DAppsの定義として、DAppsに投資しているDavid JonstonのVCファンドから、以下の条件を全て満たすものとされています。
【1】アプリケーションはオープンソースであること
DAppsとされるアプリケーションは、ソース(情報源)を誰でも確認できるようにしなければならないということです。
【2】オペレーションは自動であり、中央管理者のコントロールを持たないこと
DAppsの特徴の一つである、中央管理者が存在しないということです。そのため、オペレーション(操作)の管理者を必要とせず、自動でオペレーティングできるものでなければなりません。
【3】トークン、データ、レコードにつき暗号化・分散化されたブロックチェーンを利用していること
中央管理者が存在しないため、別の方法で取引の管理をしなければなりません。その手段としてブロックチェーンを用いています。ブロックチェーンというシステムを用いることで、ブロック内の不正管理は大勢の有志の人達で確認処理を行うため、中央管理者を必要とせずに取引の管理ができるようになります。仮想通貨で例えると、ブロックチェーンを用いているビットコインはDAppsということになり、ブロックチェーンに基づいていないリップル等はDAppsとは呼べないということになります。
【4】アプリケーションは、オープンに流通可能なトークンを持っていること
DAppsと呼ばれるためのアプリケーションは、世の中に確認できる形で、そのアプリケーションを利用する際に、そのアプリケーションに対応したトークンが使えなければなりません。また、アプリケーションの利用だけではなく、アプリケーションに協力した場合はトークンによる報酬が支払わなければならないことも一つの条件となります。これら条件により、トークンの経済圏が成立するともいえます。
【5】アプリケーションの改善は、ユーザー・マーケットの合意のもとで行うこと
アプリケーションはユーザーやマーケットの改善要求にできる限り答えながら、プロトコルを改善しなければなりません。また、改善する場合は、その改善案がユーザーやマーケットのコンセンサス(合意)がなければいけないという条件があります。
これらの全ての条件を満たしたものが、DAppsとされます。
DAppsの条件を満たすことで、様々なメリットが挙げられます。一つ目は取引の透明性が上がるということです。DAppsはオープンソースで行うアプリケーションのため、誰でも取引内容を確認することができます。二つ目に不正取引が行われにくいことです。DAppsは中央管理者がいない為、管理者による不正がなくなります。また、中央管理者が存在する場合、ハッキングされると、取引の全てがリスクに晒されますが、中央管理者が存在しないため、全体へのハッキングリスクはありません。また、ブロックチェーンシステムを採用しているため、セキュリティ面に対しても高いものを持っています。
近年、様々な仮想通貨が増えており、それに伴いブロックチェーンシステムも普及しつつあります。中央管理者を必要としないDAppsの普及は、公平で透明性のある取引ができる社会が実現していくでしょう。今後もDAppsを採用する仮想通貨には注目していく必要がありそうです。