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  • 2020/12/30
  • 2020/12/30
  • コイン東京編集部

仮想通貨XRPの証券問題がリップルパートナー銀行に及ぼす影響は?―米金融業界紙アメリカン・バンカー

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仮想通貨XRPの証券問題がリップルパートナー銀行に及ぼす影響は?―米金融業界紙アメリカン・バンカー +仮想通貨ニュースサイト コイン東京
仮想通貨XRPの証券性を巡る米SECの提訴は、米リップル社と提携している銀行にとってどのように受け取られているのか?29日に米金融業界紙アメリカン・バンカーが報じた。



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SECがリップル社を提訴

23日のSECの提訴によって、XRPの販売を通じたリップル社の資金調達方法が白日の下にさらされた。訴状によると、リップル社の幹部はXRPのオファリングをSECに登録せずに合計146億XRP(13億8000万ドル以上)を販売して事業運営費と個人資産を得てきた。こうしたアクションは証券法に違反しているとSECは主張する。

SECはリップル社とその幹部に対し、未登録のXRP販売を恒久的に禁止し、取引で得た「すべての不正利益の引き渡し」と未特定の民事罰を求めている。

xCurrentを使用する銀行

管理資産430億ドルのATBFinancial(カナダ)は、2016年にリップル社の国際送金ソフトウェア「xCurrent」の試験運用を開始した。当時ATBでディレクターを務め、現在はテクノロジー企業Boxの幹部であるTim Wan氏はアメリカンバンカーに対して、今もリップル社が「より効率的で安価な方法で従来の国際的な資金移動(SWIFT)にとって代わる」可能性があり、「必要性が高いと信じている」と語っている。

しかし、Wan氏はXRPについて「当時も今も未知数の部分が大きい」と語る。SECの訴訟は「リップル社と銀行との関係に影響を与えるだろう」と彼は加えた。「銀行は信頼の概念に基づいて構築されています。そのため、資金移動に使用する技術プラットフォームに対する信頼の欠如に非常に敏感です」。

別のATBのスポークスマンは、銀行は2016年以来リップル社と関わっていないと述べた。

XRPに対する銀行の懸念

リップル社は長い間、仮想通貨XRPを国境間決済のブリッジ通貨に使用するソフトウェア「xRapid(現ODL)」の普及に努めてきた。ODLは、送金相手国の法定通貨をコルレス銀行に用意する必要性を排除することで、安価で速い送金を可能にする。

現在のところ、公的にはODLを使用している米国の銀行はない。昨年のインタビューで、シティバンクの決済・手形部門の責任者であるManish Kohli氏は、仮想通貨の市場リスクを理由に「国際決済でXRPのような暗号通貨を使用する銀行はほとんどないだろう」と予測していた。

SECの訴訟は、こうしたXRPに対する銀行の慎重な姿勢を裏付けている。訴状によると、リップル社はソフトウェアの販売ではなく、XRPの販売を通じて収益を上げてきた。例えば、2019年にリップル社は「xCurrent」と「xVia」ソフトウェアの販売を通じて2300万ドルを稼いだが、XRP販売から2億ドルを調達した。

“言い換えれば、リップル社の収益の圧倒的大部分はXRP販売によるものであり、リップル社はその販売に依存して事業を運営してきた(SEC)”

SECによると、リップル社の共同創設者であるクリス・ラーセン氏は、1,000億XRPを作成した頃に自身に割り当てたXRPを、その後売却することで4億5,000万ドルを得てきたという。リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは、入社時に付与されたXRPのうち3億2100万XRP以上を、2017年4月~2019年12月にかけて売却し、1億5000万ドルを取得してきたと見られている。

訴訟の今後

過去に同様の訴訟で仮想通貨会社を弁護したBaker MarquartのパートナーであるBrian Klein氏は、SECの主張は立証されていないと述べた。

「明らかにこの件はまだ立証されておらず、耳を傾けるべき反対側の主張が残されている。SECが求める罰則は、リップル社の存続に関わる脅威となる可能性があります。残念ながら、この訴訟を提起するだけでも、XRPに恒久的な損害を与える可能性があります。SECの単なる主張が仮想通貨への致命的な打撃となることは非常に残念です」。

SECは過去に2件の類似訴訟で和解に至った。Telegramによるgramトークンセールを「未登録の証券販売」とする訴訟は、今年6月にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所によって和解に至っている。Telegramはグラムの配布を停止し、投資家に12億ドル以上を返還し、1850万ドルの民事罰を支払うことに同意した。5月に同社はプロジェクトの開発を停止した。

2017年にKik Interactiveが行ったKinトークンセールは、今年10月に連邦地方裁判所により未登録の証券販売に該当すると判断された。Kikは未登録のkinトークンの提供が禁止され、500万ドルのペナルティを支払うことになる。

「SECはここ数年、暗号通貨会社に対して多くの訴訟を起こしてきた」とクライン氏は述べる。「残念ながら、SECは規制のツールとして明確なガイダンスを発行するのではなく、執行を選択したと考えられる。」

クライン氏はリップル社の「裁判が終了するのに数年かかる可能性がある」と語る。「TelegramやKikのようにSEC側が勝ったとしても、地方裁判所の判決は他の裁判所に拘束力を持たない。待ち受けているのは明確なガイダンスはなく、占星術のような曖昧なプロセスです」。


【コイン東京専任プロトレーダーによる今後の価格分析】



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