COIN TOKYO

  • 2018/09/16
  • 2018/09/16
  • コイン東京編集部 アオ

今年5月比でビットコインのハッシュパワー倍増、マイニングの損益分岐点が20%上がる

このエントリーをはてなブックマークに追加
暗号通貨市場の停滞状況にもかかわらず、マイナー(採掘事業者)は依然としてビットコインへの投資を拡大し続けています。ハッシュレートは今年5月の約2倍に上昇、設備のアップグレード等を併せたブレークイーブン(損益分岐)採掘費用は、改訂された様です。

ハッシュレートと電力、設備コスト

米調査会社ファンドストラット(Fundstrat Global Advisor)の分析家サム・ドクターは、ビットコイン(BTC)ネットワークのハッシュレート(hashpower)が、今年5月の約28 EH / sから約57 EH / s(=57,000,000テラハッシュ)へ、倍増していると指摘しました。



「BTCの弱気市場にもかかわらず、5月からハッシュパワーは57 EH / sに倍増しました。既存の機器のアップグレードにより、18年5月の5.2GWに対してほぼ1GWの新しい消費電力の上乗せを示しています。結果、現在の損益分岐採掘コストは7300ドル。5月時点には6000ドルでした。マイニングはFCF(フリーキャッシュフロー)でやるものになっている。」

ドクターの分析によれば、消費電力やASICマシンなどで構成されるコストを基にBTCを採掘する損益分岐採掘コストは現在7,300ドル。2018年5月時点は6,000ドルでした。

Fundstratのトーマス・リー代表はこの主張に同意して、「サム・ドクターの定量モデルに基づいて、BTCマイニングの損益分岐点の見積もりを更新しました(現在は7,300ドル、以前は6,000ドル)。」とリツイートしました。

これまで、CNBCのクリプト番組に出演してきたトーマス・リー氏は、マイニングの損益分岐ラインが強いサポートとなっており、ビットコイン価格の潜在的な底値であると示唆してきました。

リー氏は、ビットコインの価格はマイニングコストの損益分岐ラインを2.5倍を上回る水準で取引されてきたと主張していました。この計算に基づくと、ドクターの更新数値7,300ドルに対して、18,250ドル(約200万円)が1ビットコインの適正価格となる。

マイナーは蓄積し続ける

急速に上昇するハッシュレートは、大規模なマイナーがオペレーションを拡大していることを示唆しています。Genesis Mining(ジェネシス・マイニング)社CEOのMarco Streng氏は次のように述べています;

「依然として、より効率的なマイナーは大規模に拡張し続けています。その結果、それほど効率的ではないマイナーの脱落を伴いました。」

ある暗号通貨取引所BlockbidのCOOであるDavid Sapper氏は、「収益性が逼迫してもビットコインを掘り続けるという、マイナーの意思を示している」、と指摘しました。

「増加したハッシュ・レートは、マイナーが長期的に留まり続ける意志を示します。現在は赤字で走ろうとも、彼らは保有BTCを累積する事自体に満足しているようだ。しかし同時に、彼らは時には清算してダンプする必要があります。」(*キャッシュを得るためBTCを売却すると、価格を落とすことになる)

損益がトントンまたは中程度のロスで稼働するマイナーにとって、長期的展望をもとに暗号通貨を蓄積し続ける。一部のマイナーはコストをカバーするために、BTCを売却する必要があるかもしれないが、この業界が長期的な視野で成功すると期待するマイナーは、「HODL(ガチホ)」アプローチを取っているという。

ハッシュ値の上昇には、財務の影響だけでなくセキュリティへの影響もある様です。暗号通貨リサーチャーConan O'Bitcoin氏は、今日のBTCの承認作業は、ちょうど1年前の8回分、または2年前の33回分の承認(Confirmation)と匹敵するセキュリティだと指摘しました。



一見無関係と思えるかもしれません。しかし暗号資産が世界中で普及するにつれて、ブロックチェーンのセキュリティは、依然として重要な課題だと考えられます。


関連記事

仮想通貨の最新情報をお届けします!

関連キーワード

人気記事ランキングまとめ

もっと見る