2013年、イーサリアム(ブロックチェーンプラットフォーム)を考案した当初は19歳だったヴィタリック氏は、大学生の頃からブロックチェーンの技術に魅せられていました。イーサリアムの開発に至ったのは、世界中で行われていたビットコインのプロジェクトを見て回り、彼なりに観察した結果、ブロックチェーンプラットフォームの誕生となりました。
幼少期からすでにプログラミングや数学の天才だった彼ですが、ブロックチェーンプラットフォームの思い付きは様々なビットコインのプロジェクトを見て、開発している彼らのサポートをするには不十分だと感じたそうです。
つまり彼にしかない観察眼によってイーサリアムは誕生したと言えます。そんな彼の幼少期はやはり周りの子供たちとは違っており、異彩を放っていたそうです。
1994年、ヴィタリック氏はモスクワで生まれ、6歳の時に家族とカナダへ移住しました。小学生の時には既に数学や経済学でその才能を発揮しており、小学校3年生の時、秀才児の集まるクラスに入ってプログラミングを行っていました。
小学上級生になると周りからは「数学の天才」と噂されるまでになっていました。間違いなくヴィタリック氏の幼少期は神童と言えるでしょう。また経済学にも興味を持っていたことで、ブロックチェーン技術が経済にどういった影響を与えるのかも、ヴィタリック氏には想像ができたのかもしれません。
ヴィタリック氏とビットコインの出会いは17歳でした。父親からビットコインについて教えられたのが切っ掛けです。父親は「面白い仮想通貨があるぞ」とヴィタリック氏に教えたそうですが、当時の彼はコンピューター上に書かれたただの数字の羅列にしか見えなかったそうです。
しかしそれから1ヶ月後、どこかでビットコインの話を聞き、その時にようやくその数字の羅列の意味や価値を知り、調べるようになりました。ビットコインに関する掲示板やサイトを読み知識を得ていったそうです。
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蓄積させた知識は、ライターとして1記事5ビットコイン(当時は4ドルほど)の仕事を2014年まで続けていました。と同時に、高校はオンタリオ州のトロントにある私立高校Abelar Schoolに通います。
その高校は少人数制を採用しており、さらにその中には特進コースが設けられています。このコースは、優れた成績とある分野で常に優れた成績を収めている学生だけが受けられるコースです。
ヴィタリック氏は高校生活が「最も興味深く、生産的な期間であることを証明した」と彼らしい言葉を残しており、さらに「教材の深さが、学習意欲を深め、学ぶことに集中できた」といかに充実していた高校生活だったかが伺えます。
また2012年、高校在学中に国際情報オリンピックで銅メダルを受賞し、そんな最中、ビットコインについても猛烈に調べていたというわけです。高校を卒業し、ワーテルロー大学に進学し、コンピューター科学を専攻します。
しかし大学に進んだものの、その時既に週に30時間以上をビットコイン関連のプロジェクトに費やしていたので、大学で学ぶことはほとんどありませんでした。同時に「ティール・フェローシップ」という奨学金を貰いながら働く機会に出会い、彼は大学を中退し、世界中に行われているビットコインのプロジェクトを見て回る旅に出ました。
ビットコインのプロジェクトに取り組んでいる彼らのブロックチェーンは、分散型の送金システムであったり、物の売買、個人認証、クラウドファンディングなど様々な用途として個々のアプリケーションとして開発していたのを目にしました。
しかし彼らが使っていたブロックチェーンプラットフォームは、それぞれの専門的な機能は持っていても、個々が別々に存在していました。つまり、専門医はいても総合的に診てくれる医師はいないという状況でした。
5ヶ月の旅の中でヴィタリック氏は、ある特定の機能だけを持ったプラットフォームではなく、「あらゆる目的のために使えるブロックチェーンプラットフォームを作ればいい」というイーサリアムの核となったアイディアを思い付きます。
そこから1ヶ月くらいかけてそのアイディアを形にしていきました。ブロックチェーンをもっと簡単に一般のエンジニアにも使うことができる形、つまりあらゆるアプリケーションで機能させるために、それからさらに1ヶ月かけてまったく新しいブロックチェーンプラットフォームを構築するに至りました。
そしてついに2013年、19歳の時に「分散型プラットフォーム・イーサリアム」を考案します。会社や企業のシステムに組み込むことで、「契約の自動化(スマートコントラクト)」によって業務の効率化を目的に開発されています。いわゆる総合的に使えるプラットフォームです。
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ヴィタリック氏は「ブロックチェーンの「分散型」に惹きつけられてやまない」と述べています。分散型は1人の人間や、1つの企業に支配されたりコントロールされたりすることはなく、人々のネットワークがコラボレートすることで構築されます。
そうすることでより効率的で、より公平なマーケットが生まれる可能性は十分にあります。さらにヴィタリック氏は「ブロックチェーンは取引を透明化し攻撃もされにくい、よりレジリエンス(しなやかに適応する)するシステムが生まれる可能性がある」と述べており、イーサリアムによる業務の向上からさらなる経済の繁栄を見据えているのかもしれません。
