Etherscanによると、3月以来、ETHハッシュは相対的に安定して推移していました。8月前半を境に反転しているようです。
最近の落ち込みの要因として、単純な誤差によるものか、マイナー(採掘事業者)にとって収益性の低い水準に近づいているか、万が一にも既に利益を上げられていないケースが挙げられます。
先月末、あるイーサリアムのマイナーは、1イーサあたりの電気代が152ドル(1*)であると述べました。
イーサリアムの直近の最低価格は185ドル、境界線より30ドル上回りますが、152ドルのコストは電気代しか含んでいません。ハードウェアはかなりのコスト負担がかかります。マイニングマシンは通常、多くの熱を発するため、溶融を防ぐために冷却装置を備えます。
マイニングの大部分が行われる採掘プールや産業マイナーにとって、数千台ものGPUのストレージコストがかかります。高額な賃貸料、あるいは土地の先行購入代金のどちらかも支払っています。
そして人件費。ハードウェアを維持し、オペレーションを監視する・保守人員が必要です。これらを踏まえると、損益分岐点を圧迫して、いくつかのマイナーは財政的に困難な状況に陥っていても不思議ではありません。
2014年から15年にかけて、ビットコインで同様の事態が起こりました。それでも、自己調整作用が働き、ネットワークは機能し続けました。より多くのマイナーが離脱すると、より簡単にコインを採掘(マイニング)できるようになるため、収益性が回復します。
しかしながら、多くの産業マイナーにとって、日頃からリスク管理を考慮する必要があります。定石としては、好調な時期に普段採掘しているイーサリアムあるいは換金した等価の法定通貨を貯蔵して、不遇な時期に備えます。
そして、イーサリアムの価格が損益分岐点に近づく時期には、マイナー達は売却圧力を差し控え、代わりに不遇な時期用の蓄え(資金)に依存する必要があります。そうでなければ、自ら墓穴を掘ることになります。仮にマイナー達が売却し続けるとしたら、価格下落を加速することによって、彼ら自身の採掘コストを増やしかねない。
理論的には、なんらかの思惑が無い限り、自己破産手続など取りたくないマイナー達にとって、自己調整または自己組織化が機能すると考えられます。周りのマイナーが財政困難に直面したり、迅速に賢さを身に着けるなどして、自身の売り圧力を差し控える動きが推測されます。
彼らの決断によっては、過去最も急激な弱気相場の1つの底を打つかもしれない。
(1*)出典はBrian Venturo氏の公式ブログです。3,000台のGPUリグを持つ採掘ファームAtlantic Crypto(アトランティック・クリプト)の共同設立者ブライアン・ベンチュロ氏は、先月、イーサリアム採掘コストについて、次のように公開しました。「1ETHの採掘パワーは現在1.27 MWhに相当する。平均電力コストを12セント/ kWhと仮定すると、1ETHあたり152ドルの価値に相当する。」
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20代男性。都内名門高校卒業後、ベンチャー企業を経てコイン東京へ。二次元好きのセミプロゲーマー、好きが嵩じて仮想通貨やDappsゲーム、ブロックチェーン技術の世界にハマる。ゲーム知見と理数的素養から、最新の技術もカバーしつつ、プロジェクトの情報収集や分析を最も得意とする。
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