Xは金融の専門性が非常に高い、元グッゲンハイムパートナーズ(30兆の資産を扱う金融会社)のトッド・モーリーがファウンダーとして関わっています。ST(セキュリティトークン)は証券性のあるものをトークン化するので、技術というよりは金融系の知識が大事になってきます。

ですので、ST関係のスタートアップ企業にSTとしての枠組みや、資金調達の方法、それに加えてカルダノブロックチェーン導入のアドバイスを行っております。


―コイン東京

昨今STは大きな注目を集めていると思うのですが、児玉さんはSTについてどういった印象をお持ちでしょうか。

―児玉さん

プロジェクトの資金調達が変わっていくのではないかと感じています。今までは企業が資金を必要とした場合は、VCにお願いをするなど限られた方法しかありませんでした。

しかしSTが発展することによって、プロジェクトを個人が少額から支援することが出来るようになるので、インターネットが情報の国境を無くしたように、STなどの仮想通貨・ブロックチェーン技術はお金の国境を無くし、ビジネスの幅を大いに広げていくのではないかと思います。


―コイン東京

ありがとうございます。Y2Xのお話だけではなく、カルダノでは数多くのトピックがあると思います。先日ニュースにもなったmetaps+との提携で、プリペイドカルダノカードがローンチされたと思うのですが、EMURGOはどういった形で関わっていたのでしょうか。


―児玉さん

プロダクト自体を持っているのはメタップスの方で、我々はカルダノの運営に携わるものとしてADAへの需要を高めていくため、仮想通貨ADAとそのシステムを提供しました。

ADAだけに関わらず、多くの仮想通貨はまだ投機目的という印象が強いので、こういった提携などを通して、ADAの実質的な価値を向上させていく為の活動を行っています。


―コイン東京

プリペイドカードは韓国内3万以上の店舗で実際に使えるということだったのですが、現時点ではどのくらい活用されていますか。

―児玉さん

まだどれぐらいの店舗でどれぐらい使われたのかという細かい情報が纏まっていないので、ハッキリとしたことは申し上げられません。

ですが、先日韓国に向かった際、実際にプリペイドカード使用し買い物できることを確認してきました。かなりスムーズに決済ができるので、需要は広まると考えます。


―コイン東京

このカードはどういった仕組みになっているのでしょうか。

―児玉さん

具体的に言うと、メタップスが運営している取引所内に保管しているエイダと紐づいて決済を行うというものです。もしくはスマートフォンの決済アプリと紐づいた情報でやり取りをするといった形ですね。

アプリがあるのでカードにする必要性が絶対的にあったわけではありません。しかし、仮想通貨自体は目に見えないものなので、普段仮想通貨にあまり触れない人でも安心感をもって使えることが大事になるのではないかと思い、こういった形をとっています。


―コイン東京

確かに目に見えるものとしてあるということは、初心者にとってお金としての認識を与えられるかもしれませんね。他のトピックとして東京理科大学との提携という話もあったかと思うのですが、そちらはどういった提携なのでしょうか。


―児玉さん

ブロックチェーン技術の啓蒙活動や教育の為の提携となっています。具体的には大学内でハッカソンを行ったり、ブロックチェーン技術に関する講義を行ったりですね。去年の11月には第一回目のハッカソンを行いました。


―コイン東京

ブロックチェーン業界が発展していく上で、現状足りていないものはどういった部分だと思いますか。

―児玉さん

1つ目は規制の整備です。政府と企業が一丸となって税制の優遇や出口戦略等、ビジネスが新たに生まれていくような仕組み作りをしていく必要があると思います。

2つ目は、確かな技術ですね。現状はスケーラビリティやセキュリティなどブロックチェーン技術に対して多くの課題があります。仮想通貨の一番の優位性は取引コストや管理コストの低さが挙げられ、この特徴は後進国の国際送金など、今まで開拓しようのなかった大きな市場を新たに生み出すことが出来ます。

今後ブロックチェーン技術が発展していけば、マイナンバーの管理や、公文書の管理など政府のシステムに導入される可能性もあります。その中で重要になってくるのが、トランザクションの処理速度や対応容量、セキュリティになってくるわけですが、それらを学術的に証明できているブロックチェーンは現状ありません。

ですがカルダノは論文を作成し、暗号学会に提出し、査読(ピアレビュー)を受けることによって第三者の認定を受けてから機能を実装していきます。

政府であっても企業であっても、不確かな技術を導入することは躊躇いが生じます。ですがカルダノの技術力は確かな証拠をもって提示することが出来るので、採用する側に大きな安心感を与えることが出来ます。

3つ目はユースケースを多く生み出していくということですね。大規模なプロジェクトが今後生み出されることで、世界規模でブロックチェーンの採用という流れが出来てくるのではないかと思います。


―コイン東京

ありがとうございます。ちなみにですがADAの国内上場について、何か進捗はありますか。

―児玉さん

金融庁が仮想通貨に対してどういった法規制をするか、どれぐらいの時間がかかるのか、まだわからないことが多いので具体的なことは言えないですね。

ただカルダノは世界的に見ても大きなプロジェクトであると自負していますので、日本という市場に進出しないということはあり得ないと思っています。


―コイン東京

ありがとうございます。それでは次が最後の質問となるのですが、EMURGOの今後の活動や伝えたいことなどありましたらお願いします。

―児玉さん

ブロックチェーンという技術はインターネットの誕生と同じくらいのインパクトだと思っています。去年、仮想通貨バブルが弾けて、損失を受けた方も多くいると思うのですが、これはインターネットの発展の流れと似ています。インターネットも初期は誰にも注目されておらず、急にバブルが起こり、そして弾けました。しかしインターネットはその後、着々と発展し、結局バブル時よりも大きな規模になりました。

今ブロックチェーン業界は信念を持って耐える時期になっていると思います。私たちはブロックチェーンを使って、実世界をより良く変えていく為活動を続けていきますので、皆さんも是非カルダノに注目していただければと思います。




参考

CardanoプロジェクトのEMURGOがインドにて、ブロックチェーン教育ビジネスをローンチします


https://emurgo.io/#/ja/blog/emurgoindia-jp

dLab / EMURGOアクセラレータプログラムに選ばれた最初の4社


https://emurgo.io/#/ja/blog/dlabstartupintro-jp

EMURGO、大手デジタル投資銀行Y2 Xとの戦略投資、長期パートナーシップを構築


https://emurgo.io/#/ja/blog/y2xpress-jp

メタップスプラスとEMURGOが韓国で 世界初のADAクリプトカードを発行


https://emurgo.io/#/ja/blog/metaps-cryptocard-jp



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