COIN TOKYO

  • 2019/06/21
  • 2019/06/21
  • 雨弓

BCHのハードフォークはフルタイムビットコインキャッシャーにどのような影響を与えたのか?│『ビットコインキャッシュの革命』の著者・雨弓さん対談

対談企画

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この度はLongHashのマネージャーであり『ビットコインキャッシュの革命』の著者でもある雨弓さんと対談を行いました。BCHのハードフォークがフルタイムビットコインキャッシャーに与えた影響について、詳しくお話を伺いました。

雨弓(あめゆみ) (Twittrt ID = @rain_vc)
1991年生まれ。長野県伊那市出身、早大卒。本名は北原弘司(きたはら こうじ)。貿易商社のマネージャーとして在職中、海外送金の経験を通してBCHの虜になる。退職後、日本初のフルタイムビットコインキャッシャーとしてnembarなどの店舗へのBCH決済の導入や、初心者向けのセミナーなどの普及活動を行う。2018年の8月には「ビットコインキャッシュの革命」を出版しAmazonベストセラーに。2019年2月からHuobi Japan株式会社にてマーケティング業務に従事。同5月より株式会社LongHashのマネージャー。



―コイン東京
雨弓さんと言えばBCHの普及活動を行う「フルタイムビットコインキャッシャー」として活躍されていますよね。


―雨弓氏
そうですね、まず今日の意見は全て個人の見解として述べさせていただきますね(笑)元々貿易商社にいた時に海外送金をした経験からBCHの利便性、革新性に惹かれて2017年秋頃から普及活動をしていました。

1年程活動して、2018年の11月のハードフォークでBCHがBCHとBSVに分裂した所から大きく方向性を変えましたね。ハードフォーク直後はリプレイプロテクションが付いていないことから、BCH決済を導入してくれた店舗へ決済停止のお願いしたりしているうちに段々と意識が変わってきました。

アダプションを目指していましたが、まだまだ発展途上である現状で実際にP2Pで使うには難しいシロモノだと感じるようになりました。

ビットコインキャッシュインタビュー



―コイン東京
具体的にはどういったところが難しいでしょう?


―雨弓氏
例えばBCHに関しては2019年の5/15にもハードフォークをしましたが、その際に前回のハードフォーク時に残っていたバグを突かれて2時間程度ブロックにtx(トランザクション)がほぼ取り込めない状況になりました。

すぐに対応パッチが当てられて問題自体は解決しましたが、ユーザーからしたら「もしかしてハードフォークが失敗してしまったのでないか」と恐怖を感じた人もいるかもしれません。

また実際にウォレットの取扱いや送金に関しては慣れていない人が多く、実際に使用するには開発環境的にも体感的にもまだまだハードルが高いと思います。

2018年秋に行われたクリプト超会議にて登壇しウォレットや決済について語る雨弓さん
2018年秋に行われたクリプト超会議にて登壇しウォレットや決済について語る雨弓さん



―コイン東京
確かに送金や決済を実際に行っている人はまだまだ一部というイメージです。


―雨弓氏
興味がある人やセキュリティ意識の高い人でなければ、暗号資産は取引所に置きっぱなしでしょう。この辺は今ちょうど「PayPay」「LINE Pay」などの決済・送金サービス業者が覇を争っているので、「お金=形あるもの」という認識が薄まってくればもっと暗号資産自体の流動性は上がってくるかもしれませんね。

実際ブログ(https://alis.to/rainbooow48/)でも書きましたが、支払い機能に関しては中央が管理するSuicaやQRコード決済の便利さ・即時性にすぐにパブリックチェーンが勝つのは難しい事です。ブロックチェーンはなんでも解決する万能薬では有りませんし。

2018年の4月に行われた大阪でのBCHセミナー
2018年の4月に行われた大阪でのBCHセミナー



―コイン東京
2018年の秋のハードフォークではBCHのチェーンが分裂したりBTCの値段が大きく下がったりと大混乱がおきましたね。ちなみに雨弓さんはABCとSVのどちらを推しているのでしょうか。


