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  • 2018/10/31
  • コイン東京編集部

累積取引高100億円突破の国産仮想通貨c0banが海外取引所LATOKENに上場決定!c0banの生みの親であるLastRoots CEO 小林慎和氏 ロングインタビュー

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この度は株式会社LastRootsのCEO小林慎和氏に独占インタビューを行わせて頂きました。LastRootsは『c0ban取引所』『c0ban.tv』を運営しており、c0banは国内初のICOを成功させたプロジェクトとしても話題となりました。

インタビューではc0ban取引所・c0ban.tv・仮想通貨c0banの制作秘話、コインチェック事件以降の仮想通貨業界への逆風の影響、金融庁からの業務改善命令、SBIからの出資経緯など様々なトピックで話をして頂いています。

c0ban取引所・・・2017年3月に設立 
c0ban.tv・・・ブロックチェーンと動画広告を組み合わせたサービス。動画を完全視聴するとc0banを報酬として獲得できる。



「日本発のITサービスで、世界を席巻しているサービスは20年間でてきていないと思います。最後は1997年のポケモンだったのではないでしょうか。世界を席巻する事業作りというのは、私のライフテーマなんです。」


―コイン東京
この度はよろしくお願いいたします。
それではまず初めに、小林さんのご経歴をお伺いしてよろしいでしょうか。


―小林さん
もちろんです。起業する前は、野村総研とグリーに勤めていましたね。担当は主に新規事業立ち上げ、M&A、海外展開などでした。

―コイン東京
起業をしようと思ったキッカケは、どういったものだったのでしょうか。


―小林さん
野村総研にて海外企業の海外展開支援やM&Aを担当することが多かったんですよね。
しかし私は海外に住んだこともないですし、海外で事業を行ったこともありませんでした。その状況下で、異国の地のビジネスをコンサルしているところに”自己矛盾”を感じていたんです。
そこで本当の意味で、世界のどこにいても勝てる人材になりたいと思い、30歳の頃から起業の準備を始めました。

しかし当時は新しいプロジェクトが次々と生まれている状況だったので、辞めるタイミングを失っていたんです(笑)
30歳の頃は企業の再生プロジェクトの最中でした。2000人いる会社だったのですが、その内の1200人を人事異動させ、かなり抜本的に改革をしていたんです。なんとか立て直しに成功して「やっと落ち着いたか」と思いきや、今度はアフリカでのBOPプロジェクトを始めてしまいました。

―コイン東京
責任的にも辞めるのが難しい状況ですね。
その後グリーに誘われたのでしょうか。


―小林さん
そうですね。2011年頃だったのですがグリーは上場し、KDDIからの出資も決まり、ソーシャルゲームも好調で飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
海外戦略を本格的に強めようとしていた時期でもあったので、起業の思いも強かったのですが、一度入社してみたいと感じました。そこでは海外企業の買収やアライアンスを担当しました。入社した当初は350人ぐらいの社員も、1年半後には2,200人まで増えました。


シンガポールでの起業、ヨーロッパのファンドからの400万ドルのオファー、ビットコインとの出会い



―コイン東京
貴重な急成長期を経験して、起業に至ったんですね。
最初の起業場所はどちらですか。


―小林さん
シンガポールですね。グリーでは最終的にグリーシンガポールの責任者を務めていたのですが、2011年のシンガポールは本当にホットだったんです。ソーシャルゲームが調子よく、グリーやDeNAなど軒並み進出。そこでシンガポールで起業することを決意して、2012年の11月に初めの会社を興し『Chaos Asia』というピッチイベントをスタートしました。

―コイン東京
いわゆる、スタートアップ支援のようなイベントですよね。


―小林さん
そうですね。世界を変えそうな勢いのある若者を世界中から見つけて、彼らがネットワーキングできる場所を作りたかったんです。ファンドと連携してアクセレレーター的なこともやっていました。

―コイン東京
ブロックチェーンや仮想通貨との出会いも、時期的にそのあたりでしょうか。


―小林さん
まさにChaos Asiaにて出会いました。2013年11月に催した時なのですが、世界中から90人の登壇者を集めまして、その内の2人が「ビットコイン」を叫んでいたんですよね。それで初めて仮想通貨というものを知りました。

P2P送金や分散処理は大学時代の研究テーマが近いものだったので、技術として知っていましたので、仮想通貨を受け入れるのは早かったと思います。

―コイン東京
それからLastRoots創業までは期間がありますが、Chaos Asiaを継続させていたんですね?


