ボックス相場はレンジ相場とも呼ばれ、一定の範囲内で細かく値動きを繰り返すのが特徴です。ボックス相場になると、細かい値動きはあるものの目立ったトレンドは確認されず、チャートは横ばいになります。
ボックス相場で利益を出すためには、サポートラインとレジスタンスラインを見分ける必要があるでしょう。この2つはとても重要なラインなので、以下でしっかりチェックしておいてください。
レジスタンスライン/サポートラインとは-引き方や自動表示するインジケーターも紹介
なお、ボックス相場ではなく価格が上昇または下降し続けている状況のことを「トレンド相場」と呼びます。実際に投資する場合はまず、投資したい銘柄のチャートの動きが「ボックス相場(レンジ相場)」と「トレンド相場」のどちらにあるのかをチェックしましょう。
ボックス相場とトレンド相場の特徴は以下の通りです。
いずれの状況もチャートを見ると比較的わかりやすいので、投資したい銘柄がどちらの状況になっているのかを判断するのは比較的容易だといえるでしょう。
チェックした結果、「ボックス相場」であると判断できたら今回紹介するトレード手法が役立つ可能性があります。
ボックス相場で投資し、利益を出すためには「ボックス理論」というものを理解しておく必要があります。いくつかのポイントを押さえておくだけで利益を上げやすくなるので、しっかりチェックしておきましょう!
ボックス相場になると一定の範囲で上下を繰り返します。その際、ボックス圏の下限にサポートライン、上限にレジスタンスラインが形成されるので、実際にチャートにラインを引いておきましょう。
価格推移のレンジをしっかり理解しておくことがボックス相場で利益を上げるコツなので、ラインを引いて視覚的にわかるようにしておくのがオススメです。
投資の基本は「安く買って高く売る」なので、ボックス相場における買いのタイミングは価格がサポートライン付近にあるときといえるでしょう。
前述の通りしっかりチャートにサポートラインを引いておけば、買いのタイミングがわかりやすくなるでしょう。
価格がサポートライン付近にある場合は買いですが、逆にレジスタンスライン付近にあるときは売りのタイミングといえます。こちらもチャートのしっかりラインを引いておきましょう。
ボックス相場におけるトレードの基本は、「サポートライン付近で買ってレジスタンスライン付近で売る」というものです。
ボックス相場でのトレードに役立つテクニカル指標の1つに「RSI(Relative Strength Index)」というものがあります。RSIとは以下のような指標です。
上記のように、30%以下になったときは売られすぎなので買いのサイン、70%以上になったときは買われすぎなので売りのサインと判断することができます。
したがって、価格推移と合わせてRSIをチェックすることでよりトレードの判断がしやすくなるでしょう。
とはいえ、いつまでもボックス相場が続くわけではありません。いつか上下どちらかにブレイクアウトするので、これに注意してください。出来高をチェックしつつブレイクアウトを予想する方法もありますが、予期せぬタイミングでブレイクアウトすることもあるので注意が必要です。
予想していないときにブレイクアウトが発生した場合、大きな損失が発生する可能性があるので、ストップロスの注文を出しておくなどして対策しましょう。ボックス相場でトレードする時には逆指値を利用したストップロスを設定し、安全にトレードしてください。
次にボックス相場にある銘柄を探し出す方法について見ていきましょう。投資したい銘柄の状況がボックス相場なのかトレンド相場なのかを判断したい場合は、以下を参考にしてみてください。
ボックス相場にある銘柄を探す場合、「移動平均線」と「ボリンジャーバンド」の2つのインジケータを利用するのがオススメです。使い方は以下の通りです。
各種インジケータを表示できるチャートを利用すれば、移動平均線もボリンジャーバンドも簡単に表示させられます。そのため、まずはこの2つを表示させてみましょう。
ボックス相場になっている場合、この2つの指標はいずれも横ばいになりやすいのでチェックしてみてください。また、ボリンジャーバンドは幅が狭まってくるので、合わせて確認してみましょう。
最後にボックス相場でテクニカル分析を活用する方法について紹介します。ボックス相場でのトレードで利益を出したい人は、以下を参考にしてください。
最もポピュラーな指標の1つでありながら、ボックス指標における売買タイミングを調べるのに役立つのが「移動平均線」です。
前述の通りボックス相場時の移動平均線は横ばいになりやすいものの、ローソク足が移動平均線の上下のどちらにあるかである程度値動きを予測することができます。
ローソク足が移動平均線の上にある場合は価格が下落に転じやすく、逆に下にある場合は上昇に転じやすいと判断できるでしょう。ただし、ボックス相場はいつかブレイクするので十分に注意してください。
先程少し紹介したRSIもボックス相場でのトレードに役立ちます。
RSIが30%を下回ったら売られすぎなので買い戻しの動きが強まり、価格が上昇しやすくなるでしょう。
逆に70%を上回った場合は買われすぎなので売り圧力が強まり、価格が下落しやすくなります。
この特徴を押さえておけばボックス相場におけるトレードの勝率を高められるかもしれません。
ボックス相場でのエントリーセオリーは次の通りです。
このように、ボックス相場は一定のレンジで細かい上下を繰り返すので高値をマークした時に売り、安値をマークした時に買いというパターンでトレードします。
この判断の助けになるのがテクニカル指標なので、しっかり分析していきましょう。
ボックス相場でトレードするときには両建て(売り買い両方にエントリーすること)も有効なトレード手法です。
両建てのやり方は次の通りです。
このようにエントリーすることによって、予想外の動き(ブレイクアウトなど)をした場合でも損失が拡大するのを防ぐことができるでしょう。
予想通りに相場が動いた場合は両建てしていたポジションを損失が出ないタイミングで決済します。そのため、こちらも損失を出さずに済みます。
したがって、予想通りに相場が動いた場合は「買いポジションで出た利益を入手し、売りポジションは利益・損失ともに無い状態で決済する」ことになるでしょう。そのまま利益をゲットできるのでとても有用な手段です。
逆にブレイクアウトして上昇トレンドに移行した場合は、「買いポジションで出た利益=売りポジションで出た損失」となるためプラスマイナスゼロになり、大きな損失を出すことを防げます。
リスクヘッジに役立つ手法なので、しっかり覚えておいてください。
今回はボックス相場(レンジ相場)の特徴とエントリーセオリーを見ていきました。ボックス相場は一気に大きな利益を上げられるものではありませんが、安値で買って高値で売るを繰り返すことによって徐々に利益を積み上げられるでしょう。
ブレイクアウトしない限り利益を出しやすい相場状況なので、テクニカル指標などをうまく活用して有利にトレードしてください。
仮想通貨やFX、株式市場ではトレンド相場にある期間よりボックス相場にある期間の方が長くなりやすいので、トレードセオリーをしっかり覚えておけばより効率的に利益を出せるでしょう!
20代男性、都内有名大学卒業後、貿易会社を経て独立。前職中に暗号通貨にハマる。現在はweb関連事業を行う傍ら、仮想通貨やFXトレードも兼業。好きなものはガジェット、ゲーム、自転車。暗号通貨や相場のことを分かりやすく説明することを得意とする。