―雨弓氏
BCH派ですが、BSVも好きですよ。極度さんも書いてましたけど(https://alis.to/superparanoid/articles/) BCHは常に面白い取り組みをしていますし、BSVはブロックサイズをガンガン大きくしていて両者のアプローチにはワクワクしています。

BSVの開発を主導するnChainの特許もチェックしましたけど、トークナイゼーションからスマコンによる定期的な送金の自動化などコツコツ抑えていってる気はしますね。

ただしSHA-256を共有するBTC、BCH、BSVの価格はセキュリティとほぼ直結です。2019年の6月現在は価格比でBCHが5%、BSVは2%というレベルです。今の価格は問題ではないという人もいますし私も短期では気にしていませんが、正直ハードフォークで失ったハッシュパワーは大きく、また開発者や支援者も減ったように感じています。

―コイン東京
ハードフォークに対しては賛否両論ありますよね。


―雨弓氏
私の資産が死ぬほど減少した点から言うとするべきでなかったと思います、資産全部BCHにしててそのままハードフォーク迎えましたから(笑)ただしこんなことが経験できることも暗号資産の面白さでもあると感じています。

日本円が分裂することは一生ないでしょうが、ビットコインの系譜は条件が揃えば簡単にチェーンが分岐してしまう。そしてそれをそれぞれの開発者、マイナー、支援者が応援するという構造はとても面白いです。ただし今までの概念の「お金」としては、危なっかしくてまともに使えたものではない。

それとハードフォークの時に強く感じたのは、本を書いてBCH界隈ではある程度有名になっても、自分が意思決定の『1票』も持ってないことです。非中央集権と言ってもみんなが平等に1票持って投票して物事を決めるのではなく、ハッシュパワーを持っている影響力ある人間や会社が方向を決めていく。

影響力、開発力、資金力、知識…何をとっても私は第一線にいない。プレイヤーではなく観客でした。普及活動と向き合ったことと、もっとパワーが必要だと感じたこともあって直近はBCHやBSVの普及ではなく、一度暗号資産全般の出入り口となる取引所への就職やブロックチェーンに熱狂できる企業への就職を考えました。

LONG HASHについて



―コイン東京
LongHashのマネージャー就任おめでとうございます。もしよければ、LongHashについても教えてください。


―雨弓氏
LongHashは ブロックチェーン技術を対象としたメディアの運営、イベントの開催、インキュベーションまで行うグローバルグループです。シリコンバレー、ベルリン、ツーク(スイス)、キエフ、シンガポール、香港、上海、東京など世界各地に拠点を構え、ブロックチェーンを使った事業・ビジネスの活性化と加速化を行っています。近いうちにドバイ、ソウルにも拠点を構える計画です。

LongHashのオフィスにて
LongHashのオフィスにて



―コイン東京
全世界に拠点を持っているのですね。日本のLongHashは直近でどんなことをやっているのでしょうか。


―雨弓氏
分かりやすいところでいうとイベントの開催ですね。今年だけでもPolkadotやTaraxaといった有望なプロジェクトやSTOについてなどのイベントを海外の拠点と連携して開催し100名近くの参加者を集めています。

またメディア運営も行っていますし、ブロックチェーンプロジェクトのサポートやコンサル、インキュベーションなども行っています。様々なパートナーを持ち世界各地に拠点があるので、幅広い業務が行えることが強みです。

2019年5月23日にニュートリノで行われた「IoT × ブロックチェーン」のイベント動画



―コイン東京
ありがとうございます。LongHashの今後のビジョンなども教えてください。


―雨弓氏
LongHashは今の社会の様々な問題に関してブロックチェーンを活用して解決していこうとしています。まだまだ新しい業界でユースケースは多くないですが、今後ブロックチェーンがより生活に身近になるように目に見える部分であれ影の部分であれ支えて引っ張っていく会社になると思います。

ちなみに個人的にはグループにスタンフォード大やトリリンガルの方ばかりで、ブロックチェーンはもちろん英語やビジネススキルももっと磨かなければいけないと震えています…(笑)

―コイン東京
この度はありがとうございました!

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