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  • 2019/01/13
  • 2019/01/13
  • コイン東京編集部 コイン東京編集部

IBMの商用量子コンピュータ「Q System One」はビットコインの脅威となり得るのか?

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1月8日、IBMが世界初の商用の量子コンピュータ「Q System One」を発表しました。量子コンピューターは、従来のコンピューターでは解決不可能な複雑な演算も可能なため、ビットコインのマイニングにおける数学的問題を解く場合にも、遥かに優位であると見做されています。128ビット暗号の公開鍵を使用して秘密鍵を発見する計算には、今日のコンピュータで10.79京年かかりますが、量子コンピュータでは6か月以内に破られます。

そして、量子コンピュータはビットコインを脅かすのか?というテーマが界隈で注目されています。

IBM Q System Oneの登場によって、これまで企業や大学の実験室に制限された量子コンピューターが、一般企業でも導入できる様になると期待されています。

全体が一様にアップグレードされる

ベストセラー「マスタリング・ビットコイン」の著者で仮想通貨リサーチャー・アンドレアス・M・アントノプロス氏は、過去の動画で一つの考え方を提案しています。

量子コンピューティングの脅威は、それが単一のアクターに利用可能で、他者に利用不可能な場合にのみ現実となります。つまり、量子コンピュータが誰でも利用できるのであれば、ビットコインネットワーク全体が同時にアップグレードされ、脅威にはならないという。例えば、現在採用している暗号ハッシュ関数「SHA-256」は、「クオンタム256」や「量子ハッシュ」とか言った物になるかもしれません。


IBM Q System Oneは不十分

ビットコインのPoWで使用されるアルゴリズムHashcashの考案者で暗号学者Adam Back氏は別の見解を提供しています。ブロックストリーム(Blockstream)社CEOのAdam氏は「Q System One」の100マイクロ秒の持続時間と20Qbitの計算能力は、従来のコンピュータと比べても力不足だと説明しています。Adam氏の見解では、IBMのシステムは将来アップグレードできる事を加味しても、数十年は従来型のコンピューターが市場を支配するという。

さらにAdam氏は、現在ビットコインの開発に言及した。次の10年間に、多くのプロトコル開発者は量子耐性のある技術(Schnorr、集約可能なスペース、検証コスト署名等)に取り組んでおり、新たな署名方式は段階的に追加されると述べた。具体的なロードマップは不明ですが、Adam氏は、「ビットコインは静かに、そしてゆっくり品質管理を経る」と述べました。


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