同社は2ヶ月前にイーサリアム・メインネットで「Polymath Core v1.3.0」をリリースしました。当時多くのトークン発行者がこのDappにサインアップして、現在までに100以上のトークンがPOLYプラットフォームに登録され、40以上のセキュリティトークンがネットワークに展開されています。
Polymathのコアバージョン2.0.0では、いくつかの機能や改善が付加されます。同社は、STO(セキュリティトークンオファリング)の発行者が、POLYやイーサリアム(ETH)だけでなく、米ドルの価値にペッグされたダイ(DAI)で資金調達を行えるようになりました。
これまで発行者は、変動するETHの為替レートを用いて、トランザクションを計算する必要がありました。しかし、PolymathはMakerDAOと提携して、米ドル対POLY、及び米ドル対ETHの価格フィードを取得します。今後、トランザクションに必要なETHまたはPOLYの数量が、自動的に算出されます。発行者は、最小投資額や適格投資家1人当たりの投資上限算出の負担が軽減されます。
「強制移送」では、現行の制限やルールにかかわらず、あるアカウントから別のアカウントにトークンを簡単に移送する機能を、発行者に与えられます。Polymathによると「強制移送」機能は、現実世界の有価証券で必要とされる様々な使用事例を想定しています。例えば、トークン所有者が離婚して、元配偶者にトークンの50%を支払わなければならない場合、強制移送が不可欠です。強制移送なしでは、トークンホルダーが裁判所命令に従わない場合、泣き寝入りするしかありません。
バージョン1.3.0では、PolymathはETHまたは他のERC20トークンについて、オンチェーンでの配当分配を可能にしていました。バージョン2.0.0では、配当分配におけるアドレス除外と源泉徴収という機能を備えました。
源泉徴収を付加することで、発行者は投資家に支払う配当金から、ETHまたはその他のトークンの控除を許可できるようになります。アドレス除外とは、配当金の支払いに関して、特定の口座を除外できるようになります。例えば発行者は、予備ウォレットをカウントせず、所有者の残高総量から各個の正当な配当分配を可能にします。
この性質(Upgradeability)は、スマートコントラクトのアップグレードへの対応可能性を確保する処置です。これは今後発生するであろう新しい機能を、確実にサポートできる事を意味します。これにより発行チームは、何度もコントラクトを再展開したり、古いデータを移行する必要が無くなります。
「v2.0.0」が11月中にメインネットに統合されると、古いデータのマイグレーションと再デプロイが行われます。残念なことに、アップグレード可能性の現段階の欠点の1つは、コントラクトに格納されているデータの探索に、長い期間を要すことです。Polymathチームは、プロセスがセキュリティ上の懸念事項にならないよう、解決に向けて取り組んでいます。
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