BitMEXの信用取引を利用する場合、取引手数料やレバレッジ手数料などさまざまな手数料がかかります。この記事では、BitMEXを利用する際の手数料について詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
最初に、BitMEXの特徴について簡単にみておきましょう。
BitMEXは、暗号資産の信用取引(レバレッジ取引)に特化した取引所です。その最大の特徴はレバレッジ倍率で、最大100倍になっています。
暗号資産のレバレッジトレードを提供している取引所はいくつも存在しているものの、最大レバレッジ倍率が数倍程度のことが多いので魅力的に感じるかもしれません。
レバレッジ取引(信用取引)とは取引所に証拠金を預け入れ、その証拠金を担保にして数倍の資金を運用するトレード方法です。実際の決済は差金決済で行われ、トレードによって出た利益や損失を証拠金に加減します。
BitMEXでは最大レバレッジが100倍なので、1 BTCを証拠金として預け入れれば100 BTC相当の資金を動かせることになります。レバレッジ取引は少額の資金を効率的に動かすのに最適といえるでしょう。
BitMEXのレバレッジ取引について詳しく知りたい場合は、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【初心者でもわかる】BitMEXの使い方(ログイン、チャート確認、入金)、手数料、評判を徹底解説
それでは、早速BitMEXの手数料について見ていきましょう。BitMEXを利用する場合には、以下の手数料がかかります。
手数料の仕組みと計算方法を紹介するので、一通りチェックしておくことをおすすめします。予想外に手数料がかさむことがあるので注意してください。
Maker手数料とは、指値注文を行ってその注文がオーダーブックに載った際に適用される手数料です。2019年12月時点でのMaker手数料は-0.05%となっています。
手数料がマイナスなので、Makerでトレードすると手数料分のビットコインを貰うことができるでしょう。
一例として、証拠金1 BTCを担保にして50 BTCをトレードした場合(レバレッジ倍率50倍)の手数料を計算してみましょう。
手数料は証拠金の額ではなく、実際にトレードする金額に対してかかるので注意しましょう。
上記の例で1 BTC = 750,000 JPYのときにトレードした場合、18,750 JPYの手数料となります。
Maker手数料はマイナスになっていて0.025 BTCを貰えるのでお得だといえるでしょう。
Taker手数料は成行注文を行った場合や、すでにオーダーブックに載っている注文と同じ金額で指値注文を行ってオーダーブック内の注文を消化した場合にかかる手数料です。
2019年12月時点でのBTCのTaker手数料は0.075%になっています。アルトコインの場合は0.25%とかなり高いので注意してください。
Maker手数料のときと同じ条件(証拠金1BTC トレード金額50BTC)でTaker手数料を計算すると以下の通りです。
Taker手数料も運用した金額に対してかかるため、上記の例では0.0375 BTCの支払いとなります。
同様に1 BTC = 750,000 JPYで計算すると28,125 JPYです。Takerの場合はこの金額を支払うことになるので、しっかり計算しておかないと予期せぬ損失の原因になるでしょう。
Funding手数料とは、一般的にポジション手数料やスワップポイントと呼ばれるものです。BitMEXでは8時間ごとにFunding手数料が発生し、資金調達率に応じて決定された手数料のやり取りが発生します。
Funding手数料のルールは以下の通りです。
上記のルールのうち、支払い方向については勘違いしがちなのでしっかり覚えておきましょう。手数料を支払うポジションと逆のポジションを保有している場合は、手数料を受け取ることになります。
証拠金1BTCで50BTCを運用し、ロングポジションを保有している場合を想定してFunding手数料を計算してみましょう。なお、今回の計算に利用する資金調達率は0.375%とします。
これを1 BTC = 750,000 JPYで計算すると142,125 JPYとなります。手数料発生時刻にロングポジションを保有していると高額の支払いが発生するため、資金調達率の数値によっては発生時刻より前に決済したほうがいいでしょう。
なお、この場合に同額のショートポジションを保有していると手数料を受け取ることになります。
資金調達率の数値が大きい時を狙って、Funding手数料狙いのトレードをするという方法もあるため、こちらも検討してみてください。
Funding手数料を確認したい場合、BitMEXのトレード画面に表示されている「資金調達率」の数値を確認してください。
上記の画像では「0.0100% 2時間後」と記載されています。これは判定時刻まで残り2時間で、ロングポジション保有者が保有金額の0.01%の手数料を支払わなければならないことを示すものです。
市場の状況によってこの手数料が変わるため、トレードする際や判定時刻が近い際には必ず確認するようにしてください。
資金調達率とは、BitMEXの信用取引価格とインデックス価格(現物価格)との乖離度合いを示す数値です。乖離率が上がれば上がるほど資金調達率が大きくなり、それにともなってFunding手数料も高くなります。
BitMEXでは、2019年12月時点でビットコイン先物取引にのみ0.05%の決済手数料を徴収しています。満期による決済だけでなく、満期前に決済した場合にもかかるので注意してください。
決済手数料は、保有しているポジションを精算したらかかる手数料だと覚えておきましょう。
決済手数料もほかの手数料と同様に、保有しているポジションの総額に対してかかります。50BTCのビットコイン先物取引のポジションを決済した場合、計算式は以下の通りです。
