WWDCに向けて、一般的にはiPhone OS(オペレーティングシステム)の最新バージョンが注目されています。アップルは今後のiOS用に、別の重要なアップデート「CryptoKit」を静かにリリースしました。アップルは以下のように述べています;
“CryptoKitは開発者に仮想通貨向けの新しいフレームワークを提供します。ハッシュ、キー生成、暗号化などの操作をiOSアプリに統合することができ、公開鍵でデジタル署名を作成し、鍵交換(送金)機能も想定されています。メモリに保存されたキーを操作するだけでなく、「Secure Enclave(安全領域)」に保存・管理された秘密鍵を使用することもできます。”
アップルの暗号およびセキュリティエンジニアリングチームのフレデリック・ジェイコブ氏は、CryptoKitはユーザーが様々な暗号操作を実行するための高度で効率的なインターフェースだと述べました。
We're looking forward sharing more about CryptoKit, a fast and secure Swift API to perform cryptographic operations. #WWDC19 https://t.co/oDli6I7TsK
— Frederic Jacobs (@FredericJacobs) 2019年6月3日
バイナンス傘下のTrustWalletの創設者ヴィクトール・ラドチェンコ氏は、
CryptoKitがアップルのiOSに新たに追加されたことで、将来的に完全なハードウェアウォレット機能を持たせることができると解説しました。
台湾HTCは昨年、ブロックチェーンスマホ「Exodus 1」をリリースしました。Exodus 1の内側には特別に設置されたチップ「Zion」が内臓されており、隔離された秘密鍵保管用の基盤システムとして機能します。これは仮想通貨取引を処理するために利用されます。
HTCの秘密鍵管理システム「Zion」のAPI を起動すると、サードパーティのソフトウェアがそのZion技術を利用することを可能にします。そしてOperaは、それを採用した最初のブラウザ型ウォレットをリリースしました。
2月に、サムスンは新しい「Galaxy S10」スマートフォンに仮想通貨秘密鍵のサポートが含まれる事を発表しました。具体的には、イーサリアム(ETH)、ERC20トークン、およびその他のETHベースのアイテムです。
仮想通貨支払いを「Samsung Pay」に統合することも計画しているという噂が広まっています。ライバルの先駆的な動きに追従して、アップルも仮想通貨の採用に向けて舵を切っているかのように見えます。
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