COIN TOKYO

  • 2019/06/01
  • 2019/06/01
  • コイン東京編集部 コイン東京編集部

米コインベース、ビットコインキャッシュ(BCH)のマイナー「BTC.top」の行動を称賛

このエントリーをはてなブックマークに追加
31日、米国の仮想通貨取引所コインベースのリサーチャーは、ビットコインキャッシュ(BCH)で起きた再編成(リオーグ)について調査結果を発表しました。

「5月15日に予定されたBCHのハードフォークの間、コインベースはBCHブロックチェーンの再編成(リオーグ)を検出しました。リオーグは、誤って“BTC”Segwitアドレスに送信されたBCH資産をターゲットにしていました。」

再編成には、2つのマイナー間のハッシュパワー闘争が伴いました。結果的に3655 BCH(1.5億円相当)が正当な受信者に、216 BCH(9,000万円相当)がunknownアドレスに送られました。BCHのマイナー「BTC.top」は、不正に使用された資金を正当な所有者に返還しました。コインベースは、BTC.topの判断を高評価している様です。

「BTC.topが、ユーザーが誤って失ったBCH資産を回収するため、技術的ソリューションを導き出し、...送信者が意図した受取人にコインを送る事を選択した事は驚くべきことです。」

BTC.topが介入した理由は、不当なマイナーが盗んだ資金を自分のアドレスに移そうとしたためです。BTC.topは、主要なBCHマイニングプールの1つで、そのハッシュレートの約10%を占めます。

一方で、盗まれた資金の回収プロセスにおいてBTC.topが「ブロックチェーンの不変原則」を無視したと批判する者も多くいます。

コインベースにとって、BCHはプラットフォームでサポートしている資産の一つです。コインベースはハードフォーク/攻撃の間に起きたイベントについて、以下のようにまとめています。

BCHのハードフォーク

BCHのアップグレードは、5月15日午前5時(太平洋時間)に行われ、主に次の2つの変更が含まれました;

1、シュノア署名の有効化;シュノア署名は、スケーリングソリューションを可能にする暗号化署名システムです。

2、セグウィット(Segwit)による回復の許可;Segwitは、BTCネットワークでは有効でBCHネットワークでは無効なアドレス形式です。BCHコインは時々Segwitアドレスに送信されます。アップグレードにより、これらのコインのステータスはBCHマイナーが請求可能となるように変更されました。

ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークは、攻撃者がブロックチェーンの脆弱性を悪用したために一時停止しました。

ハードフォーク後のイベント

午前5:00 (PT)、BCHのアップグレードの実行。マイナーはアップグレード後のルールセットの下、最初のブロック582680から、新しい合意ルールでブロックを生成を開始。

午前5時20分から午前9時5分の間、メインのBCH実装「Bitcoin ABC」の脆弱性が悪用される。マイナーが空のブロックを作成し、「BCH mempool(未承認取引のプール)」が蓄積された。この間、アップグレードされていないBCHチェーンが、新しいブロック582680で拡張(分岐)された。

ABCの脆弱性に対するパッチが適用されると、直後に2つのブロック「582698と582699」が、"unknown"と "Prohashing"の2つのマイナーによって採掘される。unknownマイナーが採掘したブロック「582698」には、1000個以上のSegwitアドレスから複数の取引が含まれた。

ソース:BitMexブログ

午前9時10分、2つのブロックチェーンの再編成(リオーグ)を観測。「582698と582699」のブロックは、BTC.topとBTC.comによって採掘された「582698から582701のブロックを含む、より長いチェーン」によって孤立(無効化)した。

582701には、孤立(オーファン)ブロック582699に含まれるトランザクションの、単一の二重支払いトランザクションが含まれた。この二重支払いトランザクションはBSVネットワークからの“リプレイ“の模様。観測された他の二重支払いとは無関係。

午前10時5分、BTC.topがブロック582705を採掘。このブロックには、孤立ブロック582698が含んだ1278件のトランザクション(3655 BCH)が含まれたーこれは、28件のSegwitトランザクション(3792 BCH)へのインプットのほとんどを二重支払いしたもの。

午後12時53分、Unknownマイナーがブロック582715を採掘。このブロックには、孤立ブロック582698に含まれていた13件のトランザクション(216 BCH)が含まれたーこれは前述の28件のうち25件のSegwitトランザクションへのインプットを二重支払いしたもの。

二重支払いされたトランザクション総数は29件で、合計3796 BCH。以下3つのグループに分割された。

1:1件、ブロック582701 (4 BCH),。他の二重支払いに関係ないもの。
2:1278件、ブロック582705 (3655 BCH)。BTC.topにより、Segwitアドレスから正当なBCHアドレスに戻された。
3:13件、ブロック582715 (216 BCH)。Segwitアドレスから“unknown”マイナーが制御するBCHアドレスに移された。

ブロック582705で二重支払いされたBCHは、当初意図された受信者に送られました。コインベースは、以下のように結論付けました。

「これは582705のマイナーBTC.topが、無効なSegwitアドレスから“有効なBCH相当”を引き出せたことを意味します。一方、孤立ブロック582698とメインチェーンブロック5827015で“unknown”マイナーは、無関係なアドレスに資金を送った。BTC.topは代わりにそれらの資金を元々意図された受取人に送ることにしました。」

ハッシュパワー闘争

Segwitアドレスに送信されたBCHコインを請求するため、マイナー間でハッシュパワー闘争がありました。また、ブロック内のデータに基づくと、メインチェーンブロック582715のマイナーは、孤立ブロック582698のマイナーと同じと考えられています。

Segwit回収メカニズムは、公開鍵を集めるか、BTCブロックチェーンに記録されたスクリプトデータのロックの解除によって機能します。これらの情報は一般に公開されているため、競争状態が発生します。BTC.topマイニングプールがSwgwit回収プロセスを実行する前に、unknownマイナーがSegwitのBCHコインを使用しようとしました。

「BTC.topが、ユーザーが誤って失ったBCH資産を回収するための技術的解決策を導き出し、自分たちのためにファンドを請求するのではなく、目的の受取人にコインを送ることを選択したことは驚くべきことです。」

仮想通貨の最新情報をお届けします!

人気記事ランキングまとめ

もっと見る