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  • 2019/04/26
  • 2019/04/26
  • コイン東京編集部 コイン東京編集部

コンピュータサイエンス教授Emin Gün Sirer氏「2019年はPOSコインの年」

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著名な専門家が「プルーフオブステーク(PoS)の合意形成メカニズムは仮想通貨の未来である」と主張しています。パリで開催されたテゾスのカンファレンス「TQuorum」で、コーネル大学のコンピュータサイエンス教授Emin Gün Sirer氏は、2019年がステークの年になると語りました。

プルーフ・オブ・ステーク(PoS)

ビットコインが採用する「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」は、代表的なコンセンサスアルゴリズムです。PoWでは、マイナーが競って数学的問題を解き、ブロックを生成して報酬を受け取ります。

一方で「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」は、コイン保有者がウォレットにコインを「ステーク(固定)」して、ブロックチェーンを保護するサーバーソフトウェアを実行することによって報酬を受け取ります。

仮想通貨のステーキングは基本的にシンプルです。所定のウォレットにPoSコインを保管すると、報酬として新たに生成されたコインの一部が付与されます(仮想通貨によって条件と付与率は様々です)。

GünSirer氏は、カーボンフットプリントが小さいなどのPoSコンセンサスメカニズムのメリットは、仮想通貨のさらなる採用を促進するだろうと主張しました。

アルゴリズム・ステーキング

同じパネルディスカッションで、ステーキングサービス会社Battlestar Capital創設者のジェイソン・ストーン(Jason Stone)氏は、ステーキングを複数のウォレットに分割することで、(Qtum、VeChain、PIVXなど)報酬率を増やすことができると述べています。

これは「アルゴリズム・ステーキング」と名づけたプロセスです。ストーン氏は以下のように述べています;

「アルゴリズム・ステーキングは、通常のステーキングよりも多量のブロック報酬を得られるように、アルゴリズムに基づいてコインを最適に配置することを意味します。」

ステーキング型コインでは、仮想通貨ホルダーが、その所有量に比例して新しいコインが付与されます。仮に全供給量の5パーセントを所有しているとして、全量をステークする場合、理論上は平均5パーセントのブロック報酬を受け取ります。

より詳細に、ブロック報酬は1ブロックに毎に1人のマイナーに付与されます。この宝くじに当たる確率はコインの所有枚数に依存します。総供給量の5パーセントを占めるユーザーは、20ブロックごとに1つを獲得できる可能性があります。

一般的な問題として、一度ブロック報酬を獲得したウォレットは次の20時間の間ロックされ、追加のブロック報酬を獲得する資格を失います(Qtumの場合)。

ストーン氏によると、コインを複数のウォレットに分割する事でこの問題を解決できます。コインの合計所有量は同じなので、潜在的に同量のブロック報酬を獲得できます。しかし、いずれかのウォレットが当選する度に、そのウォレットに保持された少量の仮想通貨だけがロックされます。残りのウォレットが報酬を稼ぎ続けることができるため、当選確率を高める事になります。

この方法により、分割型のステーカーは単にまとめた場合よりも、多くのブロック報酬を獲得できます。さらに、ブロック報酬を最大化するためにアルゴリズムを使用して、ウォレット全体に渡るコインの保管分布を最適化できるという。

ウォレットはリアルタイムで更新できますが、コインを移動するたびに取引手数料が発生し、20時間ロックされるため、実際上の移動制限があります。

アルゴリズム・ステーキングはブロック報酬を増やす簡単な方法のように見えるかもしれませんが、ワークするには最小限の要件があります。ストーン氏は、費用対効果を最大化するためには、ステーカー1ウォレットあたり、少なくとも200 Qtum(560ドル相当)を所有する必要があると見積りました。

BattlestarのPoS対応コイン 出典:battlestarcap.com/#Tokens

2017年12月に設立されたBattlestarは、ステーキング報酬を最大化するために一連のアルゴリズムを確立し、最低11種類のPoSネットワークをサポートしています(上図)。


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