COIN TOKYO

  • 2018/09/10
  • 2018/09/10
  • コイン東京編集部 アオ

イーサリアムの共同創設者「千倍成長の日々は終わり、業界は実採用へ向けて開発する時期」

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イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏によれば、2017年の暗号通貨市場で見られたような、1000倍成長のような日々は過ぎ去って、もう起こり得ないと語っています。暗号通貨の価格が数百円から数万円にまで引き上げる日々は終わったと述べました。9月8日、香港で行われた会議「Ethereum Industry Summit conference」でブルームバーグが取材しました。

ブテリン氏は、ビットコイン、イーサリアム、リップル、ビットコインキャッシュなどの主要なコインの価格が300倍近い収益を上げた2017年12月に、暗号通貨とブロックチェーン技術の認識がすでに高いラインに到達している、と強調しました。

「ブロックチェーンスペースは、天井が見える所まで来ています。現在、多くの人は、おそらく少なくとも1回は“ブロックチェーン”というワードを聞いたことがあるでしょう。市場においてこれから1000倍の成長が見込まれる機会はもうありません。」

プロモーションからリアルな採用(アダプション)へ

昨年の投機的なバブルによって、新興の資産クラスとして大多数の人々が仮想通貨に関心を持ちました。最近、ブテリン氏は業界がプロモーションや関心を集めるよりも、分散型システムのユーザビリティとアクセシビリティの向上に焦点を当てるだろう、と述べています。

ブテリン氏は、ブロックチェーン技術と暗号通貨をより広範な消費者基盤に向けて推進する戦略は終わりを迎える。これからは消費者がブロックチェーンベースのプラットフォームにコミットできるよう、分散システム、アプリケーション(dApp)、およびプロトコルのインフラを改善すると時だと説明しました。

「ブロックチェーンを広範な消費者ベースに広める戦略は、終わりに近づいている。実際の経済活動でのリアルなアプリケーションに興味を持っている人々の番だ。」

dAppの開発者は、真のメインストリーム採用に向けて、今後数カ月および数年で、分散型システムの利用が集中型プラットフォームと同様にシームレスで効率的であることを示さなければなりません。

たとえば、最近、ジョー・ローガンのポッドキャストで議論された、ツイッターの代替サービスである分散型アプリPeepethは、情報をイーサリアム・メインネットにブロードキャストするたびに、ユーザーにEtherまたはガスを要求します。

現金から暗号通貨への単純な移行は、大多数の人々にとってすでに困難であり、技術的にもチャレンジングなものになっている可能性があります。

分散型取引所(DEX)の分野をリードするKyber Network(カイバ―ネットワークス)CEOのLoi Luu氏は、「近い将来、ブロックチェーンシステム利用のプロセスを洗練し、簡素化するために、ユーザーインターフェイス(UI)を改善しなければならない」、と語りました。

「ユーザーは分散型取引所に精通していません。UIが十分ではないからだと思います。彼らはよりバイナンスやBittrex(ビットレックス)に慣れています。だからこそ、ユーザーが使いやすいようにしたいのです。当社はその分散型の側面よりも、ユーザビリティの側面により重点を置いています」とLuu氏は、4月にCoinfiに語りました。

プロトコルとdAppの改善

プロトコルについて、イーサリアムのオープンソース開発者コミュニティは、ETHネットワークのスケーラビリティの大幅な向上が期待されるSharding(シャーディング)とPlasma(プラズマ)の実装に取り組んでいます。

Cardano(カルダノ)やZilliqa(ジリカ)などの他のプロジェクトも、プルーフオブステイク(PoS)やシャーディング関連ソリューションに取り組んで、スケーラビリティに取り組んでいます。

しかしながら、特にdAppが現行の集中型プラットフォームの消費者ベースをターゲットにすると考えると、依然としてdAppや分散型システムのフロントエンド(*1)とUI(*2)について大幅な改善が必要とされます。

(*1)ソフトウェアでユーザーが直接操作する部分
(*2)ソフトウェアのユーザー操作上の画面表示様式


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