―小林さん
その後なのですがChaos Asiaに並行して、さまざまな会社を立ち上げていきました。レンタルWi-Fi、バリ島でコワーキングスペース、飲食店など。すると2015年の12月に経営していた会社の中の一つの『Yourwifi』に、ヨーロッパのファンドから4ミリオン(約4億円相当)のオファーがあったんです。

気持ち的にも「やりきったな」と思っていた頃だったので、そのオファーが来たことに満足していました。しかしそのオファーは、ファンドからトルコ人の取締役を受け入れることが条件だったんです。その人と会ったのですがあまり気が合わず、そして一緒に創業したCOOも産休に入るタイミングだったので、辞退することにしました。

―コイン東京
なるほど、それで日本での起業の道をすぐに探し出したんですね。


―小林さん
そうですね、2016年の初めの頃だったと思います。
その時にホットだったのは『IOT』『AI』『ブロックチェーン』だったんです。マウントゴックスの事件があったのでブロックチェーンは危ういのかなと疑っていたのですが、2015年にMUFGがブロックチェーンに関連したニュースを出していまして、そこで「もう一回来るかもしれない」と思いました。

大学時代に「分散コンピューティング」を研究していたので、そもそも馴染みがあったのも一つの理由です。


5つの会社をすべて手放しLastRoots創業、日本初となるICO実施で6億円を調達



―コイン東京
ブロックチェーンを事業にしようと思ってから、実際に始めるまでの準備期間はどれくらいでしたか?


―小林さん
3か月ぐらいですね。2016年の3月から6月の間で経営していた5つの会社をすべて手放し、完全にゼロの状態にしました。収入源は無くなり、日本とシンガポールでの所得税の支払いだけが残っている状況になったので、むしろゼロというよりマイナスかもしれませんね(笑)

―コイン東京
5社ですか、すごいですね。手放すのも大変だったんじゃないですか。


―小林さん
大変でした(笑) 次の代表を探してきたり、仲間を説得したり。それでも日本でやりたいと心は決まっていたんです。日本から世界的な企業を作りたいと思っていたんです。

―コイン東京
そして創業して一か月後には、日本初となるICOを実施しているので、かなり動きがスピーディーですよね。そもそも当時はICOというワードすら浸透していなかったんではないでしょうか。


―小林さん
私を含めた初期メンバー3名ですぐに取り掛かりましたね。ICO自体は2014年にイーサリアムが実施していたので、おおよその仕組みは知っていました。ただし、ICOという言葉は浸透していなかったので「購入型クラウドファンディング」としてサポーターを集めました。ICOの設計はかなり悩みました。

―コイン東京
かなりパイオニア的なアクションだったと思うのですが、ICOを実施するにあたって苦労や発見はありましたか?


―小林さん
ICOはVCと違って、プロダクトや人材が不十分な状態で資金調達を始めるんですよね。それなのに最初にお金だけが”ドン”と入るんです。

そして公約した締め切りまでにプロダクトをローンチする必要があります。締め切りに間に合わせなければいけないので、外部委託でも良いので、とにかく資金を使います。間に合わなければ”スキャム”として扱われてしまう。そして、なんとか締め切りに間に合わせたと思っても、その頃には資金が尽きているケースもあるんです。

―コイン東京
調達金額は6億円でしたよね?


―小林さん
そうですね。資金調達の目標は3億ぐらいだったので、その倍の額を調達できました。

―コイン東京
調達金額に、サポーターからの期待が反映されていますね。
実際に、金融庁と日本経済新聞社の「フィンテックサミット」では、全世界700社ほどのなかから、受賞6社にも選ばれてますよね。


―小林さん
決勝でプロダクトがない状態でプレゼンしていたのは、私たちだけだったのではないかと思います。 決勝は「プレゼン3分」「デモ2分」の合計5分間が与えられるのですが、プロダクトがないのでしゃべり倒しました(笑)



日本初のICOによる苦悩、予期せぬアクシデント



―コイン東京
LastRootsは公言していた期日にプロダクトをスタート出来たのでしょうか?


