COIN TOKYO

  • 2019/01/08
  • 2019/01/08
  • コイン東京編集部 コイン東京編集部

イーサリアムクラシック(ETC)で51%攻撃の可能性、コインベースはReorgを検出

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イーサリアムクラシック(ETC)が51%攻撃を受けていると伝えられています。未知の攻撃者がETCネットワーク上のトランザクションをReorg(リオーグ:履歴を巻き戻し、再編成すること)した事が報告されています。それに応じて、一部の取引所は暗号資産の取引を停止、他の取引所は出金処理のConfirmation(確認)設定を増加させ、より長い待ち時間を設定しています。

単一のマイナーがネットワークの50%以上を制御

8日早朝、ETC公式ツイッターは最初の投稿で「ETCネットワークは正常に機能している」と表明しましたが、その後「チェーンのReorgまたは二重支払い攻撃の可能性がある」と警告しました。さらに暗号資産取引所に「慎重な取引処理」を要求しました。

イーサリアムクラシック(ETC)は、2016年に誕生したイーサリアムのフォークです。多くの取引所に上場しており、開発者に人気が高い。1月8日時点、時価総額は約583億円で市場16位の影響力を有している。

マイニングプール事業者Etherchainも警告を発し、ETCネットワークで「51%攻撃が成功した」と確認しました。1人、あるいは協調して行動するパーティーが、ETCネットワーク内のマイニングパワー「ハッシュレート」の50%以上を制御すると、不正なアクションが起こる可能性があります。

イーサリアムの共同創設者Donald McIntyre氏は、あるETCマイナーが一時的にネットワークのハッシュレートの60%以上を占めていたと述べました。一人かグループが、暗号ネットワークのハッシュパワーの半分以上を制御する場合、ブロックチェーンで処理されるトランザクションを基本的に制御することになり、トランザクションを二重に費やしたり、他のマイナーを妨害したりできる。

〇1月8日朝、ETCハッシュレートシェア

GasTrackerによると、疑わしいマイナーは過去24時間の測定でETCのハッシュの48%をまだ保有しています。マイニングすることで通常支払われるETCブロック報酬で、3万ドル(330万円)近くになる可能性があります。(ETCのブロック生成時間は10.2秒、ブロック報酬は4.0ETCです。)

マイナーが作成したブロックの多くは空です。つまり、トランザクションが含まれていません。空ブロックの採掘は、トランザクションを実際に含まず効率的かつ不当にマイナーが報酬を得るテクニックです。これらのブロックの平均生成時間は、トランザクションを含むブロックの平均生成時間よりも15%短い。ブロックチェーン開発企業IOHKのETCコミュニティマネージャーKevin Lord氏は、「51%攻撃ではなく、利己的な(セルフィッシュ)マイナーによるもの」と見ている。

二重支払い攻撃の可能性


しかし、主要な仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)によると、数日前からETCの問題を検知していたという。アプリケーション・セキュリティエンジニアのMark Nesbitt氏は以下のように述べています;

「1月5日、コインベースはETCブロックチェーンの二重支払いを含むディープチェーンのリオーグ(再編成)を検出しました。顧客の資金を保護するために、ETCブロックチェーンの資金の動きを直ちに一時停止しました。このイベント後、二重支払いを含む8つの追加のReorgが検出され、影響は合計88,500 ETC(約460,000ドル:5152万円)になりました。」

「このリオーグを観察して、ETCブロックチェーンの通信を止めました。コインベースはこの二重支出の対象ではなく、資金は失われていません。」

攻撃者はETCブロックチェーンの履歴を再編成することによって、ネットワークのいずれかのアドレスから5000万円相当のイーサリアムクラシック(ETC)を不当に送金した可能性があります。マイナーEtherchainによると、100ブロック以上でReorgが確認されたという。

イーサリアムクラシックチームは、Coinbaseの主張は認めていますが、ユーザーの資金への影響は否定したままです。依然として全体像の把握に務めている事を表明しました。


イーサリアムクラシック(ETC)の事象は、信頼できるパブリックネットワークの構築の困難さを示しています。CoinMarketCapによると、1ETC=547.08円前日比7.2%安となっています


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