ポルトガルの名門、リズボンを本拠とするスポルティングは、リーグタイトル18回、カップタイトル20回以上を誇る強豪チームです。かつてはポルトガル代表選手を多数抱える人気チームでしたが、最近は相次ぐトラブルから主力選手の大半がチームを離脱、危機的状況に陥っていました。
現地メディアDinheiro Vivoによると、同クラブのバイス・プレジデントFrancisco Salgado Zenha氏は、「まだ何も具体的ではないが、この選択肢を熟考している」と主張している;
「我々はICOを精査している。いくつか会議を重ねている。スポルティングブランドには大きな価値があります。クラブのゴールは、新しい世界を活用することです。」
これは、暗号通貨のエコシステムを指していると推測されます。クラブは2010年に「スポルティング・ポルトガル・ファンド」を介して、3,000万ユーロ(約38億円)を調達するため、投資家に年利5.25%の債券を発行し、完済しつつあります。
スポルティングは、別の債券の返済期日が11月26日に迫っているため、資金を必要としている。発行促進のためにスタッフを獲得した後、クラブは予約注文を急増させたが、2600万ユーロ(約33億円)の目標を下回っていました。
スポルティングは正式に公表していませんが、大抵の場合、スポーツクラブ組織に発行された暗号通貨は、割引価格でグッズやサービスを購入できる等の特典が付与されます。CMVM(ポルトガル証券市場委員会)は、ICO発行組織に対し「開設前に、発行されるトークンの司法的性質」を明確にするよう要求していました。
昨年、世界中の国々と同様に、ポルトガルでビットコイン旋風が巻き起こり、「ビットコ・ユーフォリア(高揚感の意でバブルを指す)」という言葉も生まれました。当局は、暗号関連製品を販売していた投資銀行や証券会社の監督を強めています。
スポルティングは、債券発行や潜在的にICOを必要としている資金調達が失敗すれば、その「戦略」が頓挫して、選手を売却する必要があると伝えられています。
他国のサッカークラブは、既にICOを通じて独自の暗号通貨を開設しています。今年9月、ブラジル・セリエBのサッカーチーム「アヴァイFC」は、ICOを開設して約20億円の資金調達を目指すと発表しました。アヴァイは、SportyCo社とBlackbridge Sports社の協力の下でトークンセールを10月に開始、ソフトキャップ未達成で11月に終了しています。
同時期に、フランスのサッカークラブ「パリ・サンジェルマン(PSG)」は、独自のファン・トークンを発行するため、Socios.comのプラットフォームや暗号通貨chiliZ(チリーズ)と協力する事を発表しました。
同様に、資金難に陥る2つのプレミアリーグのサッカークラブ(ニューカッスル・ユナイテッドとカーディフ・シティ)は、独自の暗号通貨を立ち上げるために、分散型のスポーツ投資&資金調達プラットフォームSportyCo社と、協議していることがThe Timesに報じられました。
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20代男性。都内名門高校卒業後、ベンチャー企業を経てコイン東京へ。二次元好きのセミプロゲーマー、好きが嵩じて仮想通貨やDappsゲーム、ブロックチェーン技術の世界にハマる。ゲーム知見と理数的素養から、最新の技術もカバーしつつ、プロジェクトの情報収集や分析を最も得意とする。