―小林さん
c0ban取引所は2017年の春と公言していたのですが、それはバッチリ間に合いました。
しかし、c0ban.tvはぜんぜん間に合いませんでした(笑)
2016年の秋にリリースするとホワイトペーパーでは伝えていたのですが、2017年の2月までかかりました。

―コイン東京
ブロックチェーンの情報もまだまだ出回っていない時代ですもんね。


―小林さん
ビットコインでブロックチェーンの仕組みは理解していたつもりだったのですが、実際開発を行ってみると、次から次に新たな課題がでてくるんです。想像以上に深いテクノロジーで、多くのエンジニアに助けてもらいました。

―コイン東京
サポーターさんからの問い合わせも多かったですか?


―小林さん
毎日のように「プロダクトはどうなっていますか?」という問い合わせが来るので、焦っていました。そして予定していたよりもコストがかかりまして、結局調達した6億はローンチのためにすべて使い切ったと思います。一時的にですが、会社の預金が100万を切ったりもしましたね。

結果的にはICOを延長することで乗り切ったのですが、お金のことは特に問題視していなかったんです。自身の貯金もありましたし、出資も探せば見つかるだろうと楽観的でした。シンガポール時代に会社預金が7ドルになったことも経験していますし(笑)

それよりもやはり、期限を公表していることの方がネックでした。信用面につながるので、やはりプレッシャーでした。開発に関しては自信があったのですが、それでも何度も発生するエラーに、一瞬「もう作れないんじゃないか」と思ったことも何度もありました。

―コイン東京
そしてなんとか、12月15日にブロックチェーン始動にたどり着いたんですね。


―小林さん
本当は12月12日にブロックチェーンを始動させたんです。しかしそこでも予期せぬエラーが起きたんです。

ブロックチェーンに修正箇所がみつかったので、一旦止めることにして修正後の新しいブロックチェーンで再スタートを切ろうとしたんです。しかし、消したはずの修正前のブロックチェーンが、どこかのパソコンで生き残っていたんですよ。ブロックチェーンは改ざんできない仕組みになっているので、昔のものが残っている限り、新しいブロックチェーンは無効となってしまうんです。

最終的にスタッフの一人のパソコンの中に残っていたことが判明しました。


終わらないアクシデント、じわじわ価格が下がるc0ban



―コイン東京
予期せぬトラブルの連続ですね。
c0banTVは、ブロックチェーン始動以降はスムーズに進んだんですか?


―小林さん
Androidアプリは2月にリリースできました。しかしiOSの方がかなり難航したんですよね。既に公言していた期日を3か月以上過ぎているので、何人ものエンジニアで必死に頑張りました。3月15日にようやく完成した時はホッとしました。そしてアプリの申請をだして、肩の荷を下ろしました。

と思いきや、Appleから「Decline(却下)」という、一文だけのそっけない返事がきまして・・・。

―コイン東京
(笑)


―小林さん
しかもそんな中で、2017年2月24日に政府が「4月1日から資金決済法の改正を施行します」と発表したんです。これが意味することは「4月1日以降に取引所をリリースする場合は、ライセンスを取得する必要がある」「3月31日までにリリースすれば”みなし業者”として営業できる」ということです。

かなり無理をして、取引所の方も頑張りました。それでなんとか3月28日にオープンできたんです。

―コイン東京
その時期は本当に大変そうですね。
ちなみにですが、iOSアプリはどうなったのでしょうか?


―小林さん
3か月ほどAppleとやりとりを重ねて、iOSアプリは2017年7月に申請がとおりました。その時も「Ready for sale」という一文だけでした(笑)
しかし、その2週間後にまたAppleから連絡がきて、再び却下になったんです。
さすがにこれ以上はユーザーさんを待たせられないなと思いまして、Webアプリを急遽制作しました。

そして、取引所をオープンした時のc0banの初値は120円だったのですが、じりじりと価格が落ちていました。最安で60円ぐらいまで落ちたと思います。
ある程度価格は下落するだろうとは思っていましたが、やきもきしましたね。
取引所の機能改修を行ったり、ICOのサポーター2000人に向けてメッセージを送ったり、対策を続けていました。


SBIからの出資、c0banの急騰、コインチェック事件の影響



―コイン東京
金融庁への登録申請は、2017年の9月に行っていますよね?


