関係筋によると、Tencentは他社と共同で買収を検討しており、複数のプライベート・エクイティが、Nexonを非公開化するなどの選択肢を検討しているようです。
今月初めに韓国メディアは、Nexonの創設者キム・ジョンジュ氏が、妻などと保有するNXC株式の98.64%の売却を計画していると報じました。保有株式は8兆から10兆ウォン(7800億円から9800億円)と試算されています。
情報筋によると、Tencentはこの件でGoldman Sachs(ゴールドマンサックス)とアドバイザー契約を結んでいるとされています。なお、NXCとTencentはロイターに対しコメントを控えています。
あくまでTencentの最大の狙いは、売上高2300億円を越えるNEXON(ネクソン)のオンラインゲーム市場と見られています。Tencentは、規制が厳しい中国を出て、韓国のゲーム市場への拡大に期待していると見られています。昨年以来、Trncentの株価は過去最高値をはるかに下回っています。
中国政府は昨年、ゲーム中毒による「子供の近視」を予防するため、ゲーム事業者の認可、ソフトの発売本数やプレイ時間に制限を設けるなどの規制措置を講じました。Tencentも人気タイトルの販売を複数停止した他、実名チェックや未成年規制などの自主規制を導入しています。当局は2019年1月に、少数の新しいゲームを認可しましたが、Tencentのタイトルは含まれていません。同社は2018年4-6月期決算において、過去13年間で初の減益決算となりました。
NXCは韓国の主要な仮想通貨取引所Korbitの主要な株式を2017年9月に取得しました。2018年10月に、NXCの欧州子会社で、ベルギーに本社を置く投資企業NXMHは、欧州の仮想通貨取引所Bitstamp(ビットスタンプ)の株式の80%を買収しました。
TencentにとってNXCの買収は、副次的に仮想通貨業界への足がかりを与え、新興セクターへのリーチを拡大する能力を提供します。
これまでTencentは複数のブロックチェーンプロジェクトに関与してきました。昨年6月に同社は政府と共同で、中国ブロックチェーン安全保障同盟を結成しました。さらにTencentは、Huawei(ファーウェイ)など100以上の会員を擁する中国の一大コンソーシアム「Financial Blockchain Shenzhen Consortium(FISCO)」を組織しています。昨年10月に、企業向けオープンソースのブロックチェーンエコシステム「FISCO BCOS」をローンチしました。
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