COIN TOKYO

  • 2019/08/24
  • 2020/06/26
  • コイン東京編集部 ライター兼トレーダー 佐藤希

逆三尊/三尊天井/三山とは-FXで注意すべき否定(だまし)やチャートの読み方を解説

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逆三尊/三尊天井/三山とは-FXで注意すべき否定(だまし)やチャートの読み方を解説-仮想通貨ニュースサイト コイン東京
仮想通貨やFXなどにおいて、トレンドが転換して価格が上昇/下降する際に出現するシグナルに逆三尊/三尊天井/三山があります。テクニカル分析において非常に重要な指標なので、しっかり覚えておきましょう。

逆三尊・三尊天井・三山とは-チャートの注目ポイントや否定等を解説

逆三尊・三尊天井・三山とは-チャートの注目ポイントや否定等を解説

仮想通貨や株式相場、FXなどでトレンド転換する場合、チャート上に「三尊天井(トリプルトップ)」「逆三尊(トリプルボトム)」と呼ばれる形がしばしば登場します。

相場解説などでもよく出てくる三尊天井・逆三尊のパターンは、トレンド転換のサインとして重要視されています。

このパターンをマスターすることは、トレーディングの際の強力な武器となるはずです。

この強力なトレンド転換のサインを勉強する前に、「そもそも三尊とは何か?」簡単に解説しておきます。

三尊とは、阿弥陀三尊のことを意味しており、阿弥陀如来像の両脇に観世音菩薩像(右)、勢至菩薩像(左)のことを言います。

ちなみに、観世音菩薩とは阿弥陀如来の「慈悲」の化身であり、勢至菩薩は同じく「智慧」の化身と言われます。

この三尊の形(パターン)が相場に現れるとトレンド転換の可能性が高まるという、相場とは何とも不思議な世界でもあるようです。

トレーディング以外でも利用できそうなパターンですね。

価格が上がる時/下がる時に出現する

三尊天井や逆三尊は、基本的に相場のトレンドが転換する際に出現します。

三尊(三山・トリプルトップ):上昇トレンドにある価格が高値をつけ下落に転じる直前に出現する
逆三尊(トリプルボトム):下落トレンドにある価格が安値を付け上昇に転じる直前に出現する

三尊天井、逆三尊のパターンを狙っている投資家は非常に多く、高値圏・安値圏では特にその出現が待ち焦がれます。

逆三尊とは-底を3つ描き、2つ目の底が1番低いチャート

逆三尊とは

逆三尊とは、相場の底値圏などで3つの底をつけ、真ん中(2番目)の底(谷)が一番深くなっているのが特徴です。

阿弥陀三尊の中央に位置する阿弥陀如来像が最も大きな(高い)像であるのと同じ形です。

逆三尊底となるチャートの動きに注目

逆三尊が出現する場合、相場は基本的に底値を探る展開となっており、売り圧力が強くなって価格が急落し、下げ過ぎた反動から買戻しの動きによって上昇するという動きを繰り返して自然に逆三尊が形成されます。

簡単にまとめると、逆三尊出現の場合には以下のようなチャートの動きが見られます。

・価格が底値圏まで下落してくる
・すでに下落している価格がいきなり急落する
・売られすぎの反発から買戻しが入り、一時的に価格が上昇する

逆三尊のチャートの形とその後

実際に逆三尊が出現した際のチャートを見てみましょう。

注目すべきは、チャート上に逆三尊が出現した場合には、単なる反発ではなく、下落トレンドから上昇トレンドに転換する可能性が高いということです。

つまり、これでもかと下値を確認したうえでの上昇となりますので、下値不安が少なく買い安心感につながりやすく上昇トレンドが発生しやすくなります。

ただし、その分「ダブルボトム」に比べると出現率は少なくなります。

逆三尊のダマシ(否定)とは

逆三尊の否定(だまし)とは

多くの投資家が血眼になってその出現を監視している逆三尊ですが、逆三尊らしきパターンが出現したものの、トレンド転換することなく、つまりダマシに終わるケースもあります。

よくあるケースとしては、逆三尊から上昇トレンドに転換することなくレンジ相場に突入する形です。

ダマシ(否定)を避けるためには、ネックラインを引いておき、ネックラインをブレイクしたらトレンド転換、ネックラインがそのままレジスタンスラインとなる場合にはレンジ相場、もしくは下落相場と考えるとよいでしょう。

