COIN TOKYO

  • 2018/11/07
  • 2018/11/07
  • コイン東京編集部 アオ

米国版ほふりDTCCが金融派生商品のデータベース(TIW)でのDLT利用をテスト段階へ

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米国版ほふりの証券保管振替機関、預託信託&清算公社(DTCC)は、主要ブロックチェーンプロジェクトを、15のグローバル銀行とのテストフェーズに進めました。

クレジットデリバティブの取引情報データベース(TIW)にDLT

6日の発表によると、英国のバークレイズ(Barclays)はテストに参加している世界の15銀行の一つであるが、他の14社は明かされていません。15行は共同で、クレジットデリバティブ(1*)の取引情報データベース(TIW)のための、DTCC社の分散台帳とクラウドベースのプラットフォームをテストする事になります。

順調に進めばDTCCは今年末までに公開テスト段階に移行する予定です。その場合、他の市場参加者とサービスプロバイダーもテストできる機会を得られます。公開テストは2019年のQ1に完了する予定で、その後ライブ稼働される計画です。特に、DTCCは2019年Q1の期限を重要視しています。

構築しているTIWの新しいプラットフォームは、最も野心的なエンタープライズブロックチェーンプロジェクトの1つです。世界的な金融業界の現行のインフラストラクチャの重要な部分を代替するものになります。

TIWは、11兆ドル(1,300兆円)相当の全世界のクレジット・デリバティブ取引の約98%のライフサイクル・イベント処理サービスを提供しています。TIWの顧客基盤には、主要なグローバルデリバティブディーラー、70ヵ国以上の2,500以上のバイサイド企業およびその他の市場参加者が含まれます。

The Investment Bank Office at Barclays社のCTOであるLee Braine氏は次のように述べています。

「効率を高めて業界のコストとリスクを削減する実証的な方法で、分散型台帳技術を実用化するこのエキサイティングなプロジェクトについて、DTCCやパートナーと協力することを嬉しく思っています。」

マルチベンダーアプローチ

DTCCの分散型帳票技術(DLT)は、稀なマルチベンダーアプローチを採用しました。IBMがプログラム管理および統合サービスを提供し、Axoniが「AxCoreブロックチェーンプロトコル」でDLTとスマートコントラクト機能を構築。R3がソリューションアドバイザーとして機能します。

テスト段階では他の主要な金融インフラ・プロバイダーも加わります。IHS Markit社の新しいTradeServプラットフォームは外貨オプションを提供、クレジット・マッチングとコンファーメーションを再構築することを目指します。これらは来年のQ2に暫定的に稼働予定です。

TIWは、クレジット・デリバティブ取引、ライフサイクル・イベントの実行、支払い計算および決済に関与する当事者情報のゴールデンレコード(マスター統合管理)として機能します。

Axoniのスマートコントラクト技術を使用して取引の開始から終わりまで一連の手続き、改訂、変更、レートの再設定、満了、および企業行動のすべてが自動化されます。

さらに、TIWには、インターコンチネンタル取引所(ICE)、日本証券クリアリング機構(JSCC)およびLCH SA社のCDSClearなどの清算されたデリバティブポジションが含まれています。

今年4月、預託信託&清算公社(DTCC)はCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)取引におけるポストトレード処理に分散型台帳技術とスマートコントラクトを活用するテストを行い、成功した事を発表していました。この取組には、欧米の大手4銀行(バンクオブアメリカ、シティグループ、クレイディスイス、JPモルガン)が参加。Axoniがブロックチェーン技術を提供しました。

(1*)クレジットデリバティブ(金融派生商品);社債や貸付債権の信用リスクを定量化し、スワップやオプションの形式で行う取引。


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