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  • 2019/02/05
  • 2019/02/05
  • コイン東京編集部

STOのスペシャリスト中村真人さんに独占インタビュー「STOは有価証券の分散化、株取引がネット化されたように有価証券はトークン化される」

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この度は、海外や国内の大手企業などにSTO講座・コンサルを行う、STOのスペシャリストの中村真人さんにインタビューをさせて頂きました。中村さんはPC革命時にはマイクロソフトでエクセルとWindowsを開発し、IT革命ではネットスケープにてブラウザビジネスを構築してきました。2つの重要な革命を最前線で推し進めた中村さんに「STOによっておこる変革」「ビットコインETFやステーブルコインについて」「ブロックチェーンの今後」などの重要トピックを質問させて頂きました。

今までに幾度も、不条理な理由で個人が活躍の場を取り上げられていくのを目の当たりにしてきたのも事実です。そこで「個人が活躍できる世界を作りたい」と強く思ったのです。



―コイン東京
よろしくお願いいたします。最初に中村さんの経歴についてお聞かせいただければ幸いです。


―中村さん
よろしくお願いいたします。キャリアのスタートはモトローラというMacのCPUを作っていた外資系の会社です。エンジニアとして就職して、主に半導体のシミュレーションを出来たばかりのエクセルで行っていました。それが縁でマイクロソフトに転職しています。

―コイン東京
マイクロソフトでは主にどういった業務をしていたのでしょうか。


―中村さん
最初の3年はエクセルのテスティングリードを行っていました。当時はエクセルも発展途上の段階にありました。テストをしていると「便利な機能」が思い浮かび、実際にその機能を実装してもらったこともあります。

その当時の表計算業界ナンバーワンはLotus 1-2-3でした。しかし、Windouws3.0がリリースされた際に、Lotus 1-2-3が動作しないこともあったようで、ユーザーの多くがこちらに流れましたね。

―コイン東京
後に世界を席巻するマイクロソフトの貴重な時代ですね。その後もエクセルのテスティングリードを行っていたのでしょうか。


―中村さん
いえ、その後営業に移りました。3年間開発関係に携わってきたのですが、部屋の中でなく、外に出て仕事を通じてより多くの人に会える機会を持つことを渇望するようになっていました。そして私は協調性に欠けているところがあり、営業という仕事は個人の創意工夫で結果につなげられる部分が多いのではと思っていました。

マイクロソフトは当時まだ小さな企業でした。ですので、まずは大手企業向けの大規模ライセンス制度の立ち上げに関わらせてもらいました。今でいうところのサブスクリプションプランでした。本田技研や三菱商事や東京海上などの大手企業とのライセンス契約を締結し、新しい制度をお客様と本社とのフィードバックを受けて作り出しいていく貴重な経験ができました。

最後の1年はインターネットSWATという特別チームに編入しました。

その後はすこし不思議な流れになるのですが、ビルゲイツから「ネットスケープを倒すんだ」との全社命令が下りました。そんなライバルのネットスケープからオファーがあったのです。最初は「ライバル社だからなぁ・・・」と躊躇していたのですが、マイクロソフトは巨大化していく中で、徐々に社内政治などが熾烈になり、営業の私でも息苦しさを感じ始めていました。そしてネットスケープの独特な社風に魅力されて、最終的には転職を決意しました。

―コイン東京
おもしろい縁ですね。マイクロソフトとネットスケープはどんなところが違いましたか。


―中村さん
マイクロソフトは既存の物を後から覆していくような戦略パターンが多かったのですが、ネットスケープはとにかく新しい物を作っては無料でバラまくようなヒッピー文化が根付いていました。商品として値がついているわけではなく「ユーザーが気に入ったら寄附してね」というスタンスなのです。ライセンス料金は払っても払わなくても試用版を数カ月ごとにダウンロードし続ければいつまでも使えるという、それでも売り上げが積みあがるという恐るべきビジネスモデルでした。日本法人がまだ12人でそのやり方で24億円の売上ができていました。

当時、ネットスケープのネームバリューはマイクロソフト以上で、電通・東芝・ソフトバンクなど超大手顧客がいるにも関わらず「サービスに対してロイヤリティを払ってくれればいい」という形で契約をして、ロイヤリティに関しても追跡をしなかったりなど、衝撃の連続でした。ただパートナーから年ごとの契約金を払ってもらい、個別のパートナーの実質ライセンス単価は無造作にバラバラというものでした。

