暗号資産とは仮想通貨の正式名称-今後予想される税制の動き等ニュースを詳しく解説

仮想通貨の最新情報を調べてみると、「暗号資産」という言葉がよく出てくると思います。

実際に仮想通貨の呼び名を新しく「暗号資産」へと変更する方針が閣議決定され、2020年6月までに施行されることが決まりました。

ちなみにG20をはじめとする国際会議でも仮想通貨を暗号資産という名称に変更しつつあります。

そのため、今後は暗号資産という言葉が主流になります。

今回はそんな暗号資産と仮想通貨に違いや名称変更で変わること、そして暗号資産の今後について解説します。


目次

暗号資産とは仮想通貨の2019年からの正式名称


これまでビットコインやイーサリアムなどは「仮想通貨」と呼ばれてきましたが、今後は「暗号資産」と名称が変更される予定です。

名称変更に至った経緯や、その理由を詳しく解説していきます。


これまでの経緯

2018年11月30日から12月1日にかけて、G20(金融・世界経済に関する各国首脳による会合)サミットが、アルゼンチンのブエノスアイレスにて開催されました。

ここでは主に

「公正で持続可能な開発のためのコンセンサスの構築」

というテーマのもと、貿易関係の緊迫化(米中貿易摩擦)や新興国経済の脆弱性等の下方リスクに直面する中、経済成長をどのように持続させていくか、などが参加していた各国首脳の間で議論されました。

その中で暗号資産については、国際基準に沿ったマネーロンダリング及びテロ対策のための規制強化、電子取引の影響によるデジタル課税への対処といった内容で話し合われました。

その話し合いの末、首脳宣言でも話し合われた内容が盛り込まれることになりました。

このように、国際会議場ではすでに「仮想通貨」ではなく

「暗号資産」

という名称が一般的になっています。

そうした状況の変化を受けて、金融庁が名称変更に至ったとされています。


暗号資産≠仮想通貨


それでは、暗号資産は仮想通貨そのものを指す言葉なのでしょうか。

厳密にいうと、暗号資産の意味合いは仮想通貨とは異なります。

暗号資産は仮想通貨のことを指すわけではない

仮想通貨を暗号資産と呼ぶことはあるものの、

暗号資産については仮想通貨とは呼びません。

暗号資産の場合ですと広義の意味を含んでいるため、仮想通貨は暗号資産の1つということになります。

仮想通貨はドルや日本円といった法定通貨と同じように、送金や売買などに利用することができます。

ですがいくら通貨とはいっても、実際の仮想通貨はブロックチェーン上のデータをさしています。

仮想通貨を「コイン」と呼んでも、実際の硬貨があるわけではない点が、法定通貨とは違う点です。


暗号資産の英語表現

暗号資産は、英語では

crypto asset(クリプトアセット)

と言います。

実際にリップルという文言を暗号資産は英語で「crypto asset」という一文を使用しています。

暗号=crypto、資産=assetとなります。

複数形ですと、crypto assetsと呼ばれます。

複数形にすることによって、ビットコインやリップルなど暗号資産全般を指すことができます。



・仮想通貨取引所など名称の変更は強制ではない

金融庁では変更される方が望ましいながらも、仮想通貨取引所から暗号資産取引所へ強制的に変える必要はないとしています。

今回の資金決済法の改正案では、個々の交換業者に暗号資産の呼び名を義務づける

強制力はありません。

自主規制団体の日本仮想通貨交換業協会も「協会名を変えるかどうか現時点では様子見の状況」としています。

ただ、暗号資産という名称が主流になった以上、今後はこの名称が定着していくでしょう。


暗号資産の税金、税制に関しては未だ雑所得扱い


国税庁では、暗号資産を雑所得として扱っています。

参考:国税庁HP「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」


https://www.nta.go.jp/

投資家の観点で考えると、分離課税が適用される株式やFXと比較して税制面で不利な投資商品ということになります。

分離課税制度の株式であれば、利益にかかわらず税率は最大20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)です。

一方で雑所得の暗号資産ですと、

最大で55%

(所得税45%、住民税10%)課税されることになります。

また雑所得であるために、損益計算もできません。


暗号資産を譲渡所得とみなすべきという議論も

参議院議員である藤巻健史氏は、国会にて暗号資産の税制を現在の「雑所得」から「分離課税(一律20%)」に変更する働きかけを行っています。

5月14日の参議院財政金融委員会において、日銀の黒田総裁による「支払い決済にはあまり使われておらず、ほとんど投機の対象になっている」との発言について次のように主張しています。

