Binanceのジャオ・チャンポン氏(以下「CZ」)が最初にビットコインに出会ったのは2013年8月。当時最大級のビットコイン取引所BTCCの創設者ボビー・リー氏の紹介だった。CZは家を100万ドルで売り、それでビットコインを購入。当時1BTC=600ドルだった。その後200ドルまで下落したにもかわらず、「依然として一切触れていない」とCZはDecryptに伝えた。今や1700万ドルの価値がある。
Binanceは2017年7月にBinance Coin(BNB)のICOを実施。わずか2週間で1,500万ドルを調達した。BNBは上場後20%下落、多くの投資家の期待を裏切った。「私の人生で最もプレッシャーのかかった時期だった」とCZは語る。
8月に入るやBNBは1,800%上昇、0.13ドルから2.45ドルへ推移した。しかし別の問題がCZを襲った。中国政府がBinanceを含む暗号資産取引所を「警戒している」という噂が流れた。
当時、Binanceは中国のコングロマリットAlibabaがホストするクラウドサービスに200台以上のサーバーを持っていた。Binanceはクラウドオペレーションを全て米国に本社を置くAmazon Web Services(AWS)に移動した。作業は8月29日に完了。CZは「できるだけ早く、チームを上海から移動させた」と語った。
まもなく中国政府は、実際に暗号資産取引ビジネスを禁止した。
Some established China Bitcoin exchanges stop operation right now does not mean that they cannot open again once with license.
— Jihan Wu (@JihanWu) September 12, 2017
Binanceは、2017年初めに暗号資産を合法化していた日本にキャンプを張った。2017年9月から12月にかけて、ビットコイン価格は3,000ドルから20,000ドルに上昇。「ある時点で、45,000件のKYC申請が滞留し、新規申請者が絶え間なく流れ込んだ」とCZは語る。
2018年3月、ハッカーが偽のGoogle広告を作成し、ユーザーを欺いて偽のWebサイトでBinanceのログイン情報を入力させた。2週間後、日本の金融庁はBinanceに交換所ライセンスの取得を要求した。
CZは、比較的規制の少ないマルタを拠点にすることを決断し、「公式に」マルタに移転した。しかし、実際に従業員がマルタに行く必要はなかった。
「人々を分散した場所で働かせることは、(当時)成長しつつあるトレンドでした。」
CZによると、この時点でBinanceはどこにも根付いていなかったという。従業員は、メッセージングアプリを介してワークフロー、イベント、ほぼすべてを管理し始めた。Binanceは分散型企業が運営する分散型ビジネスに変貌を遂げた。
「Binanceは、ユーザーが所有し運営する金融サービスプラットフォームという点で分散型の自律組織(DAO)になると信じています」とマルチコインキャピタルの幹部タシャー・ジェイン氏は語る。
CZは、いつの日かBinance DEXが他の主要な取引所、Binance自体よりも大きくなると考える。特定国の集中型サーバーに依存する取引所は、検閲耐性のある分散型取引所に淘汰されると見ている;
「私は、Binanceが50年、100年、またはそれ以上続く企業にしたいと思っています。同時に、自分自身を無関係にできることを願っています。」
関連記事
仮想通貨ニュースサイトのコイン東京では、ビットコインやリップル等仮想通貨にまつわる最新速報やプロトレーダーによる仮想通貨価格チャートの分析&解説、注目プロジェクト等のインタビューなど様々なコンテンツをお届けしています。