三角持ち合いとは、上記のように上値を結ぶラインと下値を結ぶラインを引いた場合に三角形になるチャートパターンです。このパターンはトレンド相場の最後に出現することが多く、大きな値動きの前兆であることが多くなっています。
ブレイクする方向にエントリーすれば大きな利益を上げられるパターンなので、しっかり分析してエントリーしていきましょう。三角持ち合いに見えるチャートを見つけたら、トレンドラインやサポート・レジスタンスラインを引いてみてください。
なお、三角持ち合いは三角保ち合いやトライアングルと呼ばれることもあるので、これらのワードが登場したら注意してチャートをチェックしてみてください。
次に三角持ち合いのチャートパターンについて見ていきましょう。三角持ち合いにはいくつかのパターンがあり、それぞれ状況が異なります。それぞれのパターン別にどちらにブレイクする可能性が高いかをしっかり覚えておきましょう。
基本的に、三角持ち合いと呼ばれるチャートパターンは「ペナント」とも呼ばれています。ペナントには以下の3パターンがあるので、しっかり覚えておきましょう。
それぞれのパターンについて実際のチャートを見ていきましょう!
シンメトリカルトライアングルとは、上値が徐々に切り下がってくると同時に下値が徐々に切り上がってくると形成されます。この場合はどちらにブレイクするかが判断しにくいのがデメリットです。
したがって、シンメトリカルトライアングル出現時にエントリーする場合には他の指標やさまざまな材料を総合的に判断して、どちらにブレイクするのかを考えましょう。また、予想した方向と反対に動いた場合に備えてストップロスの設定をしておくことも大切です。
ディセンディングトライアングルとは、このようにサポートラインと下降トレンドラインを結ぶとできるトライアングルのことです。トライアングルの先端付近で下方向にブレイクする可能性が高いので、売りのエントリーをするのがオススメです。
エントリータイミングは以下の2パターンがあります。
ディセンディングトライアングルとは-上昇トレンドのつかみ方や否定への注意など解説
アセンディングトライアングルはディセンディングトライアングルの逆で、レジスタンスラインと上昇トレンドラインによって形成されるトライアングルです。アセンディングトライアングルがブレイクすると上昇トレンドが始まるので、うまくエントリーしましょう。
アセンディングトライアングルのエントリーポイントは以下の2つです。
アセンディングトライアングルとは-エントリーやだましなどチャートの注意点を解説
フラッグとは上記のように上昇トレンドラインと下降トレンドラインを同時に引くと、平行線になるパターンのチャートです。フラッグには上昇フラッグと下降フラッグの2パターンあるので、以下の見分け方をしっかり覚えておきましょう。
■上昇フラッグ
フラッグ形成中に直近の安値を下抜ける
■下降フラッグ
フラッグ形成中に直近の高値を上抜ける
フラッグに見せかけてペナントになることもあるので、チャートの動きには十分注意しておきましょう。怪しいと思った場合はチャートにラインを引いておき、どちらを形成しているかを見極められるようにしてください。
次に、前述のパターン別に投資家心理を含めたポイントを紹介します。値動きの理由を知りたい人は必見です。投資家心理を押さえておけば今後どのような値動きに期待できるのかがわかりやすくなるでしょう。
三角持ち合いの中で、水平なレジスタンスラインと上昇トレンドラインが交差するタイプのチャートを「アセンディングトライアングル」と呼ばれます。
アセンディングトライアングルが形成されている場合、値幅が狭まってきたタイミングでレジスタンスラインをブレイクして一気に価格が上昇することに期待できるでしょう。
もし、アセンディングトライアングルを形成中と考えられるチャートを見つけたら、注意深くチェックして最適なタイミングでエントリーしてください。
アセンディングトライアングルが形成中の場合、市場に参加しているトレーダーはレジスタンスラインをブレイクアウトすることに期待しています。
アセンディングトライアングルになっているということは、レジスタンスライン付近での売り圧力が強いものの、全体としては買い圧力が強くなっています。そのため、下値が徐々に切り上がっていると考えられるでしょう。