「日銀総裁も支払い手段ではなく値上がり益を目的にした資産と認めたのだから、国税庁は仮想通貨の税制上の取り扱いを現状の雑所得から譲渡所得に変えるべき」。

また、税制については次のように述べています。

「金融所得課税の一環として外貨預金の為替益を含めて損益通算が可能であり、源泉分離課税20%とするのが合理的ではないか」

藤巻議員は一貫して、支払い手段としては使用されていないので、実態に即して税制を変更するべきと主張しています。

財務省および国税庁は、暗号通貨は「雑所得」という見解を変更するつもりはないとしています。

しかし、暗号資産の税制について政府内はもちろん、企業の市場関係者や個人投資家などからさまざま議論が出ています。

実際に暗号通貨を雑所得としている経緯については示されていません。

金融庁への届け出が必要となったことから、

株式やFXのような税制が検討される可能性は十分にある

という見方をしている有識者や投資家も多いです。

今後金融市場の動向によっては、暗号資産の取り扱いに変換があるかもしれません。


暗号資産の確定申告について

具体的な暗号資産の確定申告のやり方については、以下のページにて解説されています。

損失確定のタイミングや税金計算など、投資家が知りたい情報がたくさん掲載されています。

仮想通貨の取り扱いについては難しいことが多いので、まずは目を通しておくといいでしょう。


仮想通貨から暗号資産へ~これまでの経緯~


ここでは仮想通貨が誕生してからの経緯について詳しく解説してきます。


ビットコイン・仮想通貨の誕生

2008年に

サトシナカモト氏

の論文がきっかけで誕生しました。

投稿から3ヵ月後には、この論文に基づいたソフトウェアが公開されました。

これが現在、代表的な仮想通貨となっているビットコインの始まりです。

2010年2月にはビットコインを取り扱う取引所が登場しました。

当時はまだ「仮想のもの」というイメージが強かったため、一部の人々の間で取引されていました。

しかし、数か月の5月に転機が訪れました。

あるプログラマーが「私のビットコイン10,000枚とピザを交換しないか?」というメッセージを仮想通貨の掲示板に投稿しました。

するとそれを見た別の人が、ピザ屋にLサイズピザ2枚(25ドル)を注文し、投稿したの自宅に届けさせ、ピザを受け取った人から10,000ビットコイン(BTC)を手に入れました。

これが仮想通貨を実用化した最初の事例と言われています。


アルトコインの誕生と仮想通貨バブル


ビットコインが普及するにつれて、送金に時間がかかる、ソースコードがオープンなのでコピーされやすい、といった課題や弱点が浮き彫りになりました。

それを受けて誕生したのがアルトコインです。

世界初のアルトコインとして、2011年4月に

ネームコイン

が誕生しました。

コインには、DNS(ドメインネームシステム)という機能が追加されました。

これはDNS機能のドメインを中央管理ではなくて分散管理するのが望ましい、という理由で考案されたものです。

それ以降、ライトコインやイーサリアムなど、さまざまアルトコインが登場することになります。

そんな仮想通貨にバブルが起こったのが2017年です。

同年12月17日、ビットコインの価格が高騰し

1BTC=200万円を突破

しました。

2009年にビットコインが誕生してから緩やかに推移していた価格が一気に高騰したため、ビットコインはバブルであるとの見解が示されるようになりました。

これに影響されたことで、イーサリアムやリップルなど他のコイン価格も同様に高騰しました。


バブルの崩壊後の暗号資産と金融庁の関係

しかし、そうしたバブル状態は長くは続きませんでした。

2018年1月にビットコインの大幅な下落が起こりました。

2017年末には1BTC=約220万円だったものが約100万円と、

50%以上も下落

したのです。

他のアルトコインについても同様に価格が大幅に下落しました。

この時期はコインチェックでの

ネム

流出事件など、下落要因が起きています。

仮想通貨のシステムの脆弱性を受けて、各国における暗号資産の法規制が進められています。

仮想通貨の発祥であるアメリカでは、金融商品としての取引やICOへの規制が厳しくなりました。

アメリカと同じく暗号通貨大国である中国本土では、2017年9月にはICOを全面的に禁止。

仮想通貨の取引自体もほぼ禁止と、規制を強めています。

金融庁は暗号通貨を正式な決済手段として法律で定めており、各国同様国家レベルで容認することはしていません。

現在では強い規制は敷いていないものの、ICOなど今後の動向に注意する必要があります。


G20等国際的な動向を踏まえ名称が変更


G20サミットの例にあるように、国際社会においては「暗号資産(Crypto Asset)」という表現が主流であるため、国内でも正式に呼称変更することになりました。

金融庁が作成した仮想通貨交換業の研究会報告書によると、暗号資産とする理由として「法定通貨との誤認防止のため」であるとしています。

暗号資産についてはそもそも「通貨」の要件を満たしていないとの指摘がされています。

通過を定義する場合、次にある3つの貨幣の機能を持つことが条件になっています。

貨幣の機能


・価値尺度

・交換手段

・価値貯蔵手段

暗号資産の相場は価格の変動が大きく、通貨として使用するには問題があるという課題があります。

価値貯蔵手段で見ても取引所がハッキングされる危険性があります。

ビットコイン、イーサリアム、リップルなどの主要通貨は投機的手段として売買され、今後は先物取引やETFなどでも展開されることが注目されています。

こうした状況から、「仮想通貨」ではなく「暗号資産」のほうが実態に即しているということで名称が変更されました。


まとめ~暗号資産の歴史と未来


政府の方針を見ると、日本国内では暗号資産が証券などの他の金融資産と同じ位置づけになっていくと考えられます。

技術的に見ると暗号資産は未成熟であり、発展途上の段階にあります。

一時は価格が暴落し、一部の投資家の間では終わりとの見方がありました。

しかし2019年6月22日時点では

1BTC=およそ115万円

となり、再び暗号通貨への注目度が急上昇しています。

今後の成長については投資家の増加や技術の進展、そして中央政策の対応カギとなるでしょう。

興味のある方は、まずは小額から暗号資産投資を始めてみてはいかがでしょうか。



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