Plasma(プラズマ)は、イーサリアムの理論的なレイヤー2スケーラビリティソリューションの名称で、Joseph Poon氏とVitalik Buterin氏が書いたホワイトペーパーで紹介されました。プラズマの目的は、安全性を逸脱することなく、トランザクションデータをオフチェーンで計算することで、イーサリアム・ブロックチェーンをスケールアップすることです。しかし、この理論はまだ開発段階です。現在、いくつかのプロジェクトが理論の実用化に取り組んでおり、オミセゴー(OMG)はIgnisとは異なるプラズマに取り組んでいます。
Ignis(イグニス)は、サイドチェーンを介してトランザクションを束ね、イーサリアム・ブロックチェーン上にまとめて送信することで、TPS(毎秒トランザクション)を高めます。
イーサリアムは現在、毎秒最大15トランザクションを処理していますが、Ignis開発チームはこれを、毎秒500トランザクションまで拡張できると主張しています。Ignisは現在、イーサリアムのテストネットRinkebyで稼働しています。Matter社公式ページでは、ウォレットのダウンロードのデモが公開されています。イーサリアム・メインネットへの展開時期は未定です。
Ignisは、トランザクションの承認に確立された暗号技術「ZK-SNARKS」を使用することで、トランザクションの正当性を簡潔に証明します。SNARKSは2017年のイーサリアムのフォーク「ビサンチウム」でプリコンパイルされていました。この方法は他の検証方法と比較して計算能力をほとんど必要としないため、イーサリアム・ブロックチェーンに多大なコストをかけずに済みます。
Ignisの開発者たちは、イーサリアム・ガス(取引コスト)を50倍削減できると述べています。ZK-SNARKSにより、客観的で中立的なIgnisのスマートコントラクトは、他者へのトラストなしにトランザクションを検証します。
開発チームは、Ignisがシャーディング(ブロックチェーンを複数の部分に分割する)など、現在構築されている他のスケーラビリティソリューションと互換性があると述べています。これらの技法を組み合わせると、速度向上の相乗効果が見込めそうです。
現時点でIgnisはまだ、テスト環境の単一の「オペレータ」で動作していますが、最終的には、これを分散化する予定です。Ignisネットワークは、委任型プルーフオブステーク(DPOS)を通じて機能するリアルなサイドチェーンを目指しています。
ZK-SNARKSを使用する上での問題の1つは、ネットワークを最初に設定した人にトラストが必要であることで、いわゆる「Trusted Setup(信頼を要する設定)」です。ZK-SNARKS暗号技術のパラメータを設定すると、ネットワーク全体に影響を与えたり、トランザクションをゼロから作成する事もできる秘密鍵が生成されます。したがって、ネットワークを設定した人が設定後にこの秘密鍵を破壊することを信頼できなければなりません。Ignisはこの問題を認識しており、将来的に解決策となる情報を提供すると述べています。
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