COIN TOKYO

  • 2019/09/03
  • 2019/09/03
  • コイン東京編集部 コイン東京編集部

バイナンスアカデミーがMimblewimble(ミンブルウィンブル)を特集|Grin・Beamが高騰

このエントリーをはてなブックマークに追加
バイナンスアカデミーがMimblewimble(ミンブルウィンブル)を特集|Grin・Beamが高騰
仮想通貨取引所バイナンスの教育部門は、Mimblewimble(ミンブルウィンブル)プロトコルについて特集しました。

Mimblewimble(MW)を採用する仮想通貨にGrin(グリン)とBeam(ビーム)があります。同日、2つのコインはそれぞれ上昇しました。

Beamは、2月に株式会社リクルート・ホールディングスが開発チームへの出資を発表した事で、国内コミュニティの間でも知られています。4月にバイナンスの投資部門は、GRINのウォレットを開発するスタートアップ企業Ironbellyに15,000ドル(1,750,000円)の助成金を付与しました。

Mimblewimbleの仕組み

Mimblewimble(MW)プロトコルは、トランザクションの構造化と保存方法でオリジナリティを持つブロックチェーン設計です。プルーフオブワーク(PoW)の種類の一つで、プライバシー性の強化とネットワークのスケーラビリティ向上を可能にします。

Mimblewimbleプロトコルは、その開発経緯のためにビットコインコミュニティから多くの支持を集めており、開発動向に注目が集まっています。

Mimblewimbleの設計は、2016年半ばにペンネーム「Tom Elvis Jedusor(ハリーポッターのヴォルデモート卿のフランス名)」に紹介されました。ビットコインの開発組織BlockstreamのリサーチャーAndrew Poelstra氏は、この概念を改善して「Mimblewimble(2016年10月発行)」という論文を書きました。以来、多くの研究者と開発者がMWプロトコルの可能性を研究しています。

反対意見もありますが、Poelstra氏はMimblewimbleが最終的にサイドチェーンソリューションとしてビットコイン・ネットワークを改善する可能性があると考えています。

Mimblewimble(MW)ブロックチェーンは重要な情報のみを保持するため、ノードにとってダウンロード、同期、検証がより簡単かつ高速になっています。MWは、カットスルーと呼ばれる機能を採用して、冗長なトランザクション情報を削除することでブロックデータを削減します。

ネットワークに参加してノードを実行するためのコストの削減は、将来的により多様で分散したコミュニティにつながり、多くのPoWブロックチェーンに共通するマイニングの集中化を減らす可能性があります。

また、Mimblewimbleはプライバシー性を強化します。MWブロックチェーンには識別可能なアドレスがありません。トランザクションデータは送信当事者にのみ表示され、当事者以外にとってはランダムデータのように見えます。そのため、Mimblewimbleの各ブロックはマイナーによって検証・承認されても、個別のトランザクションの詳細は提供されません。ビットコインのようにパブリックな台帳上のトランザクションを辿って、過去の取引内容を見る事も出来ません。

Mimblewimbleは、Confidential Transactions(機密取引:CT)によって、取引当事者間で送付するコインの量を把握できるようにします。CTは、2013年にビットコイン開発企業Blockstream代表の暗号学者アダム・バック氏によって提案され、Greg MaxwellとPieter Wuilleによって実装されました。

このような特徴を備えるMimblewimbleですが、Binanceアカデミーは欠点も指摘しています。

Confidential Transactionsは、従来の匿名系コインに比べるとトランザクションのスループットを大幅に低下させます。しかし、非匿名コインと比較した場合、TPSレート(1秒あたりトランザクション数)は低くなります。

MWは、量子コンピューター(高度で強力なコンピューター)に対して耐性がありません。MWは、デジタル署名の比較的単純なプロパティに依存しています。成熟した量子コンピューターはまだ数十年先であり、MWを使用する仮想通貨は、今後数年で量子攻撃を防ぐ方法を見つける可能性があります。

最大の問題はMimblewimble自体が実験段階であり、今後十分な信頼性と採用を達成できるかどうかです。

「MWは刺激的で有望なアイデアですが、非常に若いものです。潜在的なユースケースは模索中であり、Mimblewimbleの将来は依然として不透明です。」


関連記事

仮想通貨の最新情報をお届けします!

人気記事ランキングまとめ

もっと見る