これまでと同様に1 BTC = 750,000 JPYで手数料額を計算すると、18,750 JPYとなります。決して安い金額ではないため、ビットコイン先物取引を行う場合はしっかり手数料分も計算しておきましょう。
決済手数料が設定されていないアルトコインの先物取引では、一切かからないので安心です。
BitMEXでは入金手数料を徴収していません。ただし、ウォレットや別の取引所からビットコインを入金する場合は、トランザクション手数料がかかるので注意してください。
なお、BitMEXの入金方法に関しては下記記事も参考にしてみてください。具体的なやり方やよくあるトラブルの対処方法などを詳しく解説しています。
BitMEXの入金方法を徹底解説~使い方から良くあるトラブルまで
BitMEXでは入金手数料と同様に、出金手数料も徴収していません。ただし、入金時と同様にトランザクション手数料はかかるので注意しましょう。
BitMEXの入出金にかかる送金手数料とはトランザクション手数料であり、マイナーに支払う手数料となります。ビットコインを出金する際は0.0002 BTC以上の任意の金額を設定しなければなりません。
推奨手数料額は0.001 BTCとされており、支払う手数料が少なすぎるとトランザクション処理が行われずなかなか着金しないことがあるでしょう。送金手数料は適切に設定することをおすすめします。
特にブロックチェーンが混雑している場合は、多めに支払うのがいいでしょう。
BitMEXでは、手数料がマイナスになっているMaker手数料や一定の範囲で変動してトレーダー同士でやり取りするFunding手数料を利用して稼ぐことができます。
ここで、手数料を利用して稼ぐ方法を簡単に紹介するので、ぜひ一通りチェックしておいてください。主な方法は次の通りです。
Maker手数料は無期限契約で-0.025%、先物取引で-0.025~-0.05%に設定されています。そのため、トレードする際は指値注文でMakerになるようにすれば、手数料分のビットコインを稼げるでしょう。
確実にMaker手数料を適用するためには、指値注文をする際に「Post-Only」にチェックを付けるようにしましょう。これにチェックを付けるとTakerになる場合は自動で注文がキャンセルされるので、キャンセルされた場合は再度指値注文で発注しましょう。
Funding手数料もうまく利用すれば稼ぐのに役立ちます。トレード画面の資金調達率を確認し、判定時刻(日本時間5:00/13:00/21:00)の直前に手数料を貰う側のポジションを保有しましょう。
具体的な狙い方は次の通りです。
手数料をもらえる方向のポジションを保有していれば、同額で売買しても手数料分の利益がでるのでおすすめです。
ただし、資金調達率ばかりを気にしているとトレンドの方向を見逃して大きな損失が出ることがあるので注意してください。
BitMEXでは証拠金の金額に対してではなく運用している金額に対して手数料がかかるので、しっかりルールを把握して予期せぬ損失が出ないように注意する必要があります。
特に注意すべきポイントは以下の通りなので、ぜひしっかりチェックしておいてください。
特に注意したいのがビットコインの信用取引にかかるFunding手数料で、判定時刻を見逃したり方向を勘違いしたりすると予期せぬ手数料が発生します。
判定時刻前には必ずFunding手数料をチェックし、支払う手数料が高額になる場合には決済するなどの対策をしましょう。
BitMEXの手数料は高いのか安いのかが気になっている人も多いかもしれません。最後にこの点について簡単にみておきましょう。
国内取引所の手数料設定は0.01~0.2%程度のことが多く、取引所によってはBitMEXのようにマイナス手数料を設定しているところ(bitbankなど)があります。
販売所形式の業者は手数料が無料に見えるものの、実際にはスプレッドに含まれていて一般的な取引所より高いことがほとんどなので注意してください。
こうしてチェックしていくと、BitMEXの手数料は極端に高い設定ではないことがわかるでしょう。最大レバレッジが100倍になっているために手数料がかさみがちだといえます。
BitMEXの手数料をCryptoGTなどの主要なレバレッジ取引所と比較すると、そこまで高くなく、マイナス手数料もある分お得に利用できるといえるでしょう。
BitMEXは-0.05~0.25%であるものの、CryptoGTは通貨ペアによって0.08~0.62%となっているため、BitMEXの方がお得です。
複雑な設定になっているFunding手数料に注意すれば、比較的お得にトレードできる取引所といえます。
今回は有名レバレッジ取引所「BitMEX」の手数料を詳しくチェックしていきました。BitMEXはレバレッジが100倍である代わりに手数料もかさみやすいことがわかったかもしれません。
しかし、マイナス手数料がある取引所でもあるため、Maker注文やFunding手数料をうまく活用すれば手数料で稼げる取引所でもあります。BitMEXの手数料について覚えておきたいポイントをまとめると以下の通りです。
これからBitMEXでトレードする場合や、BitMEXの手数料が高いと感じている場合は上記のポイントに注意してトレードしてみてください。仕組みを理解するだけで余計な手数料を支払わずに済むようになるでしょう!
BitMEXの口座をまだ持っていない方でレバレッジ取引に興味がある方は是非下記記事も参考にしてみてください。
【初心者でもわかる】BitMEXの使い方(ログイン、チャート確認、入金)、手数料、評判を徹底解説
20代男性、都内有名大学卒業後、貿易会社を経て独立。前職中に暗号通貨にハマる。現在はweb関連事業を行う傍ら、仮想通貨やFXトレードも兼業。好きなものはガジェット、ゲーム、自転車。暗号通貨や相場のことを分かりやすく説明することを得意とする。