COIN TOKYO

  • 2018/07/02
  • 2018/07/02
  • コイン東京編集部 新崎優太

ロヒンギャの難民を支援する2つのブロックチェーンプロジェクト

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ロヒンギャは、ミャンマーのラカイン州に住むイスラム教徒で、インド・アーリア系の人々です。迫害と民族浄化という深刻な問題に直面しています。最近、ブロックチェーン技術を使って彼らを支援しようとするプロジェクトが動き始めています。

ロヒンギャの人々とは?

およそ200万人のロヒンギャ族は歴史的に迫害を受けてきており、国籍や平等な市民権を持たない、主にイスラム系の少数民族です。一部の武装集団が確認されたため、ミャンマー政府は2016年と2017年に軍隊に武装グループの掃討作戦を命じました。ミャンマー軍の行為が逸脱して、結果的に多くの市民が大規模な人権侵害に遭いました。現在までに、60万人以上の難民が安全を求めてバングラデシュとインドに移住しています。

国際連合(UN)はロヒンギャ危機への対応について批判を受けています。国連は支援物資を届け、ミャンマーの軍事行動を、「教科書に出てくるような民族浄化の事例」と批判しました。しかし、加盟国にロヒンギャ難民の定着と保護を求めるなど実行力を行使しませんでした。

代わりに、大部分の援助は国境なき医師会やアムネスティ・インターナショナルのような民間非営利団体が行ってきました。

最近、国連とミャンマーの間で締結された本国送還に向けた合意覚書は、ロヒンギャの市民権の問題に取り組んでおらず、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)からは「安全な帰還が可能な状況にはなっていない」とも批判されています。

こうした状況下で、2つのブロックチェーンプロジェクトがロヒンギャ難民の生活改善に取り組んでいます。

「ロヒンギャ・プロジェクト」ブロックチェーン

「ロヒンギャ・プロジェクト」は、難民にデジタルID(身分証)やその他の福祉サービスを提供するブロックチェーンソリューションです。このプロジェクトは、無国籍(資本・金融サービスへのアクセス・信用の欠如を含む)の課題に取り組んでいます。

ロヒンギャ・プロジェクトでは、ブロックチェーン技術を使用して難民申請者にデジタル身分証を発行します。現在パイロットプログラムを進めており、ロヒンギャの人々の人権と尊厳を回復させることを目指しています。

創設者のMuhammad Noor氏はロヒンギャ出身の両親の下、サウジアラビアで生まれた起業家です。自身もこれまで無国籍のために苦しんできました。同氏は以下のように述べています;
「ロヒンギャとして私たちは2つのカテゴリーに分かれています:難民と無国籍者です。ロヒンギャのすべてが難民ではありませんが、ロヒンギャはすべて無国籍者です。私の直系家族、親戚、そして自分にとって常に大きな問題でした。」

ロヒンギャ・プロジェクトを通してNoor氏は、ロヒンギャ族が基本的な公共サービスにアクセスし、銀行口座を開ける事を目指しています。

ブロックチェーンを使った難民の教育

ロヒンギャを含め、世界中の難民を支援することを目的としたブロックチェーンプロジェクトがエクサルコイン(ExsulCoin:XUL)です。エクサルコインはブロックチェーンを使って難民に教育機会を提供することに取り組んでいます。XULは難民が学習し、スキルを洗練し、雇用を見出し、他の人と仕事記録を共有するために利用されます。

エクサルコインの創業者ジェームス・ソング氏は、ロヒンギャ女性難民に贈られたブレスレットを手にして以下のように語ります;
「エクサルコインは昨年、バングラデシュの難民キャンプで10人の女性とテストを行いました。ある女性は教育アプリを通じて事業訓練モジュールを修了しました。ミャンマーの翡翠でブレスレットを作る方法を学び、さらにソーシャルメディアを使って販売する方法を習得しました。」

ソング氏によると、他の女性にもスキルを教えた後、生産を拡大して商業的にブレスレットを販売する計画だという。エクセルコインは製品の出荷を支援すると同氏は付け加えました。

世界の政府と国連には、十分に人道的支援の介入ができない事情があるのかもしれません。そうした状況においても、これらの2つのブロックチェーンプロジェクトは難民が闘いを抜け、より良い生活を送れるよう取り組んでいます。


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