そのため、値幅が狭まってきたタイミングで買いのエントリーが増え、それがブレイクアウトに繋がります。値幅が広いうちは様子見、値幅が狭まったタイミングでエントリーという人が多いので、参考にしてください。
三角持ち合いにはサポートラインが水平で、下降トレンドラインと交差するタイプのものもあり、これを「ディセンディングトライアングル」と呼びます。
ディセンディングトライアングルが形成されている場合、アセンディングトライアングルとは逆に、サポートラインをブレイクして一気に価格が急落する可能性が高いといえるでしょう。
こちらも形成中のチャートを見つけた場合は、その後の動きに要注意です。
ディセンディングトライアングル形成時の投資家心理を考えると、サポートラインをブレイクしないかに注目している人が多いといえるでしょう。
ただし、ダマシに警戒している人も多いので値幅が狭まってくるまで様子見している人も多くなっています。
しがたって、値幅が広ければ様子見がオススメです。値幅が狭まってきた場合、そのタイミングでエントリーするかサポートラインをブレイクするまで待つかを判断してください。
注文のバランスはサポートライン付近では買い注文が集まっているものの、全体としては売りが優勢といえるでしょう。
アセンディングトライアングル・ディセンディングトライアングル以外の三角持ち合いには、上昇ペナントと下降ペナントというものがあります。
これは上昇トレンドラインと下降トレンドラインが交差するタイプの三角持ち合いで、どちらにブレイクするのか判断しにくいパターンです。
このパターンの場合、ブレイクする方向がわからないので様子見しているトレーダーが多いといえるでしょう。ただし、経済指標など他に価格を動かしそうな要素がある場合は注文が増えて一気に価格が動く場合もあります。
そのため、ペナントでトレードする場合は他の価格を動かす要素がないかどうかをチェックし、価格を上昇/下落させそうな要素を見つけた場合はその方向にエントリーするのがいいでしょう。
もし、それらの要素がない場合は投資家心理を考えて様子見するのがいいといえるでしょう。どちらかの方向に動き出したらトレンドフォローのエントリーをするのがいいかもしれません。
三角持ち合いも他の指標と同様にダマシが発生することがあります。ダマシにひっかかると大きな損失が出ることが多いので、細心の注意を払いましょう。
ここではよくあるダマシを紹介するので、しっかり覚えておきましょう。
三角持ち合いでよくあるダマシのタイミングは「形成中」、「ブレイク時」のいずれかです。その中で、形成中にダマシが発生するパターンが上記のチャートです。
2つの安値がチャートに現れたためにトレンドラインを引き、ブレイクしそうなタイミングでエントリーした場合、逆方向に動いていることがわかるでしょう。
このように、アセンディングトライアングルを形成中の場合は直近の安値を下回ったら、ディセンディングトライアングルを形成中の場合は直近の上値を上回ったらダマシに注意してください。
三角持ち合いがブレイクした際にもダマシが発生することがあります。一度上記のチャートをチェックしてみてください。
アセンディングトライアングルでレジスタンスラインをブレイクしたものの、その後すぐに大暴落しています。形成中にこれを見分けるのは不可能に近いので、エントリーする際はストップロス用の逆指値注文もしっかり入れておきましょう。
そうすれば予想外の動きをした際でも損失を最小限に抑えられます。
三角持ち合いのチャートを見るだけではダマシに対応できないことも多いので、別の指標を組み合わせるのがオススメです。
一目均衡表やMACDを利用して売られすぎや買われすぎを確認すると、ダマシの可能性があるかどうかを判断できるでしょう。また、DMIを組み合わせてトレンドの方向や強さをチェックし、十分に信頼できるほどのトレンドの強さがある場合にエントリーするのもいいでしょう。
こうして考えると、さまざまなテクニカル指標や経済指標を併用してダマシをできる限り回避することが大切といえます。
それでは、三角持ち合いで利益を出すために実践的なトレード手法をチェックしていきましょう。三角持ち合いで積極的にエントリーしたい場合は、ぜひチェックしておいてください。
まずは三角持ち合いが出現したときのエントリーパターンをチェックしていきます。エントリーパターンは基本中の基本なので、この機会に全て覚えておきましょう。