ネックラインが、それまでに何度も相場の転換点となった価格帯にある場合には、上記の傾向はより強くなります。

もちろん、他のテクニカル分析を併用してより精度を高めることも重要です。

最近では、逆三尊にボラティリティを組み合わせる手法がよく使われており、ボラティリティが高いままであればダマシの可能性が高く、低下していれば上昇トレンド転換の可能性が高まります

逆三尊を形成した実際の銘柄でチャートの動きを解説

逆三尊を形成した実際の銘柄でチャートの動きを解説

チャートは2019年11月から2020年2月にかけてのビットコインの日足チャートで、2019年12月に安値を付けた際にきれいな形での逆三尊が形成されています。

この時には、ビットコインは2018年12月の安値30万円台を目指すのではという不安もありましたが、逆三尊を知っていれば、強気に買い向かっていけたところです。

このチャートでは、ネックラインは2本あります。

まず下のネックラインですが、ここでは逆三尊はまだ出現していません。

しかし、すでにダブルボトムの形を成しており、逆三尊の出現を予測していた投資家も多かったのではないでしょうか?

そのような状況で、赤い矢印の部分(2019年19月安値)の価格帯は11月以降も節目となっている価格帯でここを抜けたところから上昇トレンドがスタートし、逆三尊が出現しています。

次に2本目(上の)ネックラインですが、ここは底値からの戻り高値の価格帯で逆三尊の形成を見てエントリーできるポイントです。

青い矢印に注目してほしいのですが、2本目のネックラインにワンタッチして上昇しており、ここは絶好のエントリーポイントとなります。

つまり、2本目のネックラインがサポートラインとなったわけで、これでダマシの可能性も極めて少なくなり、上昇トレンド転換が大きく期待されます。

その後も緑色の矢印では押し目も比較的浅く、2020年2月に黒い矢印のある115万円弱まで上昇していくことになります。

余談ですが、この翌月の3月にコロナショックにより逆三尊の上昇トレンドは打ち消されてしまいますが、簡単に引き延ばしたチャートで解説しておきます。

上記のビットコインの日足チャートを引き延ばしてみました。

今回の逆三尊からの上昇トレンドは2020年2月の115万円台で終了しています。底値から43万円以上の上昇ですので十分な上昇トレンドであったわけですが、この115万円というのは、フィボナッチリトレースメント61.8%の手前で頭をきれいに抑えられています。

つまり、今回の上昇トレンドが115万円で終わったことで、2019年12月の71万円台の底値は、2019年6月高値150万円からのエリオット波動修正(下落)a波の終わり、イコールb波の起点となったわけです。

2020年2月高値の115万円はc波の起点ということで、エリオット波動からはコロナショックとまではいわないまでも、下落トレンドが予想されていたのです。

すでに、新型コロナウィルスの発生は伝えられていましたので、日柄調整もしくは値幅調整はある程度予測できたはずです。

三尊天井(三山)とは-3つの山を描き、2つ目の山が1番高いチャート

次に三尊天井です。

考え方は逆三尊とほぼ同じですが、それまでの上昇トレンドから下落トレンドへの転換を教えてくれますから、投資家にとっては最もおいしいサインといってもよいでしょう。

三尊天井とは

三尊天井とは

前述の通り、三尊天井とは逆三尊の逆パターンで、3つの山のうち真ん中の山が一番高いチャートの形で、高値圏内で形成されます。

三山とは

三山とは

三尊天井と混同されることもありますが、三山とは、正確には3つの同じ高さの山が出現するチャートの形です。

三山の出現も上昇トレンドから下落トレンド転換を示唆します。

三尊天井(三山)のチャートの形

三尊天井(三山)のチャートの形

最もおいしい売買タイミングを教えてくれる三尊天井には、多くの投資家の注目が集まりますが、実際の相場では、阿弥陀三尊像のように絶妙のバランスでチャートが形成されるわけではありません。