今後のイーサリアムの予定としては、イーサリアムのシステムをより良くすることを考えているそうで、ユーザビリティとスケーラビリティの両方をバランスよく伸ばしていくことに重点を置いています。さらに「ブロックチェーンをハッカーから守り、どうすればもっと安全なものにできるのか」などイーサリアムをさらに開発していく姿勢を示しました。
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ここではヴィタリック・ブリテンに関わる様々な情報をお伝えしていきます。
OmiseGO:タイを拠点にしているプロジェクト。インドネシア、シンガポール、日本でも事業を展開。アジアのマーケットで活躍する決済プラットフォーム。
KyberNetwork:分散型取引所と決済APIの機能があり、トークンはKNCです。2017年9月15日からICOが行われました。
DAICO:2018年1月にヴィタリック氏が提唱している新しいICO。投資者が最初のプロジェクト開発プロセスに関与することで、ICOをより安全にすることが目的です。またプロジェクトの進捗に投資者が満足できない時は、投資金の払い戻しを投票で決めることができる。
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ヴィタリック氏は約365,000ETHを保有していと言われています。1ETH=13,500円(2018年11月29日)のレートで計算すると、約49億円です。ここ最近は仮想通貨全体の価格が下落しているのでこの数字です。最低でもこれぐらいの資産は保有している可能性はあるでしょう。
To The MoonならぬTo The Mars:ヴィタリックが宇宙人だと言われる理由の一つに、アプリで中国語覚えて完璧なマンドリンの発音を中国メディアで披露したというものがあります #イーサリアム #Ethereum #仮想通貨 $ETH #ブロックチェーン #惑星間送金 https://t.co/5Of74Ho7iw
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) 2017年8月6日
ヴィタリック氏には「宇宙人」というあだ名があることをご存知ですか?幼少期からの天才っぷりを見れば、「宇宙人」というあだ名がついても不思議ではないですよね。上記のツイッターでは、中国語をアプリで覚え、完璧なマンドリンの発音を中国メディアで披露する一面もあります。
ツイッターの一部情報ではIQ254あるとも言われ、アイシュタインでさえもIQ190だと言われています。実際のIQは定かではありません、天才であることには変わりありません。
ヴィタリック氏は日本に何度か来日したことがあり、日本の仮想通貨の関心は目を見張るものがあるそうです。「ビットコインでの支払いに対応している企業が増えてきていることと、日本は新しいテクノロジーを受け入れていることに抵抗が少ない国だ」とも述べています。
2017年8月10日:渋谷で開催された「東京ビットコイン会議」でヴィタリック氏は1時間ほど講演を行なっています。イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するための「Plasma」システム導入に関する内容です。
2018年3月27日:外務省大臣の河野太郎氏とヴィタリック氏が面会しました。河野氏は仮想通貨やブロックチェーンに関心があり、ヴィタリック氏とブロックチェーンの将来性について話しています。同日、経済産業省、金融庁ともミーティングを行っています。
Ethereum meets Japan. Minister of Foreign Affairs@konotaromp @VitalikButerin #etherum #japan #blockchain pic.twitter.com/flPbDz6Too
— Aya Miyaguchi (@mi_ayako) 2018年3月27日
2018年3月29日:東京大学の本郷キャンパスで、イーサリアム初の開発者向けの公式イベントを開催し、そこでヴィタリック氏が登壇しました。
Ethereum Japan Community Meetup #1 より、本日のVitalik Buterin。
— 星 暁雄 (@AkioHoshi) 2018年3月28日
スピーカーがみんな若い。複数のプロジェクトがえらい勢いで進展中。Ethereum界隈のスピードを嫌でも感じたイベント。
運営の皆様ご苦労様でした! pic.twitter.com/9IRasRY7Pv
ここ最近のヴィタリック氏と関係している仮想通貨ニュースをいくつかピックアップします。
・ヴィタリック氏が「仮想通貨入るでも価値がゼロに近くなる可能性がある」と発言
Reminder: cryptocurrencies are still a new and hyper-volatile asset class, and could drop to near-zero at any time. Don't put in more money than you can afford to lose. If you're trying to figure out where to store your life savings, traditional assets are still your safest bet.