最も基本となるエントリータイミングは「レジスタンスライン・サポートラインのいずれかをブレイクアウトした瞬間」です。具体的な例を紹介するので、一度チェックしてみてください。
アセンディングトライアングル時は、レジスタンスラインを明らかにブレイクアウトしたときがエントリーのタイミングといえるでしょう。はっきりブレイクを確認したタイミングでエントリーすると、ダマシに引っかかる可能性を減らせるのでオススメです。
値幅が狭まってきたらブレイクが近いので、チャートをしっかりチェックしてください。
ディセンディングトライアングル時はアセンディングトライアングルとは逆で、サポートラインをエントリーしたタイミングでエントリーします。
こちらもダマシに引っかかる確率を減らせるので、確実にブレイクしたと判断できるタイミングでエントリーしましょう。
このタイプの三角持ち合いではどちらにブレイクかがわかりにくいものの、一度ブレイクするとその方向に価格が動く可能性が高いといえるでしょう。そのため、こちらもブレイクしたタイミングでトレンドフォローでエントリーするのがオススメです。
三角持ち合いを利用する場合、ブレイクしてからエントリーするのが基本ですが、利益が少なくなってしまうというデメリットもあります。
そのため、より利益を出したい場合は値幅が狭くなってきたタイミングでエントリーする方法もあるので、こちらも検討してみてください。ただし、この場合はブレイクしてからエントリーする場合に比べてダマシに引っかかる確率が高くなるので注意が必要です。
他の指標との併用やストップロスの設定など、損失を少なくするための対策を講じておきましょう。
最後にチャートにラインを引いて三角持ち合いを見つける方法と、三角持ち合いを表示してくれるインジケータを紹介します。初めて三角持ち合いを利用しようと考えている場合は必見の内容です!
最初にチャート上にラインを引く方法について見ていきましょう。上記のチャート画像を参考にしながら確認してください。
最初に「三角持ち合いを形成中ではないか」と感じたらサポートラインやレジスタンスラインを引いてみてください。ペナントと考えられる場合は、目立つ高値や安値をチェックしてトレンドラインを1本引いてみましょう。
次に、もう1本のラインを引きます。アセンディングトライアングルの場合は上昇トレンドライン、ディセンディングトライアングルの場合は下降トレンドライン、ペナントの場合は1本目と逆のラインを引いてください。
これで予想される値幅が決まるので、狭まってきたら注意しつつエントリーします。もし、予想外の動きをした場合はダマシの可能性があると考え、エントリーを見送るのもいいでしょう。
三角持ち合い相場においてチャートにラインを引く方法は以上です。理解できたら実際のチャートにラインを引いて試してみてください。
三角持ち合いを自動で検出し、ブレイクしたら教えてくれるインジケータがあればいいと思っている人もいるかもしれません。
そんな人にオススメのインジケータが「Mouteki-Demark_trend_new.mq4」です。これはMeta Trader 4(MT4)にインストールするインジケータです。このインジケータを利用する場合は、以下の手順でインストールしてください。
これでインジケータを利用できるようになります。これを起動すると、赤色のレジスタンスラインと青色のサポートラインが自動表示されるので、ブレイクしそうなタイミングを見つけるのに使ってみてください。
なお、実際にブレイクするとシグナルが表示されるので、エントリーの参考になるでしょう。「Mouteki-Demark_trend_new.mq4」は三角持ち合いをトレードに利用するのに非常に役立つので、ぜひ使って有利にトレードしていってください。
この記事では三角持ち合い相場について詳しく紹介しました。「アセンディングトライアングル」、「ディセンディングトライアングル」、「ペナント」などさまざまなパターンがあるので、しっかりマスターしておきましょう 。
エントリータイミングを見極め、ダマシに注意すればトレードの勝率を上げられるかもしれません。他の指標と併用するとさらにわかりやすくなるので、いろいろためしてみてください。
20代男性、都内有名大学卒業後、貿易会社を経て独立。前職中に暗号通貨にハマる。現在はweb関連事業を行う傍ら、仮想通貨やFXトレードも兼業。好きなものはガジェット、ゲーム、自転車。暗号通貨や相場のことを分かりやすく説明することを得意とする。