グランビルの法則とは、投資対象物のローソク足チャート(価格)と移動平均線の2つを指標としてエントリーするタイミングと方向を判断するものです。暗号資産、株式、FXなどの幅広い投資で使える法則なので、しっかり覚えておきましょう。
グランビルの法則を投資判断に役立てる場合、見るべき指標はローソク足チャートと移動平均線の2つです。この2つの要素を総合的に判断し、どちらの方向にどのタイミングでエントリーするかを判断しましょう。
詳しい法則については後述するので、ぜひ判断に役立ててください。
グランビルの法則でチェックするのは、チャートと移動平均線なので、チャートソフトを利用する際はインジケータに「移動平均線(Moving Average)」を設定しておきましょう。
インジケータを利用して移動平均線を表示させる場合、移動平均線の期間を選択する必要があります。移動平均線には5日・25日・75日・100日・200日のようにさまざまな期間のものがあるので、トレード手法に応じて最適な期間のものを設定しましょう。
主な選び方は次の通りです。
グランビルの法則をトレードに活用する場合、考えるべきなのは「市場に参加している多くのトレーダーが意識している指標を探す」ということです。意識するトレーダーが多ければ多いほど指標の信頼性が増すので、トレードの勝率を上げられるでしょう。
次に、ローソク足チャートの時間足の設定について見ていきましょう。こちらもトレードのスタイル(デイトレードや長期保有など)によって異なるので、以下を参考にしてください。
1分足~15分足などの短時間足でもグランピルの法則に従う動きはよく見られます。しかし、長時間足になればノイズが少なくなる分、よりトレードの勝率を上げられるでしょう。ダマシなどのノイズが発生することがあるということをしっかり覚えておくようにしてください。
初めてグランピルの法則を活用する場合、長時間足を利用して動きの特徴を掴むようにするのもいいかもしれません。
続いてグランビルの法則を実際のトレードに役立てる方法について紹介します。うまく活用すればスキャルピングやデイトレードなどの短期トレードでも利益を出せるので、しっかり覚えておきましょう。
スキャルピングでは1分足・5分足などの短期チャートをチェックします。短期チャートはノイズが多いものの、上記の例のようにグランビルの法則に従った動きが見られることもあるでしょう。上記のチャートでは以下のような動きになっています。
このようにグランビルの法則にしたがった動きも見られるものの、ダマシを始めとするノイズも出現しています。
そのため、出来高などをあわせてチェックするなどして、ダマシの可能性が高いのか低いのかをチェックするのがオススメです。また、複数の移動平均線をチェックしたり、ダウ理論を併用したりするという方法もあります。
これらの方法をうまく使用してダマシを判別し、損失を回避していきましょう。
上記はBTC/USDの1時間足チャートです。ここでもグランビルの法則にしたがった動きが多数見られます。注意が必要な動きや、ダマシなどもありますが、ストップロスの設定をしっかりしながら原則に従ってトレードすれば勝率はそれなりといえるでしょう。
この場合も出来高などを参考にしつつ、より勝率が上がるようにしていってください。
グランビルの法則を利用してトレードする場合、上記の基本的なポイントをしっかり押さえておいてください。原則に従ってトレードすれば勝率を上げられるでしょう。ただし、ダマシの可能性が高いと判断した場合やトレンドがわかりにくい場合、はっきりとした動きが見られない場合は様子見した方がいいかもしれません。
勝率を上げるためには、実践を積み重ねるのが重要なので実際にトレードしながら学んでいきましょう!
