PricewaterhouseCoopersのアジアフィンテック、暗号資産部門の責任者であり、香港フィンテック協会の会長を兼任するヘンリー・アルスラニアン氏は、2019年にフェイスブックの計画中のデジタル通貨Libraによって、中央銀行のデジタル通貨への関心を高めたと指摘した。
同氏によると、以前は銀行のデジタル通貨に対する関心は非常に薄かったが、Libraの話題以降、世界の中央銀行の70%以上がデジタル通貨を検討しているという。
アルスラニアン氏はデジタル通貨に関心を示す大規模な多国籍企業が、次の数か月に大きな変化をもたらすと考えている。既に中国では独自の中央銀行デジタル通貨を立ち上げる準備ができており、現在、業界を越えた論争の的となっている。同氏によると、国境を越えた取引額は年間約5,000億ドルに上り、その大半は2億5千万人以上の移民によるものだという。アルスラニアン氏は、Libraがこの分野で大きな役割を果たすことになると考えている。
ビットコインやアルトコインへの影響について聞かれたアルスラニアン氏は、「ビットコインは依然としてすべての暗号資産の母だ」と語り、一方でLibraは原資産として法定通貨に依存していると指摘した。分散型なビットコイン(BTC)と独自のユースケースを持つアルトコインが、同時に保持される可能性があると述べた。
また、アルスラニアン氏は課税の面で過去24ヵ月間に多くの規制の明確化がなされたと述べた。IRS(内国歳入庁)が先導して、過去数か月間に暗号遺産税に明確さを与えたという。
直接的な結果として、2020年により多くの機関が暗号資産に関与し始めるとアルスラニアン氏は予想している。さらに、機関顧客が暗号資産に対する関心を高めているという事実があると同氏は加えた。
暗号資産スペースには、カストディ、信託、先物など、多くの規制されたソリューションとインフラストラクチャーが整ってきている。こうした手段により、従来の金融市場のプレーヤー達は慣れ親しんだ方法で暗号資産にエクスポージャーを得ることができる。
アルスラニアン氏はまた、膨大な数のデジタル銀行と仮想銀行(Virtual Bank)が出現していると語った。アジアで仮想銀行の競争が起きており、既に8銀行が香港の中央銀行に承認されているという。
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