— Vitalik Non-giver of Ether (@VitalikButerin) 2018年2月17日
これは2018年2月17日にツイッターで発言された内容で、仮想通貨ユーザーにとって一瞬ヒヤッとするような発言でした。内容としては以下になります。
「仮想通貨の価値はいつだって価値がゼロ近くになる可能性はあります。耐えられる分以上のお金をつぎ込んだりしないように。老後のために蓄えておきたいならば、伝統的な投資方法が、一番安全です」
よくよく考えれば、確かにそうだろうね、と納得させられる冷静な発言ではあります。仮想通貨はまだ誕生したばかりのテクノロジーではあります。ボラティリティもまだ激しい部分があります。仮想通貨投資は余裕がある範囲で行いましょう。
・イーサリアムの上限発行枚数を1億2,000万ETHにすると提案
2018年4月1日、GitHubというウェブ上で、ヴィタリック氏がイーサリアムの上限発行枚数を1億2,000万枚にする提案がされました。即座にツイッターがざわつきましたが、翌日、ヴィタリック氏はエイプリルフールのジョークだとツイッターで発表しました。
Github:https://github.com/ethereum/EIPs/issues/960
For those still wondering whether or not https://t.co/z44anVrOuT was an April Fool's joke, the answer is: it was an April Fool's meta-joke. *The point* was seeing people argue about whether or not the proposal is "real".
— Vitalik Non-giver of Ether (@VitalikButerin) 2018年4月2日
その後は、「イーサリアムの発行上限枚数を検討する価値はある」とし、フォロワーやコミュニティの意見を積極的に取り入れる姿勢を見せています。
・グーグルからオファーが来たことをツイッターで公表
2018年5月20日、ヴィタリック氏はツイッターでグーグルからオファーがあったことを公表しました。「イーサリアムを辞めてグーグルに就職すべき?」といった質問をツイッターのフォロワーに投げかけるという、ユニークな投稿です。サイト元:https://www.reddit.com/r/ethereum/comments/8kr6y3/vitalik_buterin_asking_twitter_if_he_should_join/(ツイッターはすでに削除されています)
ツイッターには2000件以上の回答が寄せられ、フォロワーの半数が「就職しないほうがいい」または「イーサリアムは辞めないほうがいい」という回答でした。
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イーサリアムを考案した若き天才ヴィタリック・ブリテン氏はブロックチェーン技術に関しての興味が人一倍強く研究熱心で、コミュニティの意見にも耳を傾けながら真摯に開発を続けているエンジニアです。
イーサリアムによるさらなる業務の効率化から経済的な向上まで広い視野で思考を巡らせながら、開発を行っていることが分かります。ユニークな面も時々見せる彼が、今後、イーサリアムをどこまで発展させるか期待して待ちましょう。
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20代男性。都内名門高校卒業後、ベンチャー企業を経てコイン東京へ。二次元好きのセミプロゲーマー、好きが嵩じて仮想通貨やDappsゲーム、ブロックチェーン技術の世界にハマる。ゲーム知見と理数的素養から、最新の技術もカバーしつつ、プロジェクトの情報収集や分析を最も得意とする。
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