良い意味でも悪い意味でもあまりにおおらかで自由な会社だったのです。しかし、そんな調子がいつまでも続くわけはなく、会社は買収されて消滅し、また転職をせざるをえない状況に戻ってしまいました(笑)

―コイン東京
中村さんが在籍してきた会社は、PC・IT革命時代を代表するところばかりですね。


―中村さん
そうですね、その時一番面白そうな会社に転職することで、PC・IT革命を先導する会社で当事者として経験することができました。その後はとある会社の立て直しを任されました。会社をしっかりと黒字に持っていった所で、株主の人に会社を売られてしまいましたが(笑)

とにかくハードに働き続けていました。しかし無理がたたったのか病気になり手術を受け傷口がくっつく前に仕事に復帰したところ、「敗血症性ショック」までになり、死線をさまよいました。お医者さん達が「そんなことをしていると死んじまうだろう」怒鳴っているのを伏木な思いできいていました。あとから70%の確率で死に至る常態だったと後から聴きゾッとしました。そのあとは文章を書こうにも文字が思い出せないほどでした。

なんとか一命をとりとめたのですが、その後職もなくなり、離婚もして、全てを失ってしまいました。自分の人徳のなさからここまでになったと自分を責めて、立ちあがれない期間を過ごし、株の売買で生計をたてていました。その時の知識がSTOに役立っています。

その時に「生きる」ということを考え直してみました。振り返ってみれば、私は協調性を欠いていたので、結果をだすことでしか周囲に認めてもらう手段がありませんでした。そして結果をだすことによって、自身のプライドも保っていたのです。

しかし社内でどんなに結果をだしても、会社の風向きが変わってしまえば何も意味をなしません。職を失ってしまえば何も残りません。個人はどうしても立場が弱いです。

もちろん、個人でも強い立場でいられる人も中にはいると思います。しかし今までに幾度も、不条理な理由で個人が活躍の場を取り上げられていくのを目の当たりにしてきたのも事実です。そこで「個人が活躍できる世界を作りたい」と強く思ったのです。

―コイン東京
今は「Youtuber」「インスタグラマー」など、個人で生きることが徐々にできるようになってきていると思うのですが、当時はどうしても個人が企業に依存せざるを得なかったかもしれませんね。


―中村さん
そうですね。その後「個人投資家」「ブロガー」などの活動を始めました。また個人の価値を売りに出す「VALU」というプラットフォームでの活動も始めました。VALUはビットコインを活用する仕組みでして、そこで初めてブロックチェーンと出会ったのです。

ビットコインの根底にある、中央管理者・仲介する人がいないP2Pのシステムを見て、非常に感銘を受けました。「個人がそれぞれの力で活躍できる世界を作りたい」という想いが実現できると感じました。

人々が価値を感じながらも値段がついていないものを有価証券トークン(セキュリティートークン)化できるようになります。それにより、今まで潜在的な価値はあっても売買ができていなかったものに、価格と流動性を設定する可能性が見いだせるのです、個人や小企業もこの新時代の資本主義の恩恵をうけることができるようになると予想しています。



―コイン東京
今でこそ中村さんは「STO(セキュリティ・トークン・オファリング)のスペシャリスト」として大企業に講習をしたり、プロジェクトのコンサルに入られることも多いと思うのですが、どのようにブロックチェーンを学んでいったのでしょうか。


―中村さん
最初は本やインターネットから学んでいきましたね。STOの場合はトークンとしての知識だけでなく、既存の有価証券としての知識も必要なので、個人投資家の活動が非常に役立ちました。

エンジニアやビジネスの経験もあるので、ブロックチェーン技術・仮想通貨に関しては、普通とは少し違った目線での理解を深めていると思います。

―コイン東京
それではお話を今回のメインテーマの一つであるSTOに移していきたいのですが、まず中村さんが考えるSTOのメリットについて教えて頂けますでしょうか。


―中村さん
STOはICOとは違い、企業(プロジェクト)をSECの規制に対応した有価証券として許可、あるいは登録されたものと、リンクされたトークンだけを配布できます。ICOは皆さんご存知の通り、投資したプロジェクトがお金だけを集めてもその後に義務をともなったチェック機能がありません。投資家が大損失を被る問題が多発しました。しかし、世の中の流れがSTOへと移ることによって、完全にSCAMを排除することは難しいと思いますが、有価証券としてのチェック義務が発生することでICOよりは安全性の確度の高い投資対象が生成されます。

