ファーウェイが中国人民銀行デジタル通貨部門と提携

中国の通信大手ファーウェイが中国人民銀行(PBoC)と戦略的パートナーシップを締結した。

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ファーウェイと中国人民銀行が提携

4日のWeChat上のリリースによるとPBoCの範一飛(Fan Yifei)副総裁は、ファーウェイの深川本社を訪問。中国人民銀行清算センターとファーウェイの戦略的協力協定、及び中国人民銀行デジタル通貨研究所とファーウェイのフィンテックリサーチの協力覚書に署名した。

契約の内容は明かされていないため、ブロックチェーン技術やデジタル通貨に関する共同研究が含まれるかは不明です。

同日、第27回中国国際金融展示会と第20回中国金融開発フォーラムが深川コンベンションアン展示場で開幕した。ファーウェイは独自のARMベースのサーバー「Kunpeng」と分散型データベースに基づくコアビジネスソリューションを出展。範一飛副総裁は、ファーウェイの展示エリアを訪れ、チップとデータベースの進歩を確認したという。

ファーウェイのクラウド&AIのプロダクト&サービスのHou Jinlong部長は基調講演を行い、「ファーウェイは顧客とパートナーと協力して、AIチップと5G、クラウド、その他の革新的な技術に基づいて継続的に革新し、強固なデジタル金融基盤を構築する。」と表明した。

これまでファーウェイはブロックチェーン機能を積極的に開発してきた。2018年4月、HyperledgerベースのBaaS(ブロックチェーン・アズ・ア・サービス)「Blockchain Service」を開始。ファーウェイとHyperledgerは、共同で性能テストツール「Caliper」をリリースしていた。

昨年11月末、ファーウェイ・クラウド(Huawei Cloud)は、それまで国内向けに商業展開していたブロックチェーン・サービス(BCS)をグローバルローンチした。Huawei Cloudを利用して、開発者はブロックチェーンアプリケーションを素早く最小コストで作成、デプロイ、管理できる。BCSは、IoT(Internet of Things)、データアプリケーション、金融など、あらゆる業界に適用可能。利用シーンとして、アイデンティティ検証、食品供給源の追跡、遠隔医療、データトランザクション、IoTデバイス管理、情報の証明、および自動車分野に特化したIoV(Internet of Vehicles)等、様々なシナリオが想定されている。

中国人民銀行は、2017年6月にデジタル通貨研究所を設立し、ブロックチェーンテクノロジーとフィンテックに注力してきた。Nikkei Asian Reviewによると、2017年に中国人民銀行(PBoC)は分散型台帳技術(DLT)関連の特許を最も多く出願していた(合計68件)。

2019年上半期の世界ブロックチェーン企業特許数上位100 
2019年上半期の世界ブロックチェーン企業特許数上位100 引用:IPRdaily

2019年上半期に公開された「世界ブロックチェーン技術の特許出願数ランキング」で中国は67%、米国は16%を占めた。そのうち、アリババは322件で1位、中国平安保険は274件で2位、Nchainは241件で3位だった。

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