グランビルの法則は使えない・使いにくいという話もよく聞きます。ここでは実際に使えるのかどうなのかについてチェックしていきましょう。
「グランビルの法則で導き出されるエントリーポイントにはダマシが多い」といわれることがあります。実際にダマシが出現することは多いため、以下のような対策をしましょう。
移動平均線を1本だけでなく、複数本表示させるようにすると勝率を上げられます。5日移動平均線と25日移動平均線のように複数本表示させ、2本の移動平均線が離れていないタイミングでグランビルの法則が当てはまるポイントを探してください。
複数本の移動平均線が近接している場合、ノイズ要素が少ないと判断できるのでダマシに引っかかる確率を下げられるでしょう。
移動平均線は現在価格に比べて遅延するという特徴があるため、現在価格でみると上昇トレンドだと判断できるものの、移動平均線でみるとまだ下降トレンドになっているということもあります。
そのため、転換ポイントを見極めるのが難しいと感じることが多いでしょう。グランビルの法則では移動平均線の方向をそのままトレンドの方向として判断するので、転換点を見逃して損失が出ることがあります。
したがってグランビルの法則だけでなく、トレンドラインや一目均衡表、ボリンジャーバンドをはじめとする別の指標も合わせて使ってみてください。
グランビルの法則において、短期売り/短期買いのタイミングを見極めるためにはオーバーシュートが発生したタイミング(移動平均線からチャートが大きく離れたタイミング)を狙います。
しかし、どれくらい離れればオーバーシュートになるのかという明確な指標はありません。オーバーシュートだと判断しても転換せずにそのままトレンドが継続することもあるので、判断が難しいと感じるでしょう。
リスクを下げるためには、移動平均線からどれくらい離れたらオーバーシュートと判断するかの乖離率を上げる必要があります。しかし、そうするとエントリーポイントが少なくなるので、タイミングを逃しがちです。
リスクとエントリーポイントの数を考えた上で、乖離率がどれくらいになったらオーバーシュートと考えるのかを判断しましょう。また、オーバーシュートと判断するための乖離率を決めたら、その乖離率に達するまでエントリーしないようにしましょう。
そうすることによってエントリータイミングの判断ミスによる損失を減らせるでしょう。
グランビルの法則と合わせて使うと効果的なのが「ダウ理論」です。ダウ理論を併用する場合、トレンドの方向に乗ったエントリー(トレンドフォロー)を意識するといいでしょう。
上記のチャートはグランビルの法則から導き出されるエントリーポイント「移動平均線を上抜けたポイント」だけでなく、ダウ理論によるエントリーポイント「戻り高値を突破したタイミング」を意識したエントリーです。
グランビルの法則にもダウ理論にもダマシの可能性があるものの、このように2つの指標を併用することによって信頼性が上がり、ダマシに引っかかる可能性を減らせるでしょう。
ダマシに引っかからないためには「指標の信頼性を向上させる」ことが大切なので、2つ以上の指標を併用するなどして対策してください。
ダウ理論については以下の記事も参考にしてください。
ダウ理論とは-FXのトレード手法をわかりやすく解説+おすすめのインジケーターや本も紹介
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グランビルの法則に限らず、移動平均線やMACDに関して詳しく学べる書籍。移動平均線の見方を学びたいなら必見! |
グランビルの法則は非常に有名な法則であり、株式投資やFXに関連する書籍、テクニカル分析を解説する書籍には必ずといっていいほど掲載されています。
その中でもこの書籍は詳しく解説されており、移動平均線に関することを総合的に学べるのでオススメです。投資初心者から学びなおしたい人まで幅広く使えるので、ぜひ参考にしてください
グランビルの法則は、ここで紹介したとおりテクニカル分析の基本ともいえます。ダウ理論やボリンジャーバンド、一目均衡表などを組み合わせて総合的に判断すればより勝率を上げられるでしょう。
グランビルの法則を理解すれば、他の指標を併用する際にも参考になるのでぜひしっかり覚えておいてください。
20代男性、都内有名大学卒業後、貿易会社を経て独立。前職中に暗号通貨にハマる。現在はweb関連事業を行う傍ら、仮想通貨やFXトレードも兼業。好きなものはガジェット、ゲーム、自転車。暗号通貨や相場のことを分かりやすく説明することを得意とする。