―コイン東京
ICOは無法地帯でしたが、STOによって投資家の安全が確保されやすくなるのですね。


―中村さん
そうです。そして株式上場よりも圧倒的にハードルが低いので、規模は小さいけれど有望なプロジェクトへの投資も可能となります。しかも日本国内だけでなく、世界のプロジェクトに投資できるのです。

いま世界的に法定通貨の発行量(マネタリーベース)は膨れ上がっているのですが、その法定通貨を吸収するスペース(投資先)は無くなっています。これがこのまま続くと、本格的にお金は希少性を失い、バランスがおかしくなってしまいます。

そこで、人々が価値を感じながらも値段がついていないものを有価証券として作り出すことが出来れば、お金の使いどころが増える。つまり価値があっても投資対象となりにくかったものへの投資性を見いだせるので、資本主義を維持できる受け皿となるのではないかと考えています。

―コイン東京
STOによって投資家は投資の選択肢が増える、ベンチャー企業も資金調達の選択肢が増える、そして資本主義としての受け皿としても機能するということですね。


―中村さん
価値がつけられなかったものを証券化できるというのは、とても面白いシステムだと思います。今の時代は有名なゲームプレイヤーにも価値を感じている人がいたり、ネットで活動している音楽家に価値を感じている人がいたり、価値というものに多様性が生まれています。STが発展することによって「値段がつけられない価値」を、トークンを介してやり取りができるようになるはずです。(厳密にはここで話したことは有価証券の範囲をこえていますが、既にブロックチェーンのプロトコルはその範囲までカバーしてきています)

―コイン東京
なるほど。個人もトークンを介して収入を得られるので「個人がそれぞれの力で活躍できる世界」が近づくのかもしれませんね。ちなみにですが、現在様々なSTOプラットフォームが発表されていると思うのですが、中村さんが注目しているプラットフォームはありますか。


―中村さん
プラットフォームと言っても「発行プラットフォーム」「発行後の取引プラットフォーム」などがあるので、一概に評価するのは難しいですね。まだまだプラットフォームも発展の最中です。全体的なシェアで見ればPolymath(ポリマス)が少し抜き出ている印象がありますが、ここを使っていれば必ずしも安心とも言い切れない段階にまだあると推測しています。

―コイン東京
ありがとうございます。それでは今後STOの分野が発展していく上で、どういったことが必要になると思われますか。


―中村さん
現在STOの取扱いについては、各国がそれぞれで規制を行っています。世界規模の取り組みをしていく為には、条約レベルでの国の枠組みを超えた法的取り決めが必要になってくるのではとみています。

ちなみに、STOが発展すれば仮想通貨や有価証券の流動性が高まると多くの人が言うのですが、私は簡単にはそうならないと考えています。日本で上場している株式は現状4000ほどで、いわゆる億トレーダー達が触れられる銘柄はせいぜい225程度です。上場している企業の中で「短期で取引できる」「流動性がある」ものは全体の1割以下となります。もし、STOが発展して小さな企業のトークンが発行された場合、流動性を確保できるほど取引が行われるとは簡単には考えにくいです。

ただ、昔は冴えない雑貨屋の様な事業を行っていて流動性がなく(売るに売れず)その後メガネのチェーン店として大成功したJINSの株式を持っていた人が、億万長者になったように、持ち続けてチャンスをえる機会は増えてくると思います。ですので、お金儲けをしようと思って投資をするのではなく、最初はSTOの発展に向けて少しでも貢献しようという気軽で楽しむような気持ちで、皆が少しずつ始めていくことが大事になっていくのではないかと思います。決して欲をかきすぎずに、今の仕事を大切にすることが何より大切です!