基本的には、高値圏内で3つの山が形成されたら三尊天井もしくは三山の可能性を考えるようにしましょう。

とりわけ、エリオット波動や一目均衡表など他のテクニカル分析で高値をつけた可能性がある場合には、ネックラインブレイクから下落トレンドが始まる可能性が高くなります

三尊天井だまし(否定)とは

逆三尊同様、三尊天井にもダマシ(否定)は存在します。

三尊天井のダマシ(否定)とは、三尊天井からネックラインをブレイクしたものの、下落トレンドへ転換することなく、三尊の高値を更新し上昇トレンドが継続となります。

このようなケースで大きな損失を避けるためには、三尊の高値より少し上のところにストップロスを置くようにしましょう。

三尊天井を形成した実際の銘柄でチャートの動きを解説

三尊天井を形成した実際の銘柄でチャートの動きを解説

チャートは、直近(2020年6月24日時点)の日経225先物の15分足チャートです。

デイトレードなどで利用する15分チャートにもしっかりと三尊天井が形成されています。

日経225先物は、6月23日15時から翌24日早朝にかけて三尊天井を形成しています。

15分という短いチャートですが、ダブルトップとしてもトレードできますし、三尊天井形成を確認することでより精度の高いトレードとなりました。

まず、6月24日早朝時間の矢印のポイントでネックラインをブレイクしたところがエントリーポイントとなります。

その後、東京市場がオープンし、いったんは上昇した日経225先物ですが、同じく矢印(右)で頭を抑えられ、短期の下落トレンドが始まります。

つまり、ネックラインがレジスタンスラインとなったことで、このポイントは絶好のトレードチャンスとなったわけです。

デイトレードであれば、充分な利益が狙えるトレードとなりました。

仮想通貨FXなどでの逆三尊・三尊天井のエントリーポイントや注意点

仮想通貨FXなどでの逆三尊・三尊天井のエントリーポイントや注意点

仮想通貨FXなどで、逆三尊や三尊天井が見られた場合のエントリーポイントや注意点についてまとめておきます。

エントリーの基本はネックラインをブレイクアウトしたとき

エントリーの基本はネックラインをブレイクアウトしたとき

逆三尊・三尊天井ともに、エントリーポイントは「ネックラインをブレイクアウトしたポイント」となります。

上記のチャートのように、いったんブレイクした価格がネックラインまで戻ってきて、ネックラインがレジスタンスライン(サポートライン)となる場合も同様です。

ただし、特に高値圏内での三尊天井はネックラインをブレイクしたところから急落することも多くあります。

ダマシに注意

他のテクニカル分析同様に、ダマシには注意しましょう。

特に、ブレイクしたネックラインを再び上抜く(下抜く)場合には、トレンド継続の可能性がありますので、前の高値あたりでは確実にロスカットするようにしましょう。


ダマシに引っかからないために高値圏でエントリーする方法もある

高値圏でエントリーする方法

ダマシに引っかからないために高値圏・底値圏でエントリーするという方法もあります。

この方法では、山や谷で価格が反発したタイミングでエントリーします。例えば、真ん中の山や谷で高値(安値)をつけたのに、MACDなどが逆行(ダイバージェンス)している場合など、三番目の山や谷で三尊・逆三尊を想定しエントリーします。

前の高値(安値)から少し上(下)のポイントにストップロスを入れておきます。

仮に、ダマシにあった場合でも損失は最小限に抑えられます。

トレンド継続に注意

逆三尊・三尊天井で最も注意すべきは、トレンドが継続しているケースです。

トレンド転換とはならず、レンジ相場への移行となれば助かる可能性もありますが、トレンド継続の場合には大きな損失につながる恐れがあり、十分注意したいところです。

逆三尊・三尊天井・三山などをうまく見極めて利益を出そう!

今回はトレンド転換のシグナルとして重要な逆三尊・三尊天井・三山などを詳しく見ていきました。いずれのポイントも極めて重要なので、しっかりチェックしておくことをオススメします。

ダマシに注意する必要があるものの、これらのシグナルとエントリーポイントを覚えておけばトレードの勝率を上げられるでしょう。チャートをチェックする際は、他のテクニカル指標と合わせて逆三尊・三尊天井・三山などにも注目してください。

なお、よく似た相場転換のシグナルに「ダブルトップ・ダブルボトム」というものもあるので、あわせてチェックしてみましょう。

















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