―小林さん
はい、申請が受理されまして、社内の雰囲気も前向きでした。
しかしその一方で、社員も大幅に増えてシステムも拡大していたので、このままだとまた資金面が危ういかもと感じていたんです。
そこで、複数社に出資の協議を重ねていたのですが「仮想通貨はリスクがある」「ブロックチェーンというものを理解できない」などと言われ、これも難航していたんです。
そんな中で、SBIの北尾さんは出資を決断してくださいました。

―コイン東京
その頃から、仮想通貨相場全体が上向き始めましたよね。
c0banは最高値はどれくらいになりましたか?


―小林さん
1月には一瞬1800円ぐらいになりました。
時価総額で言うと380億円ぐらいです。

―コイン東京
最安値の60円から考えると、30倍ですね。
取引所の状況はいかがでしたか?


―小林さん
2017年の9月までで、預かり資産は2億円でした。
そして12月には10億円に達しまして、1月にはそこから20億が追加されました。
カスタマーサポートを急いで増やしたのを覚えています。

c0banTVも好調で、c0ban付与回数は月間100万回を突破しました。
しかし、仮想通貨業界を震撼させる大きな事件が起きるんです。

―コイン東京
コインチェックのNEMハッキング事件ですよね。
同じく取引所をされているLastRootsとしては、当時どのような心持ちでしたか?


―小林さん
会議中に知ったのですが、明日は我が身だなと感じました。
もちろん、今までも特にセキュリティには力を注いでいましたが、緊急で会議を行いました。c0ban取引所では同様なハッキングは本当に起きないのか。セキュリティを徹底的に見直して、連日議論を重ねました。

そこからメディアでは「仮想通貨=悪」という報道が始まり、金融庁も規制を強化する動きを始めました。

―コイン東京
そして業務改善命令に至ったわけですね。


―小林さん
経営管理体制、分別管理、システムリスクなどが焦点でした。
ひとえに私の認識の甘さがありました。私たちに第一に求められていたのはフィンテックやITスタートアップとしての事業運営ではなく、金融機関としての事業運営です。私は金融の出身ではありませんので、取引所を成長させていくためにも貴重な機会を頂けたと思います。

そこからは、SBIからの増資も決定し、大手金融機関でコンプライアンス、大手ITでシステム統制・情報アクセス制限、内部監査マネジメントなどの経験者を多数採用し、万全な状態まで仕上げたに近づいてきたと思います。


SBIからの増資、c0banが見据える世界進出



―コイン東京
今までを振り返ってみると、たった2年間で起きたこととは思えないほど内容の濃い歴史ですね。ほんとうに様々な逆風に吹かれてきたと思うのですが、小林さんはこの二年間をどうお考えでしょうか。


―小林さん
「なんとかなる、なんとかする」ですね。仮想通貨やブロックチェーンの業界は、まだ市場として成熟している訳ではありませんので問題しか起こらないと思っています。それでも自分たちを信じて、世界を席巻する事業へと推し進めたいと思っています。

―コイン東京
世界を席巻するというビジョンは、昔からあったのでしょうか。


―小林さん
シンガポールから日本に戻って、ゼロからスタートしたのもその為です。日本発のITサービスで、世界を席巻しているサービスは、20年間でてきていないと思っています。最後は1997年のポケモンだったのではないでしょうか。世界を席巻する事業作りというのは、私のライフテーマなんです。

ここ1年間ぐらいは、ずっと国内で仕事を進めていたので、志向が内向きになっていました。1年間海外に行かなかったのは19歳以来ですかね。しかし2018年9月にシンガポールのコンセンサスでいろいろな国のプロジェクトと話をして、改めて海外を席巻できるサービスを作りたいと認識しました。必ずやり遂げられると思っています。

―コイン東京
最後になりますが、具体的に海外ではどのような展開を目指しているか教えていただければ幸いです。


―小林さん
1つ目はc0ban.tvの海外展開ですね。どこかパートナーと組むのも一つの手だと考えています。2つ目は、c0banが世界中に広まるように取り組んでいきたいです。そして3つ目はブロックチェーンを活用した第2弾サービスをリリースして、さらに勢いをつけたいですね。

日本でICOを行って、しっかりとプロダクトをリリースしているプロジェクトは少ないと思っています。そして取引所、c0ban.tvの2つのサービスを並行しているのも異色だと思っています。メンバーも多種多様で、スタートアップみたいに若いだけではなく、経験豊富なシニアもいるのも強みです。

―コイン東京
ありがとうございました!

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