今のブロックチェーンの状況は、インターネット革命に例えると2000年のバブルが弾けた時と似ています。業界全体が異常な盛り上がりを見せましたが、一旦下火になっているのです。今この業界に残っているプレイヤーは、相場に振り回されず、ブロックチェーンを心から信じているので、本物と言えるかもしれません。



―コイン東京
ありがとうございます。少し質問が変わるのですが、昨今STOも含めて様々な分野で注目されているブロックチェーン技術ですが、中村さんは今後ブロックチェーンがどんな分野でどのように活用されていくと考えていますでしょうか。


―中村さん
ブロックチェーンと相性の良い一つのジャンルは、今更言うまでもないかもしれませんが金融系ですね。やはり今の金融は海外送金にかかるコストと時間が大きすぎます。そのソリューションとなりえるでしょう。それ以外にも医療系も伸びていくのではないかという印象があります。

―コイン東京
なるほど。ちなみに医療系のブロックチェーンというのはどういった方法で活用されるのでしょうか。


―中村さん
主にはデータベースとしての活用です。「秘匿性」と「情報共有」が求められる医療系のデータとの相性は非常にいいですよね。中国では国内の全病院をブロックチェーンで結び付けるというプロジェクトも進んでいるそうです。他にはスマートウォッチ等のデバイスを通して個人の健康情報を蓄積するものなどもありますね。他の病院でどんな治療を受けているのか、どんな病状だったのか、どんな体質の人にどんな薬がむいているのか、等の情報が共有されれば、医療も発展しやすいですし、治療もされやすいと思います。

―コイン東京
ありがとうございます。中村さんはご自身のブログで「ビットコインETFの承認」が重要になってくるというお話をしていたと思うのですが、そちらについてもお聞かせ頂ければ幸いです。


―中村さん
ETFは現在の株式市場にビットコインを上場させるというイメージで、実経済との強い紐づけとなります。実現されれば、ナスダックでアップルやマイクロソフトの株式に投資することと同じ感覚で、ビットコインに投資が行えることになります。

昨今これだけ話題になっているビットコインも先に挙げた2社の時価総額に比べればまだ少額と言えるので、これらの企業と同じ土俵に立てるようになるということが一つの大きな理由です。

また、利用する側としても、例えば日本でビットコインETFが承認されれば、他の株式の売買と損益通算して、源泉徴収されつ特定口座の中で一緒に扱えるようになるでしょうから、税金の面倒な手順を踏む必要がなくなるなどのメリットが生まれ、株式トレーダーからみれば扱える銘柄が増えたような使い勝手の良さになるはずです。

他に考えられることとしては、ファンドマネージャーや多くの資産を持っている株式投資家は、通常の銘柄と違う値動きをするものに投資をしたがる傾向があるので、そういう面での流入も増えてくるかもしれませんね。ポートフォリオ(投資銘柄のの組み合わせ)を組む一番の目的は、資産防衛ですから、違う動きの銘柄を組み入れることはファンドマネージャーはいつも考えていハズです。

―コイン東京
ステーブルコインも話題になっていますが、こちらについてはどうお考えでしょうか。


―中村さん
ステーブルコインが持つ「安定性」は経済にとって重要なポイントですね。貨幣の3大機能はは「価値の交換手段」「価値の尺度」「価値の保存」となのですが、ステーブルコインの安定性という特性はこれらの3大機能のための必須要素です。物差しの単位が日によって変わったら困るのと同じように、売買に関する価値、保存する価値が変わってしまったら困りますよね。

もう一つ、現在国内の大手金融企業がステーブルコインの実証実験を開始しています。ステーブルコインそれを発行して規模を拡大できればこのステーブルコインのけいざいけんにおいて「中央銀行」にに存在になれるともいえます。金利が下がりきったままの現代で大手金融機関はその立場を確保することに活路を見出そうとしているのかもしれません。

―コイン東京
ありがとうございます。それでは最後の質問になるのですがブロックチェーンの発展について、中村さんのビジョンを教えて頂けますでしょうか。


―中村さん
今のブロックチェーンの状況は、インターネット革命に例えると2000年のバブルが弾けた時と似ています。業界全体が異常な盛り上がりを見せましたが、一旦下火になっているのです。今この業界に残っているプレイヤーは、相場に振り回されず、ブロックチェーンを心から信じているので、本物と言えるかもしれません。

インターネットバブルの際も、グーグルやフェイスブックやアマゾンは周りの意見に流されず淡々と事業を行っていました。そういった自分自身の信念を突き通して活動を続けられるプロジェクトが今後のブロックチェーン業界を牽引していくのではないかと思います。

ブロックチェーンは今迄のIT革命を超える革命になると思っています。

―コイン東京
本日はありがとうございました。


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