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  • 2019/02/14
  • コイン東京編集部

BitMEXリサーチ「次の世界的な金融危機の解剖学」:2008年と現状のリスク比較

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BitMEXリサーチは、「次の世界的な金融危機の解剖学」というレポートを発行しました。彼らによると、銀行預金やペイメント・システムが脅威に晒された「2008年の繰り返し」は起こりそうにない。現在は企業の債券投資ファンドや複雑な社債市場に資金が集中しており、金融リスクの震源は銀行業界からアセットマネジメント業界へと移行しているという。

BitMEXによれば、ビットコインは2008年の金融危機の最中から台頭したため、次の危機にも資金が大量にビットコインに流れる事を期待して、「次の世界的な金融危機はいつ起こるのか?」と問う傾向があります。

BitMEXはこの問いに応えるため、3つの仮説を立てています;
1、次の世界的な金融危機は今後数年間で到来する。10年毎に起こる事は避けられない。
2、そうした危機がビットコインの価格に良い影響を与える。
3、次の世界的な金融危機は前回同様に、銀行システムと電子決済システムの正当性に多くの疑問を投げかける。

3つのうち賛同できるものは1番だけであり、他の2つは真ではないと提案します。そして、ビットコインが「(流動性が制約される)次の危機で、うまく反応するのであれば、価値の保存というビットコインの投資テーマにとって前向きなものになるだろう。」と主張しました。

先進国銀行のバランスシートは比較的健全

〇米国および英国銀行の総CET1比率

過去10年間で、銀行の貸借対照表および自己資本比率は5%から12%へと大幅に強化されました(上図)。米国銀行の総資産に対する有形純資産の比率も5%から9%へと増加しています(図省)。さらに世界金融危機以降、西側の主要銀行はバランスシートが拡大していないことが指摘されています;

“2008年の主なリスクは、銀行システムにおけるレバレッジ(融資)とモーゲージ市場の証券化との相互関係によって引き起こされました。今日では、同等のリスクは、資産運用業界でのレバレッジ(借入資産運用)、特に運用性が非常に低いボラティリティ環境に牽引される社債部門にあります。”

資産運用業界でレバレッジの拡大

BitMEXは、SEC(米国証券取引委員会)が公開したデータをもとに、2008年以来お資産運用業界とレバレッジが増加していると示しました。投資ファンドのレバレッジ率を判断する、ギアリング比率(自己資本に対する負債の割合)も提示されています。SECが開示している、米国を拠点とするヘッジファンドのデリバティブの想定元本率の推移は以下の通りです。

〇米国プライベートファンドのデリバティブのギアリング比率

新規社債市場の要素

銀行の役割を代替する上で、社債市場(企業に資金調達を提供するためのノンバンクメカニズム)の構造は急速かつ複雑な成長を遂げました。BitMEXは以下の分野を例示しました;

・ローン担保証券CLO):資産担保証券の一種。金融機関が事業会社などに対して貸し出している貸付債権(ローン)を証券化したもの。ローンの元利金を担保にして発行される債券。主に年金基金、保険会社、ヘッジファンドが所有。高利回り型がアジアで特に人気。
・レバレッジド・ローン:既に高い債務を負っている企業に提供される変動金利ローン。ほとんどが無担保。主に金基金および他の個人投資家が所有。
・民間債:負債は通常流通市場と似ているが、負債は通常流通市場で取引されない。
・債券ETFおよびミューチュアルファンド:ETFは全般的に人気が高まり、社債ファンドも同様です。

社債市場の状況

社債の水準も2008年以降かなり上昇しています。ラッセル3000(米国株式市場の小型株の構成企業)の総債務を見ると、2008年の8兆米ドル強に対し現在は11兆米ドルに達しています。企業は新たな投資商品と低金利を利用して、記録的な水準で資金を借りてきました。

それでもラッセル3000(社)のバランスシートは健全であり、EBIDA(キャッシュベースの本業の儲け)に対する負債は2.5倍弱に留まります。ここ数年増加傾向にありますが、2008年の3.7倍に比べれば遥かに低いものです。しかし、これは一部の技術企業に牽引されており、転じれば不健全に陥り始めます。

さらには、これらの社債の大半は今後数年間で満期に達し、流動性危機や債券部門のストレスを悪化させる可能性あります。米国市場で8,800億米ドルの社債が2019年に満期に達します。また発行済の投資適格債の信用格付け分布を見ると、2018年末時点に50%の債券が最低格付け(過去30年最低)であり、21年以降にさらに悪化する事を示しています。その上、ムーディーズによるとレバレッジド・ローン市場でコベナンツ・スコアが上昇し、投資家の保護水準が低下しています。

ポートフォリオに「少なめの」ビットコイン

BitMEXは、「今後何年にも渡って、これら新たな債務証券は枯渇し始める。企業は借り換えに苦労し、経済が苦しむ。」と予測します。しかし、実際に次の金融危機がいつ起こるか、そしてそのイベントでいかに利益を上げるかを予測することは困難です。地政学的な出来事、新興市場の米ドル建て債務の過剰水準、中国の資産運用業界における高水準のレバレッジ、パッシブETF、高頻度トレーダー、そのどれが引き金になるかはわかりません。

資産運用会社が圧力を受けたとしても、個人向け預金と企業向け預金は安全なはずです。その点で銀行は、金融システムと社会にとってより重要となります。しかし、危機の影響を緩和する政府の介入の可能性は、2008年よりも限定される可能性があります。

BitMEXリサーチは、必ずしもこれらのデータが金融危機に瀕しているとは限らず、また数年先かもしれないとも述べています。最後に同社は、「ポートフォリオを調整することをお勧めする。長期社債ETF、ボラティリティ・ヘッジファンド、VIXコール、ゴールド、そしてより少ない程度だがビットコインも含め。」と締めくくりました。


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